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2008年2月 1日 (金)

「ヴェルサイユの祝祭 5 華麗なる宮廷舞踏」:思わずウットリ

080201
リュリからモーツァルトへ
出演:浜中康子、T・ベアード、P・ウィットリー・ボーゲス他
会場:杉並公会堂大ホール
2008年1月27日

第4回の感想はこちら

バロックダンスを見せるプロジェクトのシリーズ、今回は前半がヴェルサイユ宮廷で貴族たちが踊った舞踏会用のダンス、後半は専門家が踊った劇場用ダンスである。
やはり今度も、アナウンサーの朝倉聡が当時の装いで登場して、宮廷内をご案内。リコーダーをちょこっと吹いたりもした。
演奏は若松&高田ペアなどBCJでもお馴染みのメンツに、チェンバロ(&ハーディ・ガーディ)は上尾直毅、ガンバは平尾雅子(髪型変えた?)、バロック・トランペットはバリー・ボーゲスという人(ダンサーのボーゲス女史のだんなさんか?)だった。

最初は定番、ルイ14世がリュリの曲で太陽神に扮して踊った「アポロンのアントレ」で開始。マレなど曲も入って、当時の貴族たちの舞踏を再現。その後は時代を下ってモーツァルトの曲へ。ここで、現代の社交ダンスの原型が登場する。それは貴族中心の身分社会の崩壊の予兆だったという。

途中で、池田理代子が登場して、マリー・アントワネットが作った曲を歌った。自作に登場するアントワネットの衣装をそのまま再現したという目立つピンクのドレスで、かなりのド迫力である。ただ、その歌唱自体はビブラートを多用していて、古楽ばっかり聴いている私にはあまり馴染みのないスタイルだった。

後半は、全曲リュリで様々なダンスを見せてくれた。「9人のダンサーのバレエ」はその名の通り9人で踊る大がかりなもの。ダンサーにバレエ畑の人も入っていて非常に見事である。
だが、一番よかったのはオペラ『アルミード』の一場面を再現したものだった。魔女が自分の魔法の通じない唯一の男である兵士を、妖精に命じて誘惑させるという筋書きである。普通「誘惑」するなんつーと、ケバいおねーさんでも出てきそうだが、そんな事は全然なくてまるでロココ調の絵画をそのまま現実にしたような典雅極まりない雰囲気だった。
この部分だけテノールの歌も入って、もう何というかホヤ~ッとした夢幻の境地に誘われた気分であった。( ̄ー ̄)
あー、このままでオペラ全曲見られたらなあと思ってしまった。モダンダンスなどを取り入れた現代風の演出もいいが、こういう古式豊かな(?)復元スタイルもエエもんですなあ。

若松さんのヴァイオリンも絶好調。ストレートで力強く、それでいて艶がある音だった。おフランス風である。これもまたウットリ。
しかも、指揮者がいなくてこれだけやってしまうのもスゴイ!と感心したのであった。

イタリア風の道化の喜劇や『町人貴族』の一場面も見せてもらって、色々と盛りだくさんで嬉しい企画だった。また次回も必ず行くぞと決意するのであった。

ところで会場は大半--8割ぐらいは女性で埋まっていた。ダンス関係の客かと思ったが、よくよく考えたら池田理代子のファンがかなり来ていたのかも知れない。
杉並公会堂は初めて来たが、まだ作られて二年経っていないらしい。ピカピカの新品で立派なホールだ。ロビーが狭くて、終演後に客が渋滞してしまうのが難であろう。

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