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2008年2月11日 (月)

THE・ガジラ「新・雨月物語」:意味不明のまま終了

080210
脚本・構成・演出:鐘下辰男
会場:世田谷パブリックシアター
2008年1月25~2月3日

「雨月物語」と言っても上田秋成ではなく、溝口健二の映画版の方を元にした芝居だとのこと。

冒頭、完全な沈黙の中で侍が出現。山奥深い山の民の元を訪れた侍が、男の焼いた器を献上しろと迫るが逆に殺される。
そこから、男の過去へと戻っていくというストーリーだが、役者も演出も装置も文句はない。よく出来ている。

しかし、どうもそれとは別の「理屈」の部分がどうにもよくワカラン。
日本の表舞台から追い払われた一族が千年以上にも渡り、山の奥に潜んできた。そして、時の太閤秀吉から山狩りにあい、もうビンボーな山の暮らしはイヤだと逃れようとする主人公が出会う。
--のはいいんだけど、というのは幻だった、というのは幻だった、というのは幻だった、と続いて行って結局何がなんだったのか理解できなかったのは私だけか?
秀吉の山狩りと山神がイヤで逃げた主人公が結局、山神の掌の上から逃れられなかったというのなら、彼にとって真に抑圧的だったのは山神じゃなかったのか?
しかし、冒頭の場面を見ると彼はすっかり山の民の一員に戻っている。とすれば、彼は結局のところ山神の力に屈伏したのだろうか。
全くもって分からんよ。
「権力」とか「支配」とか持ち出すんだったら、そこんとこハッキリして欲しい。

若松武史はホントに××年ぶりぐらいに舞台で見た。北村有起哉はお腹にぜい肉な~し。(というどうでもいい所を見てしまう)
あと、ヒロインの(一人の)葛城が死ぬ場面が舞台の前方に立っている役者のために死角になって全く見えなかったよ(T_T) あれって、月雲との関係が明らかになる決定的瞬間なんだろうに。こちらとしては推測するしか他になかった。私と同じ角度の線上にいる客はみんな見えなかったと思う。何とかしてくれい。

久しぶりに芝居を見る度にガックリ来てしまうのはどーしたらいいんかね(?_?)

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