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2008年4月26日 (土)

生演奏と録音の間には

《♯Credo》にて「レッドプリーストの「四季」」を興味深く読ませていただいた。

彼らの公演に計3回行った人間としては(^^;--感想はこちらこちら--やはり何か言わなくちゃね。

実は私は彼らのディスクを持っていないし、今後も買うつもりはない。もし、また来日した時に新しいプログラムを持ってきたらきっとコンサートに行くだろうけど。
そして、例えディスクを買ったとしても一、二回聴いたたけで後はもう手に取ることもしない可能性は高い。
正直、音だけだと彼らのアレンジは聴くに耐えないものになってしまうような気がする。大仰でわざとらしさ満載だし。

しかしその原因はというと、やはりレッド・プリーストの演奏は極めてパフォーマンス性の強いものだから、としか思えない。
見ると聞くとでは大違い--というほどではないが、かなりの差はあっただろう。演奏会場でバカ売れだったCDは単に公演鑑賞記念のおみやげ以上の役割はなかったのではないかと思えるほど。
しかし、それは仕方ないことだ。彼ら自身も自称しているように、その公演は非常に大道芸人的なパフォーマンスが中心で音だけ聴いたんじゃ片手落ち、魅力は半減である。

だが、これは彼らがイロモノだとか言ってるわけではない。「正統的な」演奏のグループにおいても、コンサートで素晴らしい演奏を聴かせてくれたんで感動して録音を買ってみても、全く同じ曲を同じようにやっているにもかかわらず、詰まらない演奏でガッカリすることが度々あった。(あんまりそのパターンが多いんで、最近はライヴでよくてもうかつにCD買わないように注意している)
一体何が悪いのか。演奏者自身か、レコード・プロデューサーか、録音技術か?

私は所詮、録音は生気が抜けた残滓のようなもの、あるいは抜け殻のようなものだと考えるようにしている。味気のない干物のようにいくら噛んでも何も出て来ないこともあるだろう。それでもガマンするしかないのだ。
例えば、クレマン・ジャヌカン・アンサンブルなんか録音でも大したもんではあるが、実際にライヴで聴いてみるとその迫力の一割ぐらいしか伝えていないことが分かる。(もっとも彼らこそ元祖イロモノだと見なす人もいますが^^;)

恐らくは、録音の過程で何かが抜け落ちてしまうのだ。それは生身の発するエナジーのようなものかも知れない。
よく芝居を生で見始めると病みつきになってしまう事があるが(知人は週に三回観てたことがある。私は週一回ぐらい)、生のステージ全体、あるいは役者の身体から発する何ものかに引きつけられてしまうからだろう。
音楽の場合にもそれはある。それもまた演奏者や役者の一つの才能なのだ。そして録音や録画はそれを記録することができない。

ただしクラシック界のことはあまり詳しくないので分からないが、ロックやポップスのジャンルではもちろん録音を前提とした音楽はある。
ライヴを最初から想定していない、純粋な録音の中だけで構築された音楽はあるし、あるいはライヴとCDは別物と割り切っているミュージシャンもいる。さらにはライヴとは録音を一音とて例外なく再現するものだとみなすバンドもいれば、録音と実際の演奏の落差があまりに激し過ぎてビール瓶を投げられる奴らもいる。

まあ、これは私の勝手な思い込みかも知れないが(^^ゞ

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コメント

お付き合いいただきまして、ありがとうございます(笑)。
なんかいい補足をしていただけたなぁと思っております。ライブ見てないのは片手落ちだなと思いながら書いたネタでしたので。

ロック・ポップスなんかだとたしかに録音だけを前提にした音作りが結構ありますね。クラシックはない。ただ、グールドはミキシングの技術で演奏ではありえないようなクレッシェンドを作ってたというのは読んだことあります(ちょっとうろ覚えです)。たまには「ライブの残滓」と思えないぐらいにコテコテに作りこんだ録音がクラシックにもあっていい気がします。。。

ま、レッドプリーストはたしかにパフォーマンス集団ですからね。やはりライブで体験するのが正解です。

投稿: kimata | 2008年4月26日 (土) 23時35分

どうも、わざわざコメントありがとうございます。
m(_ _)m
書いてて段々とまとまりつかなくなってしまいました。

来日時のリハーサルでは演奏よりもアクションの方を一生懸命さらってたとか、そういう人たちらしいです。
NHKのBS?でスタジオライヴを放送したんですが(その後再放送してない?)それもひどい代物でした。あれを見て「あんなもんか」とか思われたらチトかわいそうかなと……。

投稿: さわやか革命 | 2008年4月27日 (日) 12時46分

 「オペラの夜」です。ご意見、興味深く拝読しました。

 ジャヌカン・アンサンブルの初来日前、これは実演ではハモって聴こえないのではないか?と、ドミニク・ヴィスの首を絞めたような声から、そんな想像をしていたのを思い出しました。

 元祖イロモノなら、クレマンシック・コンソートも思い出してあげて下さい。

 

投稿: Pilgrim | 2008年4月27日 (日) 18時55分

クレマンシック・コンソートですか……。彼らのことはあまりよく知らないんですよねえ。過去に来日はしてるんでしょうか?
少し前に国内盤が出たマショーの「ノートルダム・ミサ」は確かに怪盤です。あまりにキョーレツ過ぎて2回しか聞けてません。(汗)

あとはパニアグアあたりでしょうか。

投稿: さわやか革命 | 2008年4月28日 (月) 22時40分

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