「フィクサー」:看板に偽りあり
監督:トニー・ギルロイ
出演:ジョージ・クルーニー
米国2007年
先日のアカデミー賞で7部門ノミネート。賞レースの第一集団にいた作品である。
他の人の感想を読んでみると、けなすにしろほめるにしろ共通しているのは「こんな話だとは思わなかった」だった。
確かに、私もそう思いました。(^^)/ハイッ
題名と予告から、ジョージ・クルーニー扮する弁護士が「もみ消し屋」としてバリバリ汚い仕事をするのかと思ったら、全然そんな事はなかった。よっぽどあのアヤシイ裏稼業の男集団の方が「もみ消し屋」じゃないの。どころか主人公は逆にもみ消される方だー
離婚して妻子とは別居、ギャンブル癖あり、借金を抱え込み、自らの仕事に疑念を持つ男が、同僚のストレスから自滅的な行動に出た姿を見て悶々と自問自答を始める。
その間に、あーなってこーなって大変なことに。
ただ、どうなんでしょうねえ。話はつまらなくはないんだけど、敵は外部にしかいないから、結局は他人事で本質的な葛藤には至らない。サスペンスものだったら攻撃されて必死!でオッケーになるが、そういう作りじゃないからなー。
ストーリーと表現とテーマがちぐはぐな感じがした。
結局、アカデミー賞を取れたのは助演女優賞のティルダ・スウィントンだけだった。彼女の受賞に疑問を呈している人もいるようだが、もし彼女が演じてなかったらただの「知的な悪女」(定番)になってた可能性あり。
企業の中の歯車の一つとして上司や雇い主の意を汲むことに汲々として膨大なストレスを抱えながら暴走していく人物をうまく演じていたと思う。それに私は、エキセントリックなキャラクターよりも卑小な凡人を演じる方が難しいというのが持論なのだ。
まあ、助演女優賞の他の作品をほとんど見ていないので断言は出来ないが、その資格は十分にあると言えるだろう。とにかく『アメリカン・ギャングスター』のルビー・ディーよりは出演時間が長かったのは確かよ(^O^)
それにしても、T・スウィントンを初めて見たのは今を去ること二十年以上前(?)『カラヴァッジオ』でだが、その時からあまり変わっていないのはスゴイ……お肌の張りの秘訣をぜひ( ^^)// プリーズ
その他どうでもいいこと。
*3匹の馬は、息子の読んでたファンタジー本に写真が載ってたらしい。全く気づかなかった。「なんか、つまらなそうな話。今時のお子様はこういうのが好きなのかしらん」なんて思ってたからか。
*燃えてる車に時計や財布投げ込んでもあまり意味がないと思うが(?_?) 代わりの死体でも放り込めば別だけど。
*予告でやってたけど宮崎アニメの『崖の上のポニョ』って、なんかヤバくないか? またぞろ2ちゃんあたりでアンチスレが燃え上がりそう
主観点:6点
客観点:6点
【関連リンク】
《我想一個人映画美的女人blog》
写真多数あり。本国版のポスター?はバーバラ・クルーガー風でいいですな。
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