「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」:19年目の同窓会(ただし出欠回答は「欠席」)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ハリソン・フォード
米国2008年
「インディ・ジョーンズ」シリーズ新作である。以前から作る作るという話が持ち上がっていたが、まさかホントにやるとはねえ……(~_~;)
もう、すっかりジーサンなインディなんである。19年ぶりとなれば、今25歳以下の者は三作目の『最後の聖戦』だってリアルタイムでは見ていないか、見たとしても覚えていないはずだ。
しかし、思い起こせばハリソン・フォードはハン・ソロと、このインディ役で、当時ダメ押しの如く絶大な人気を獲得したのであった。(すっかり回想モードへと突入)
どのぐらいの人気かというと--関口宏「丸の内のOL100人に聞きました。あなたの好きな外国人男優は誰?」「はいっ、ハリソン・フォード!」、外野「ある、あるっ」「ハリソン・フォード、回答99人!」というぐらいなのであった……。(ちなみに残りの一人は「クリストファー・ウォーケン」であろう)
それぐらいに彼はカッコ良かったし作品自体も驚異的に面白かった。
で、H・フォード以外のスピルバーグもルーカスもすっかりオヤヂ化している今、あまり期待できるところは少ない--なので、タダ券使って見に行ったのであった。だーって、下手に金払って腹立てたら精神衛生上よろしくないしねえ(~ ^~)
まず、のっけから字幕担当者として「あの人」こと冥王の回し者の名が……不吉な予感をかき立てる。
そして、その予感は全く裏切られなかった。_| ̄|○
伏線もひねりもなんもなく、ただ話が進んでいく。アクション場面は派手だが、その合間合間がどうもモッタリしている。キャラクターもただいるだけで、その存在が生かされていない。ケイト・ブランシェットのソ連軍女将校なんて面白そうなのにさ……(演じている本人は楽しそうだったが)。ちなみに部下のソ連兵たちは『エロイカより愛をこめて』のミーシャの部下並みに背後をウロウロしているだけだ。
そういや、折角のジョン・ハートもドクロ抱えてウロウロしているだけだったなあ。
それぞれの登場人物がCGと格闘しているうちに全ては終わっているような印象だった。せめて、マリオンと女将校のガチンコ対決でもあったらまだしもだったが、なーんにもナシ
でも、カレン・アレンの歳では格闘は無理か……(x_x)
なんつーか、「インディ」なんて能天気活劇だからシナリオの出来なんてあんまり関係ないと思っていたが、そんなことないのねー。確かシナリオにゴーサインがなかなか出なくって製作が遅れたと聞いてたが、納得の不出来さである。
予告で『ハムナプトラ3』をやっていたけど、似たような後追い作品がいっぱい出てしまって、もうロートルが今さら出てきて活躍する余地はもうないんだろう。
ラストなんかすっかり同窓会モードである。
ついでに、作品内の価値観が舞台となっている1950年代に合わせたものとなっているのはちょっと驚いた。
つまり、核兵器は少しパワーのある爆弾並み、冷戦下の敵はソ連に決まってるし、南米先住民は「土人」だし、知恵を求める女は罰せられ、配役にアフリカ系など人種的配慮はなし--など。
そういうイヤミは健在であったよ
あと、ジョン・ウィリアムズのあのテーマ音楽だけは懐かしく、そして高揚した。いいね~。音楽だけは歳をとらないからねえ
年寄りの冷や水度:5点
CG活躍度:10点
【関連リンク】
《元・副会長のCinema Days》
新シリーズの主人公は「ジュニア」なんざんしょか? なんだかな~(@_@)
| 固定リンク | 0
コメント