「西の魔女が死んだ」:異世界の物語
以前から児童文学のジャンルでは評価が高かった作品。映画化された機会に読んでみることにした。
不登校になった主人公の少女が預けられるのが母方の祖母の家。で、そのおばあちゃんが英国人なもんで、兎おいしかの山~という感じでは全然なくて、ターシャ・テューダー調なんである。
各種のハーブが植えられた庭に囲まれ、到着してすぐの食事は紅茶にサンドイッチ、少女が手伝うのはジャム作り……。何やら今時の婦女子が憧れそうなアイテムでいっぱい。
いや、私とて憧れないわけではないが(^-^;なんか違和感バリバリありまくりな印象である。まあ、それこそがファンタジーでもある所以か。
しかし、母娘(祖母と少女の母親)の会話としてこれはどうよ?
「そう。最後にガムテープで止めたとき、私の人生の一部がここに封印されたような気がしたわ」
自分の母親とこんな話し方するなんて私には想像の埒外。「ありえねえ~(@∀@)」ってところ。でもしょうがない、英国人ですから--と納得するしかない。
それから、ややスピリチュアル系がかったストーリーにも違和感があった。
同じく女の子が家を離れて親戚に預けられ、人生の見方が変わる--という話で、最近読んだのでは樹村みのりの(マンガだが)「また明日、ネ」があった。こちらは母親の独身の妹の家に行く。その正体はガサツなイラストレーター……であるからして、物語のタッチはかなり対照的だ。
シチュエーションが似ててもテーマが違うのだから比べてもあまり意味はないが、双方共に家庭菜園と食べものの描写が登場するのが共通している。少女が「回復」するにはこの二つが不可欠なのだろうか?
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