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2008年6月 1日 (日)

「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」:いつだって天才はイヤな奴

監督:オリヴィエ・ダアン
出演:マリオン・コティヤール
フランス・イギリス・チェコ2007年
*DVDにて視聴

シャンソンと言えば、私が聴くのはもっぱらルネサンス時代の世俗歌曲のことである。現代のシャンソンにはとんと縁遠い。
それゆえ、この映画公開された当時は全く興味を持っていなかったが、アカデミー賞で主演女優賞を取った(メイクアップ賞も)のをTVの授賞式で見て急に気になった。受賞したM・コティヤールご本人と映画の中のピアフとの落差があまりにスゴイんで、こりゃ、よっぽど化けているんだろうなあと俄に見てみたくなったのだ。

さて、実際見てみるとかなり編集に凝っているという印象。凝り過ぎてて「フツーに時代順に見せてくれればいいのに~」なんて苦情も出そう。しかも、よくよく注意して見てないと、今がどの時代なのか分からなくなってしまう。

しかも、ピアフの生涯での有名な出来事が幾つも省かれているとのこと。確かにそのまま見ていると、「不遇な子供時代に酒にヤクに病気かー、いずこも同じだなあ」みたいな感想しか出てこないんである。
さらに付け加えれば「自分勝手なイヤな女」全開……(\_\; そこんとこは容赦なし。
それから、日本でもそうだけどこの世代のアーティストだったら戦争の話は絶対外せないはずだろう。そこをあっさりスルーはちょっと納得行かなかった。

でも、それまで小さいクラブで歌っていたのを大劇場デビューを果たした時に、肝心の歌を聴かせない演出は斬新であった。
また、2時間以上の長尺だが見ていて飽きないのは確かである。史実よりもイメージを優先した作品ということか。
それからM・コティヤールはオスカー獲得納得の鬼気迫る演技。街角で歌ってた娘っ子時代から、病気のためとはいえ40代にしてもはやヨレヨレヨボヨボ状態になってしまった晩年まで見事なもんである。最近のオスカーの俳優賞は伝記物や醜悪メイクが有利とはいえ、だ。
本物のピアフとの身長差は20センチ以上だって~?信じられねえ

ところで、「ミュージック・マガジン」誌2008年2月号の記事によると、ホントのシャンソン通にはピアフの有名曲『愛の賛歌』や『バラ色の人生』は凡作・凡演とされているとのこと。
いずこの世界もマニアは厳しいんですなあ。


演技迫真度:9点
事実度:4点ぐらい?

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受信: 2008年6月 1日 (日) 22時02分

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