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2008年5月26日 (月)

「ハンティング・パーティ」:久々のちゃぶ台返し映画

080526
監督:リチャード・シェパード
出演:リチャード・ギア、テレンス・ハワード
米国・クロアチア・ボスニア=ヘルツェゴヴィナ2007年

久しぶりに映画を見て腹が立った。つまらない映画とか「早く終わらないかなー」とか思いながら見てた映画は最近でもいくらでも遭遇したが、腹を立てたのは久しぶりである。
何に腹を立てたかというと、こんな映画を金を出して見てしまった自分に対してである。ムキーーッ 腹の虫が納まらん。

かつては花形TVレポーターにして今はすっかり落ちぶれたジャーナリストの男が、かつての同僚のカメラマンにボスニア紛争の戦争犯罪人の単独インタヴューを取って、一発当てようと持ちかける。
昔のよしみで話に乗ったカメラマン、及び同じ局の新人青年であったが、やがて男の真意は取材でなくて、戦犯をつかまえることであることが明らかになる……。

ここに至って目がテン(・o・)になってしまった。武器も持っていない三人の男がどうやって、極悪犯罪人をつかまえるのか??
しかも男はカメラマンに「お前がイヤならオレは一人で行く」みたいなこと言っちゃうんだが、一人になってどうすんの? サラシにダイナマイトでも巻いて自爆攻撃でもするんならともかくさ。

とにかく全てが万事こんな調子でいい加減に進む。もしかしたらお笑い映画なのかも知れんが、戦場や虐殺のシーンは結構リアルっぽい調子だし、悲惨なエピソードもあるので笑えない。大体にしてこんな題材でお笑いやるなっつーの。

結局、男の真意はジャーナリスト魂なぞには全く関係ない私怨であり、結末で彼がやったことはさらに民族対立をあおり暴力の連鎖を限りなく繰り返していくことに他ならない。しかも自分の手は汚さずに、だ。でも、どうも彼らは自分たちが善事を成したと思っているようだ。もうここに至って口アングリ状態である。
なんじゃこりゃ~(ノ-o-)ノ ~┻━┻ガシャーン

しかし、この映画の作り手はそれについては全く気づいていないようだ。いや、気づいていないふりをしているだけなのか。

いや、これはきっと別のパラレルワールドの話に違いない。たった一人の凶悪な犯罪人を消せば紛争の罪過は全て解決する世界。そして、善い民族と悪い民族(ここではセルビア人)はスッパリと分かれ、悪い方はいつでも悪そうなご面相をして悪の側に荷担する。そういう世界の話なのだろう。

だったら、現実のネタなんか使わずに架空の話にしてくれい。
とにかく、こんなモンを見てしまったのは吾が不徳の致す所である。猛反省

それにしても、やたら顔のアップが多くて参った(@_@) もう、R・ギアの顔は一年ぐらい見なくてもいいぐらいだぜい。


腹立ち度:10点
現実度:2点

【関連リンク】
《映画評論家緊張日記》より「ボスニア内戦」
ちょうど同じネタなんでご紹介。

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