「消えたフェルメールを探して 絵画探偵ハロルド・スミス」:人質ならぬ「絵質」のはなし
監督:レベッカ・ドレイファス
出演:ハロルド&グレッグ・スミス父子
米国2005年
ボストンの美術館から1990年に盗まれたフェルメールの『合奏』の行方を追うドキュメンタリーである。上野のフェルメール展とタイミングを合わせて公開されたもよう。
探すのは保険会社などの代理人となって盗難絵画を探す専門家のハロルド・スミス。邦題では「絵画探偵」なんて勝手に付けられて、おまけにアイパッチなんぞ付けて山高帽?をかぶってるもんだからヒジョーに怪しい人物に思えるが、真っ当なカタギの方であります(アイパッチや帽子は皮膚病が原因とのこと)。
なんでも盗難にあった絵画としては最高額だそうだが、それをめぐる人々が二種類登場する。片方はスミス氏が訪問する「おれが連絡すれば絵は戻る」とか「盗んだヤツを知っている」と自称する闇の世界に足を突っ込んでいる本当にアヤシイ方々たちだ。
もう片方は「フェルメールLOVE~」な方々。伝記や小説を書いた作家、美術館の職員など。また、個人で美術館を作って『合奏』など名画を収集したイザベラ・スチュワート・ガードナーの生涯も紹介する。
私は美術市場のドロドロとした裏側が見られるのではないかと期待していったのだが、そういう面はあまり出てこなかった。
名作絵画を「人質」にして、窃盗団ならば高い金をふんだくろうという算段だし、政治団体なら国家側に対し優位に立つ手段とする。まあ、夢もなんにも無い、そういう生臭い話なのであった。
それに対してフェルメール萌えの人びとは口々にウットリと魅力を語り、この世界的文化遺産への暴挙に怒りを表明する。
えー、どうも私があまりフェルメールの作品に興味がないのに見に行ったのが、一番いけなかったようで……
後半少し眠気虫が出現する所があった。ふと周囲を見ると客のほとんどがモゾモゾ身体を動かしているのには笑ってしまった(^O^) みなさん、同じぐらいの時間に同じような状態になるようである
アップリンクは元々小さな映画館だが、それにしても男性客の数少な過ぎ! 3人ぐらいしかいなかったような。客のほとんどは老若女性であった。やっぱりフェルメールのファンは女が多いのかな?
アンコール・ロードショーの予告をやってたレス・ポールのドキュメンタリーも面白そうだった。見に行けばよかったと後悔(+_+)
フェルメール萌え度:10点
事件解明度:2点
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