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2008年9月26日 (金)

「わが教え子、ヒトラー」:独裁者5日間養成講座

080926
監督:ダニー・レヴィ
出演:ウルリッヒ・ミューエ
ドイツ2007年

ヒトラーの登場するドイツ製喜劇である。監督はユダヤ人とのこと。
1920年代にヒトラーに演説の指導をした教師がいたらしい。(←これは実話だそうな)
で、時を経て1944年の暮れ--5日後の正月に国民を奮起させる大演説をしなければならないのに、自信喪失状態で落ち込んでヒトラーは演説どころではない。そこでかつての指導役がユダヤ人収容所に放りこまれていたのを呼び戻される。(←これはフィクションだそうな)

喜劇にも幾つか種類があって、バカバカしくてギャハギャハ笑うようなドタバタ劇や、ニヤッと笑うシニカルな話もある。どちらかで一本筋を通してくれないと笑いづらい。これはそれがどっちつかずなんだよねえ。
惨めな総統の姿とか、「ハイル・ヒトラー」を繰り返すところなんかはバカらしくて笑えるんだけど……。その調子で大口開けて笑おうとすると後が続かなかったりして困ったもんだ(=_=;)

中途半端になっているエピソードがあるのも目立つ。主人公の長男は父親のヒトラーへの態度に反発していたけど、その後納得したのか? 収容所の仲間の電話を受けて主人公は結局信じたのか? よく分からん。あと、妻が「アドルフ」(偶然にも同じ名前)と彼を呼んだのを聞いて群集が勘違いする場面は、もっと大騒動になるとばかり思ったのになんにもナシなのはどうよ。

こんな調子なんで、「真実をねつ造する」というあたりは面白そうだったんだけど、尻すぼみ状態になってしまった。やはり喜劇は難しいのう~。

主役のウルリッヒ・ミューエはこれが遺作とのこと。ご冥福をお祈りします(+人+)
ヒトラー役の人よりも、ゲッペルス役の人の方が面白かった。
エンドクレジットの最後に登場した女の子はホントに主人公のモデルの子孫なの


主観点:6点
客観点:6点

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