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2008年3月17日 (月)

「『リュートの飾り棚』(1695)ルサージュ・デ・リシェーの音楽」:めざせ500歳

080317_3
グライフ(1610年)作のオリジナルリュートとガット弦による演奏
演奏:佐藤豊彦
会場:近江楽堂
2008年3月7日

日本でVIP待遇のリュートったら佐藤豊彦師匠が所有する--じゃなかった、佐藤豊彦が甲斐甲斐しくお仕えしているグライフ作のリュート様なんである。
ガンバなんかだと、昔の楽器をまだ使用できるパターンが多いらしいのだが、繊細なるリュート様たちはそんな訳にはいかず、当時から存命なさっていてしかも演奏可能なのはほとんどないとか。
このリュート様もほぼ400歳。そして4年間もの修復作業の後、ようやく復帰できたらしい。

前回のコンサートでも、これまで聴いてきたリュートとは全く違ったその音色に驚かされたものであったが、今回もやはり生で耳にすると感ずるところ多々あり。

さて、演奏されたのはルサージュ・デ・リシェーという全く聞いたこともない作曲家。CDは世界初録音となるほどにマイナーな人物である。ムートンの弟子になり17世紀末ごろに活躍し、バッハ時代のリュート奏者に大きな影響を与えたとか。

曲を実際に聴いてみるとやや晦渋な印象。今ひとつ「もっと聴きた~い」という魅力には欠けるのであった。存命中も作曲家としてよりは演奏家として人気があったのではないかと推測しちゃう。アンコールの「シャコンヌ」はよかったけど。

それにしてもリュート様は今回もご機嫌麗しくない様子。組曲の舞曲一曲演奏するごとにチョコチョコと調弦しないとダメなのであった。
佐藤師匠によると休憩中に弦を一本交換したそうである。なんでもエアコンの、特に暖房の方が乾燥した風に当たってよくないとか。しかし、夏は夏で湿気のためガット弦は二、三時間しかもたないのである……

しかし、客は一同ガマンガマン態勢で、こうなると「リュート公演の聴衆は曲よりも調弦を聞かされている時間の方が長い」のであった。

それでもリュート様!どうかあと一世紀ぐらい 長生き 長持ちして下せえ(^人^)

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