オーケストラ・リベラ・クラシカ第22回公演:「寿司食いねえ」とヴィヴァルディは言った
鈴木(弟)秀美率いるOLCのコンサートは何年も前に一度だけ行ったことがある。どうにもモーツァルトが苦手であった私は、もしかしてオリジナル楽器専門のOLCの演奏でなら好きになれるかと思って聴きに行ったのであった。
が……やっぱりダメだった(x_x) 以後、古典派以降の音楽は守備範囲外と定め、聴くのをやめたのである。
しかし、今回はオール・ヴィヴァルディ・プログラムではないか! しかもチラシには運営が苦しい旨が書かれていて(「今年度からは主たるスポンサーがない状態になりました」……だそうな)こりゃ行かずにいられようかってなもん。
でも、古典派ってバロックより人気がありそうなんだけど、なぜ客が入らないんでしょか 謎である。
ヴィヴァルディというと最近は録音が幾つも出ててブームのようにも思えるが、いざ実際のコンサートとなると未だに『四季』が多い。特に協奏曲をまとめて聴く機会なぞなかなかない。
この日はもう一人のチェリストのE・バルサと共にチェロが中心の曲に加え、あとは『調和の霊感』も演奏するというプログラムであった。バッハなどで通奏低音を縁の下の力持ちモードでやっている時とは全然違って、ヒデミ氏はリラックスした印象。OLCではいつもこんな感じなのかしらん?
全体的に歯切れのいい鮮やかな、しかし大仰なところのないヴィヴァルディであった。歯切れがいい演奏というと、ベルリン古楽アカデミーのディスクが思い浮かぶが、あちらは重低音が無骨なまでにゴッゴッとくい込んでくるのに対して、OLCはあくまでも軽妙である。ホールの場所が築地市場のせいかも(^^;知れんが、きっぷのよい江戸っ子の寿司屋が仕入れたばかりのネタで寿司を握って出してくれたみたいであった。
ただ、2曲やった『チェロ協奏曲』というのは初めて聴いたのだが、なんだかバロックから逸脱しているような曲調。ヴィヴァルディがこんなのを書いていたとは知らずちょっと意外だった。
それから、途中でアンサンブルが乱れた部分があったそうなのだが、全然分からなかった(大汗) さすがド素人と私を呼んで下せえ(^^ゞ
いずれにしても今後も息長く活動できるよう願っております。バロックのプログラムをやってくれたらまた行きます。
ところで謎がもう一つ。近くに座っていた若い男性が開演直前に立ち上がってどこかへ消えてしまった。最初トイレに行ったのだと思い、こんな直前に行ったんじゃ演奏が始まってしまい中に入れてもらえなくなると確信したが、その後曲間になっても休憩時間になっても戻ってこず、結局最後まで二度と現れなかった。
ということは、考えられるのは壁際か後部の空いている席に移動したということだが、でもプログラムも座席前の床に置きっぱなしで行っちゃったんだよね……。一体これはどういうことなんでしょうか(^^?ハテ
| 固定リンク | 0
コメント