バッハ・コレギウム・ジャパン第80回定期演奏会:「猫に小判」状態でスマンね
バッハからメンデルスゾーンへ~受け継がれる祈りの音楽~
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2008年5月31日
2009年はメンデルゾーンの記念年とのことで、BCJでは「バッハ⇔メンデルスゾーン・プロジェクト」なる企画があり、これがその一回め。
メンデルスゾーンか……。確かにバッハ先生復活に劇的なる役割を果たしたわけだが、正直なことを言うと私はメンデルスゾーンを生演奏で聴いたことはない。さらに録音とかFM放送とかでも10回以下--もしかして5回以下?(´Д`;)
てな具合に完全な守備範囲外なんで、今回は簡単な印象を書くだけにしよう。
冒頭は久々に鈴木(兄)御大がパイプオルガンの前に座り、メンデルゾーンのオルガン曲を弾いた。まことに音にキレがあって「アグレッシヴな演奏」なるもののお手本のよう。やはり一味違いました。
その後は普段のBCJにしては大人数の合唱と楽器が入り、メンデルスゾーンが若くして(20歳ぐらい!)書いた、バッハの習作っぽいカンタータから始まり、徐々に大かがりで劇的な作風へと変化する様が分かるようなプログラム編成だった。
最後の曲は管楽器がフルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、トランペット、ファゴット、さらにティンパニも入って壮大な曲調。合唱も怒濤のような迫力+澄んだ声質で歌い上げていた。楽器はモダンではなく当時の型のものをちゃんと使用。
間には、バッハのカンタータBWV106のメンデルスゾーン上演版を演奏した。私がこの曲を普段聴いてるのは、J・リフキンの一人一パート版で、ただでさえスカスカ感が強いヤツだからかなりの差を感じた。
また、賛歌『わが願いを聞き入れたまえ』では藤崎美苗がソプラノ独唱をやった。最初は線が細い感じだったけど、最後は堂々と歌い切った。終わった後、彼女はほーっと「よかったー、無事に終わった~」みたいな感じで息をついていたのが、場内の微笑を誘っていたようである。
他の歌手では『オルフェ(ー)オ』にも出てた与那城敬がよかったかな。
笑いと言えば、ホルンが登場した時に片方の奏者(島田氏によく似た下田氏、ではない方の人)が部品を床に派手に転がしてしまって、かなりウケていたようだ。
しかし、結局のところやはり私にはメンデルスゾーンは縁遠い作曲家であった。モダン楽器でさらに大編成でドドーンとやられるよりはずっと聴きやすかったとはいえ、である。
「プロジェクト」ってことはまだ何回かやるんですかね。そうしたら、パスかも。
まあ、私には「猫に小判」だったってことで(´ー`)
家へ帰って、リフキン盤を引っ張り出して聴き直してしまった。
ところで、西宮の公演とはかなり曲目や曲順が違っていたのはなぜ? そもそも編成も全く違うが(管楽器はフルートのみ)予算の問題か?? フォルテピアノが入ったのも聴いてみたかったニャー
【関連リンク】
《オペラの夜》
《エンターテイメント日誌》
西宮公演の感想。
《演奏会定点観測》
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コメント
なるほど。オペラシティでは、メンデルスゾーンの成長過程を実感させるプロだったのですね。兵庫芸文では、バッハ「モテット三番」の後に、メンデルスゾーン少年が同じ定旋律で作曲したコラール・カンタータを演奏し、対比して聴かせた訳です。同じ曲でも前後のプログラム構成によって印象が変わる、如何にも鈴木教授らしい企画すよ。
藤崎さんは凄い美人ではないが、確かに癒し系だと思います。
投稿: Pilgrim | 2008年6月 3日 (火) 12時36分
|同じ曲でも前後のプログラム構成によって印象が変わる
うーむ、そちらのも面白そう。ぜひ聴きたかったですね。
以前、藤崎さんを100人くらいの会場で間近に拝見したことがあるんですが、上背があってスラリとしててうらやましい限りでやんした。
投稿: さわやか革命 | 2008年6月 4日 (水) 00時52分