「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」:ハサミをカミソリに持ち替えて誓う永遠の愛を~
監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター
米国2007
言わずと知れた有名ミュージカルの映画化。しかし、私はこれまでスウィーニー・トッドが元々都市伝説だったとは知らなかった。さしずめ人肉パイは猫○ハンバーガーと似たようなもんだろうか。
それにしても、食品の安全が問題になっている昨今、観ていて恐怖が倍増することは間違いなし!コワイよーん(-o-;) 是非、この時期の鑑賞をオススメしたい。
ジョニー・デップが白塗りメイクで黒服着て、陰鬱な表情でウロウロして、さらにカミソリを両手にかざせば、あら思い出すのは『シザーハンズ』じゃあーりませんか
まさしく、今回もテーマは同様。復讐のために戻ってきた男がその怒りを無辜の民に転化して殺しまくる揚げ句、遂には愛する者を手にかけてしまうのである。
元舞台は3時間あるそうだから、やはりそこに焦点を絞って映画化したんだろうと推測しちゃう。若いカップルの描写についてはあまり熱が入ってなかったような……(^^;
モノクロ画面に血がドバーッと噴出場面が頻発、血に弱い方にはオススメしないが、その画面を覆う美意識はさすがバートン監督としか言いようがない。とりわけ銀色に鈍く輝くカミソリはウットリするほどキレイ。
あと、階下の床に死体が頭を下に落下してグキッと衝突するのは悪趣味でよろしい。
J・デップの歌が結構なレベルだったのは驚いたが、総合点ではH・ボナム=カーターの方が頭一つ上だった印象。アラン・リックマンも上手ではないけど頑張っていたようで。でも歌については一番上手かったのはボーイ・ソプラノの少年だろう。
オーケストレーションは元のミュージカル通り?それとも映画用なのだろうか?これも人物の心情や場面を巧みに表現していてよかった。
レディース・デーに行ったんだけど、女一人客よりカップル客がほとんどだったのはチト驚き。ティム・バートン映画がデート・ムービーになるとは--世も末だってことですかねえ。
主観点:8点
客観点:8点
【関連リンク】
《映画のメモ帳+α》
この作品の背景が分かります。
《ようこそ劇場へ! Welcome to the Theatre!》
舞台との違いについて。
《エンターテイメント日誌》
バートン版が完成するまでのエピソードなど。
アラン・リックマンの「悪役・ターピン判事がキリストに懺悔しながら自分の体に鞭打つ場面」を是非見たかったなあ~。さぞリックマン、嬉々としてやってくれただろうと想像しちゃう(ウットリ)。
《おたくにチャイハナ》
長年バートン・ファンであるしのさんの感想。
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コメント
TBありがとうございます〜
高得点ですね。
「ウットリするほどキレイ」「悪趣味でよろしい」と言ってしまうあたりさすが!ですね。(ほめてますよ〜)
私もレディースディに行ってきましたが、ほぼ満席でした。
ところで、私はあまりミュージカルに詳しくないので、そんなに有名な演目だとは知らなかったんですよ。確かに密室要素の多いシチュエーションで話が進行するので、舞台向きだと思いましたが、どんな演出をするのか一度ミュージカル舞台でも観てみたい気がします。
投稿: しの | 2008年3月 3日 (月) 21時29分
お忙しいところコメントどうもです。
|さすが!ですね。(ほめてますよ〜)
わーい、ホメられちゃった(^o^)/
私も舞台を見てみたくなりました。普通、主人公のカップルはもっと年齢が上っぽい役者さんがやるんじゃないですかね。(映画の二人は若く見える)
いずれにしてもバートン風味横溢の映画でした。
投稿: さわやか革命 | 2008年3月 5日 (水) 23時02分