前田りり子リサイタル「フルートの肖像」:啓蒙音楽家テレマン先生
第3回「テレマンの時代」
会場:近江楽堂
2008年9月6日
前回、近江楽堂に平日の昼間に来た時はオバサンばかりで驚いたが、今回は土曜の昼間だけあって男性も多数……というか、中年のオヤヂ系の客がやたら目立ったんだが、もしかして「りり子さん萌え~」な男性ファンが大半を占めていたのであろうか?
--って、どうでもいいことですね、はい。
この日のプログラムはオール・テレマン・プログラム。なんでも、いつもは周辺作曲家の作品も取り上げるのにテレマンは作品が多過ぎて、結局彼一人になってしまったとのこと。他のメンツは、平尾雅子、大塚直哉、さらに若手の弟子・長嶋有紀という人であった。
配られた解説やりり子さんの話によると、テレマンはバッハと正反対で社交好きで商売上手、素人市民向けの楽譜もドシドシ出版して「音楽において啓蒙主義」を実践していたと見ているとのことだった。いわく「ほどよく知的だけれど分かりやすくて面白い」のだそうである。
演奏の方はガンバと鍵盤と組んだソナタや独奏、さらにはフルート二重奏など色々な編成の曲をやってくれた。
アンコールはファゴット・ソナタとパリ四重奏曲。
なるほど、テレマンの多彩さがよーく分かるプログラムであった。まだ他にも声楽曲が色々あるわけだし。
それと大きなホールだと普段気づかないが、こうした小さな会場で間近に聴いてみるとトラヴェルソも実に繊細な音の楽器なのだとヒシと感じた。
平尾さんと大塚さんは控えめに縁の下の力持ち役通奏低音に徹してご苦労さん。りり子さんの赤いドレスに対し、平尾さんの灰色系の渋いお召し物もステキでしたわよ
それにしてもつんのめるような勢いで曲間にフルート話をするりり子女史は、まるで自称「笛オタク」の有田正広師匠を思い起こさせる雄弁さである。もしかして、フルート吹きは性格的にこういうタイプが多いのかしらん。同じ笛でもリコーダーだとこんなに喋る人には遭遇したことがないぞ。
「楽器による性格傾向」とかあったりして(^^?
で、こうしてりり子女史の演奏を間近に眺めていながら、そのほんの数日後にご本人に会って気づかなかったのはどうしたことよ--というようなツッコミはしないように
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