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2008年7月13日 (日)

古楽アンサンブル「レ・プレジール」:オペラグラス必携の「通」向けコンサート

080713
会場:武蔵野市民文化会館
2008年7月3日

海外から知らないアンサンブルなんかが来るというと、なんだか分からないけどとにかく聴いてみたくなってしまう。
特にこの武蔵野市民文化会館のチラシの煽り文句が毎度のことながらスゴイんだよねー。
「ヤーコプス、サヴァール、マルコンら古楽界の巨匠も認めた」とか
「止め処なく湧き上がる、音楽の歓びの泉」
「2005年の初CDは、世界に大きな衝撃を与え、一躍世界のトップへ!」
「5つの音楽祭に招聘され多忙を極める中、来日決定。関東では武蔵野1回だけ!」
なんて書いてあると、つい浮き足立った気分になり、手は知らず知らずケータイを掴みチケット申し込みをしているのであった(しかも勤務時間中) こりゃもしかして催眠術かなんかか(?_?;

で、このレ・プレジールも全然知らないけど買ってしまったのであった。ダヴィッド・プランティエーというヴァイオリニストが率いる四人のアンサンブルだが、メンバーで知っているのはリュートの野入志津子だけ。彼女のサンボーニのCDは愛聴しておりますよん
グループの正式名称は「レ・プレジール・デュ・パルナッス(パルナッソスの歓び)」なんだが、なぜか短縮形を使用。さらに兵庫公演の方では「パルナッソスの歓び」という日本語の名前でやってたというんだから(詳しくはこちら)訳ワカラン(?_?) 招聘元の勝手かなんか知らんけどグループ名ぐらい統一してくれい。

さて、プログラムは「ヴェストフとヴァルター ドレスデンの巨匠たち」というタイトル。17世紀後半にドレスデンで活躍したバッハの先輩筋に当たる二人のヴァイオリニスト兼作曲家を取り上げたもの。
その合間にバッハのチェンバロ・ソロとヴァイスのリュート曲を挟んである。

冒頭のヴァルターはビーバーを思い起こさせる作風。こちらはふむふむと聴いていたが、ヴェストフのソナタの方は全5楽章で、ヴァイオリンとチェロのゆったりした掛け合い→チェンバロが加わってドトーのように速い演奏→ヴァイオリンを横に抱えて(ウクレレ状態で)つま弾く。チェロもつま弾き、リュートも……ってリュートは当然ですね→チェンバロ+ヴァイオリンの叙情的な曲→最後にようやく四人揃っての演奏。ただし、またもや超特急的な速い曲。
……というような変な構成だった。
休憩挟んで演奏したもう一曲もやはり編成のやり方が凝っていた。当時はこんなのが流行っていたのだろうか?

ヴァルターの二曲目もまたバグパイプやハーディガーディを真似た音を出したり、ウクレレ奏法がここでも出てきたり、一筋縄では行かない様子である。

いずれの演奏でもリーダーのD・プランティエーは卓越した技量で弾きまくっていたもよう。←推定形なのは、私がドシロートでテクニックとか分からんからであります
そういう意味では、取り上げた作曲家といい、「通」向けのコンサートだったと言えるだろう。
珍しい作曲家なんでロビーではCDがガバガバ売れていたようだった。

ただ、ヴァイスのリュート独奏は武蔵野市民文化会館では「音が鳴っている」ぐらいのレベルでしか聞こえないのは残念。微妙なニュアンスなど全く分からない。元々残響が少ないホールだし(多目的ホールとして建てられたのか?)仕方ないとはいえ……(>_<)
武蔵野はプログラムはいいけど、ハコの方がどうにも好きになれんのであるよ。

チェロのM・アムライン女史はTVドラマの『ザ・ホワイトハウス』のCJに似た大柄な女性でまさに「女史」という印象。
一方、鍵盤のA・マルキオルは小柄で細くって、メガネや髪型から子供のころは「博士くん」とかあだ名が付いていたんじゃないかと思えるような外見だった。(「博士」って『ひょっこりひょうたん島』ですね(^^;) 古過ぎ~)


会場がある三鷹駅周辺は今、再開発まっさかりなのか、前回来て数ヶ月しか経っていないと思うのだが、新しい店やビルが次々と出現してるのには驚いた。
特に会場途中にある白い低い扁平な建物が延々と続いているのはなに マンション出来るのかと思ったら、人造人間造ってる秘密工場みたいな感じだった。
それから駅前にあった、鬱蒼と古い木々が茂っていたお屋敷?も取り壊されちゃって大変だ~。

【関連リンク】
《気ままなViola!》
鍵盤のマルキオル氏が美男子だというのは複数証言あり。私の席は後ろの方だったので目鼻立ちまでは分からなかったのよ~(;_;)グスン こんなことだったらオペラグラス持ってけばよかった(火暴)
080713b


←こちらのチラシの煽りもキョーレツです


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