「わが青春のロック黄金狂時代」:MLを買ったことはないけれど
ビートルズからボン・ジョヴィまで
著者:東郷かおる子
角川SSC新書2007年
面白くて電車で読みながらニヤニヤ( ̄ー ̄)してしまった。変なヤツだと思われたことだろう。
今はなきロック雑誌「ミュージック・ライフ」の編集長だった東郷かおる子の回想記。下積み時代から1990年代に入って編集長を辞めるまでに、実際に会ったミュージシャンの裏話や取材の苦労話などが時代に沿って綴られている。同時にそれはロックというジャンルの歴史をそのまま辿っていることでもある。
私ぐらいの歳のロック・ファンには懐かしい名前が次から次へと出てくる。もっとも私は「ミュージック・ライフ」は一度も買ったことがない(友人にたまに見せてもらったことはあるが……)。別にグラビア中心のミーハー雑誌だからというような理由ではなくて、私が好きになるようなミュージシャンはみな揃って、なぜかあの雑誌に取り上げられるような外見ではなかったからである。
大体にしてですよ、この本にしたって「英国三大ギタリスト」のうち、ペイジとクラプトンが取り上げられているのに、我が最愛のギターヒーロー、ジェフ・ベックが入ってないのはどうしてかね、ムカーッ
学生の頃、友人に「ベックってゴリラみたいな顔だよね」と言われたことは未だに覚えていて恨みに思ってる(`´メ) 許さん!絶対にオレは死ぬまで許さんぞ~!!
--というような私怨はともかく、有名ミュージシャンの意外な一面やら笑い話・オソロシイ話も出てきて面白い。一番笑ったのは連絡の手違いで取材現場に行ったら予定のバンドとは違う、誰だか分からないメンバーがいたトラブル。「あんた、誰?」とも聞けず……笑えました。
ただ、デュランデュランやジャパンのようなヴィジュアル先行で人気が出たバンドを発掘したのは「ミュージック・ライフ」であるかのような記述はホントかなーという印象を受けた。
チープ・トリックはまだしも、その二つのバンドぐらいになるとヴィデオ・クリップの影響がかなり大きかったはずだ。
ところで、私が一番知りたかったのは既に伝説化している、レッド・ツェッペリンが初来日した時にホテルで暴れて色んなものをブチ壊したという事件の真相である。一体なんで彼らはそんなことをしたのか? 酔っぱらっていたのか
その現場に著者もいたのだが結局原因は分からないらしい。暴れたい年頃だったんでしょうか。
当時、ロック雑誌はファンにとってほとんど唯一の情報源だったし(ラジオではあまりロックがかからなかった)、ロック自体も音楽のジャンルとして極めてパワーがあった。しかし、今やその双方ともかつての面影はない。
まあ、そのような栄枯盛衰をヒシと感じたのであるよ( -o-) sigh...
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