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2008年9月15日 (月)

ジュンク堂トークセッション「オレたち洋楽世代」:昔はよかった……かどうかはビミョー

講師:坪内祐三、和久井光司
会場:ジュンク堂書店池袋店
20089月13日

文芸評論家の坪内祐三とミュージシャンでもある総合音楽家(?)の和久井光司のトークがあるということで聞いてきた。二人は同い年で、和久井氏は『「at武道館」をつくった男』(アルテスパブリッシング)というCBSソニーの名物ディレクター(チープ・トリックのライヴ盤は莫大なセールスを叩き出した)のルポを出版したばかりとのことで、テーマは懐かしき洋楽ロックであった。
で、そのディレクターについてや扱ったミュージシャンの話が出てくるのかと思ったらそういうわけでもなく、とりとめもないヲヤヂのロック談義という感が強かった。

聞きに来ていた人は圧倒的に同世代の中年男性やもう少し上の団塊世代風、あとは大学のロック研にいそうな若者(男)、女はギョーカイ風の若い人がチラホラいただけで、チューネンのオバサンは……も、もしかして、私σ(^-^;)一人だけ?(キョロキョロとあたりを見回す)
ワールド・ミュージック系のコンサートに行くと、よくオバサンが多数いたりするのだが、昔ロックやポップスを聴いていた女性はみんなそっち方面に行っちゃってるのかも。

さて、講師二人と私は同年代(;^_^Aなんで懐かしい固有名詞なんかが出てきてそこら辺は笑ってしまった。「キャプテン&テニール」とか「レイドバック」とか、ディランのアルバムタイトル『血の轍』で「わだち」という字を覚えたとか(^○^)
その他、昔と今の音楽の受容の形の違いやジャンルの細分化、ベテラン音楽評論家のディラン評価についての「転向」追求、今評価が高くても当時はそんなことなかったミュージシャン(ビーチボーイズなど)、実は音楽分かってなかった村上龍、曲やアルバムの邦題と歌詞カード--などなど、脈絡なく話は続いた。
終わり近くになって、本に取り上げられたディレクターの野中則雄氏ご本人も参加した。
ついでに坪内祐三の喋り方はちょっと聞き取りずらかった。「ジョン・セイルズ」が「ジョン・セーズ」に聞こえたぞ。

さて、昔は「洋楽」というおおざっぱなジャンルがあってごった煮状態でなんでも聴いていたが、今はジャンルがタコツボ化して狭い範囲の自分の好きなものしか聴かない知らない--という指摘は誠にごもっともと思った。
私もインターネット・ラジオをたまに聴くがロックだけでも極めて細かくジャンルが分けられていて、その中の一つを選局するとずーっと同じような感じの曲ばかり続いて飽きてきちゃう。昔のFENみたいに色んなジャンルがごたまぜにかかったりはしないのだ。

しかし、社会やメディアが変われば音楽も変わる。音楽のパッケージとしてのアルバムという形も消滅するかも知れないし、ジャンルを細分化して売るのは商売としての仕方のない流れかも知れない。聞き手の責任という訳でもあるまい。

全体的には中年ロックマニアの自慢話と愚痴という印象が大きかったが、会場にいた若いモンはどう思ったかねえ。
団塊オヤヂのような自己陶酔と小言の轍だけは踏まないというのが、ワシらの世代(笑)の課題ではなかったのか! そこんとこを鋭く問いたいぞ(*`ε´*)ノ☆

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