「落下の王国」:退屈でキレイな絵本を眺めた
監督:ターセム
出演:リー・ペイス、カティンカ・ウンタルー
インド・イギリス・アメリカ2006年
むかしむかし20世紀初め、まだ映画がサイレントだった時代--大怪我をして入院しているスタントマンが、同じ病院にやはり怪我で入院している5歳の女の子アレクサンドリアたんと知り合い、荒唐無稽なお話を聞かせるようになります。
毎日病室にやってきては、お話をせがむアレクサンドリアたん しかし、なんということでしょう(!o!)スタントマンには隠された企みがあったのです--といっても変態なロリコンぢゃないですよ(多分)。ロリコンなどということを想像した人はさっさとトーフの角に頭ぶつけて反省するがよろし( ̄ ^ ̄)
で、この手の話だと現実は暗く殺伐としているのに対し、虚構の物語の方は楽しかったり生き生きしてたり鮮烈だったりするのですが、この映画では虚構の方が詰まらないのはどうしたことでしょうか。
いえ、各地の美しくも珍奇な世界遺産をめぐってロケし、石岡瑛子の衣装が鮮やかな冒険譚……なんですけど、ストーリーが退屈極まりなく、躍動感も緊張感もなんにもないのはいかんともし難く。登場人物に全く興味が持てず、早く次の場面行かないかなー、なんて思っちゃいました。
なんだか、作り手の創造力が遺跡やら過去の建築に頼りっぱなしのように見えました。よっぽど、クセのある患者がいる病院の現実の方が面白い……と思っていると、虚構と現実が交わってくるにつれて現実も詰まらなくなってくるのはこれまた興醒めです。こんなんでは今時のお子ちゃまたちだったらポケモン映画の方が面白いと思うに違いありません。
観光案内の絵ハガキを次々と見せられたような気分でした。キレイだとは思っても終わってみるとなんにも心に残らず
よかったのは、アレクサンドリアたん役の子がプックリしてて美少女にはほど遠いけど、こまっしゃくれててカワイかったこと(*^-^*)
あと、オープニング・クレジットがスローモーションのモノクロで印象に残りましたが、前作の『ザ・セル』では現代アートをパクリまくっていた監督ですから、これもまたアンセル・アダムスとか戦前に活躍したモノクロの写真家作品を参考にしているのでしょうか? よい子は真似しちゃダメですよ
主観点:4点
客観点:5点
【関連リンク】
《我想一個人映画美的女人blog》
まさに「激しく同意」な感想です。
《パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ》
裏話や背景など。
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