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2008年11月

2008年11月30日 (日)

「その土曜日、7時58分」:遂に題名を覚えられなかったよ

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監督:シドニー・ルメット
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク
米国・イギリス2007年

公開前に予告を見て面白そうだなとは思ったが、結局見に行かなくてもいいやと脳内エンマ帖の鑑賞予定から外してしまっていた。
しかし映画系ブログでの評価は高く、特にこちらでの感想を読んで俄然見に行きたくなってしまった。そこで、既にクリスマス前哨戦のカップルが邪魔ngにあふれる恵比寿まで足を運んだのである。

だが、この題名は……「土曜日」、ん?なんか前に付いてたな。「あの土曜日」--ぢゃなくて「その土曜日だ」! えとえと(^◇^;;その後は……「8時23分」??覚えてねえ~。オバハンの脳ミソでも記憶してられる題名にして下さいよう(>_<)
結局、チケットを買う時に至ってもこの映画のタイトルを覚えることはできなかったのであったfoot

不動産会社の管理職におさまり裕福な暮らしをする兄が、なぜかしがない安サラリーマンの弟に強盗の話を持ちかける。それはなんと両親が営む小さな宝石店を襲う計画だった。
さて、強盗を実行したはいいけれど……と、その後はトラブルと不運と共にゴロゴロと坂道を転がり落ちていく。

しかしねえ、これはちょっと「やり過ぎ」というか、わざとらしいというか(=_=;) いくらなんでもこんな風に展開するかーっannoyと甚だしく疑問に感じた所が多い。
母ちゃんは銃の腕前がうま過ぎで、銃を購入した時練習したのか? 兄はあんなところで名刺渡したりするか? それから最大の疑問は弟は結局どうなったのsign02 まあ想像はつくけど、投げ出したままというのはどうよ。

それに、ラストの父親の行為は復讐であろうか? それとも息子はもはや破滅の道しかないと思いやってああしたのか? いずれにしろ、父親のあんたがそういう態度だから息子がグレるんだよ、と言いたくなってしまった。

そんな「不条理」ならぬ不可解な物語をうまい具合に支えているのは、役者陣が達者な演技をしているからだろう。フィリップ・シーモア・ホフマンのあまり感情を表にしないヌエぶり、イーサン・ホークのダメダメ弟ぶり、アルバート・フィニーの頑な親爺ぶり--役者の演技は実に堪能しました、ハイ。

ただ、兄弟の関係も『シンプル・プラン』に比べると物足りない。あの映画で傍から見た兄弟の関係が実は全く逆だったというのが明らかになるあたりは、思わず手に汗握ってしまったもんである。

サスペンス映画風なのに「R-18」なのはなぜよ(^^?と思っていたら、なんと初っぱなからP・S・ホフマンの白くて巨大な尻が~~~っdanger さらに裸で寝台に仰向けになった彼を見て、映画館の女性客の約半数が「わたしより胸がある(☆o◎;)ガーン!!」と思ったのは間違いなし。
しかし、あの場面を設定した意図もなんだか不明なのであった。


主観点:6点
客観点:6点

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2008年11月29日 (土)

「オン・ユア・ボディ」:このヌルさが「今」なのだろうか--なんちって

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日本の新進作家展7
会場:東京都写真美術館
2008年10月18日~12月7日

若手女性の写真・映像アーティスト6人を取り上げた展覧会。
チラシに使われているのは志賀理江子の作品である。数か月前に東京オペラシティのギャラリーで開催された「トレース・エレメンツ」でも彼女の写真がチラシに使われていた。もしかして、この方面で今一番人気のアーティストなんですかっ(^^?

さて、その志賀理江子の肝心の展示コーナーだが、これが半分ぐらいの作品がオペラシティと同じ。ありゃーwobblyという気分である。ま、何度見ても面白いからいいけど。
チラシに使われている作品も「フ女子の夢」を具現化したみたいで変(ホメ言葉よ)。

逆に「?」印が付いたのが高橋ジュンコという人のビデオ作品。オフィス街やビルの工事現場みたいな索漠とした都市の光景に若いねーちゃんが一人佇むという光景。……だから、なんなのよ(-_-;)と言っちゃおしまいか。
どうせだったら、ねーちゃんを抜かして都市の映像だけにした方がよかったかも。

それから、最初見た時に意図不明だったのが朝海陽子の作品。様々な人種の人びとが自宅でボーッと座っている。人数は一人から大勢の家庭まで様々。いわゆるファミリー・ポートレートってヤツですか? それにしては、みんなカメラの方向を向いて不機嫌そうな無表情で座っている。
……と、ここで貰った解説を見てみると(展示コーナーにあるのは作家名だけで、作品名も何も解説風のものはない)、作品タイトルは全て映画の題名と都市名の組合わせになっている。ようするに色んな都市の自宅でビデオを見ている人びとを、モニター側から撮ったものだったのだ。
笑っちゃうのはどんな映画でもみな同じような表情でボーッとして見ているということ。ホラーだろうが、アニメだろうが、文芸大作だろうが関係ない。アクション映画だからコーフンして見ているということはないし、コメディだから大笑いしているわけでもないんである。
映画ファンならたいてい知っている映画ばかりだが、写真の人びとが何を見ているかを当てられることは絶対ないだろう。

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←さて、この子どもたちが見ている作品は?(ヒント:実写で、大ヒットした洋画コメディ。主人公の子役は「あの人は今?」状態)


それにしても、なんで作品の所にタイトル出してくれないの? おかげで、会場の至る所で立ち止まって解説の冊子を凝視している人が多数(照明が薄暗くて字がよく見えない)なのであった……eye

全体的にやや散漫な感じの印象の展覧会だった。なんか「若い娘っ子(←というほど若くはないだろうけど)写真家が出てきてるからここで一つ、まとめてやってみっか」みたいな安易さである。客は若い人(&外国人)が多かったけどね。さすが、ジョットやワイエス展とは大違い(^^;)


次に別の階でやってる「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ 第3部 アメリカン・メガミックス」を見に行く。
このシリーズは第1部も第2部も見損なってしまった。今回は1957年から87年まで。ロバート・フランクやL・フリードランダーのように米国の光景を切り取ったものから、ユージン・スミスのように60年代末のジャーナリスティックなヤツ(日本人写真家も多数あり)、そしてシンディ・シャーマンやダイアン・アーバス、J・P・ウィトキンと終盤は混沌としてくるのであった。ナン・ゴールディングとC・シャーマンが活躍してたのが時期的に重なっていたとは意外。

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個人的にはリチャード・ミズラックが懐かしかった。昔、ミズラック展見に行って、ポスターと作品集も買ってしまったんであるよ。

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2008年11月23日 (日)

「アンドリュー・ワイエス 創造への道程」:何か魔法の如き気配

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会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
2008年11月8日~12月23日

恥ずかしながらこの展覧会に行くまで知りませんでした。
ワイエスがまだ 存命していた ことを(火暴)
お恥ずかしい……( (((( (;^^)/ コソコソ

過去にも大規模な展覧会が開かれたようだが、今回の特徴はテンペラ画の完成に至るまでの習作(スケッチ、水彩画)が複数展示されていることである。
同じ題材なのに、それぞれ描き方が微妙に異なっていき、テンペラ画になった時には全く別の構図になってたりすることもあるのが非常に興味深い。中には最初の中心だった物やヒトが最後には消えてしまうこともある。
ただ、習作だけで肝心な完成作が来てないものがあった(有名な「クリスティーナの世界」など)のは残念。

ワイエスの絵でいつも不思議に思うのは、なんてことのない日常的なものを描いているのに、何か特別で奇妙な雰囲気があることだ。納屋の内部とか屋根とか海岸の岩とか--。人物だって、言ってみれば隣人やご近所の友人に過ぎないはず。
それなのになぜ(?_?) そこにはもはやリアリズムを突き抜けた幻想性とでも言えるものがある。

また、実物で見て初めて分かる繊細な質感に驚いた。「野に置かれた義手」の奥の方に描かれた緑に覆われた山の表面。あるいは「早い雪」の家の前にうっすらと吹き溜まった雪。「松ぼっくり男爵」の道路の轍。その信じがたいほどの微小な描写に感心して思わず何度も眺めてしまった。
近年の作品では、完成作のテンペラ画よりその前の水彩画の方が「こっちのがいいんでは?」と感じられたのが何点かあった。

もう一つ驚いたのは、題材とされたオルソン家の住宅やワイエスの家の納屋が「18世紀末に建てられた」とか「百年前のもの」などと解説にあったことである。日本が地震国であることを差し引いても、かの国となんだか根本的に建築に対する考え方が違うのではないかと強く感じた。
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ミュージアム・ショップでまた物欲がムラムラspaと湧きかけたが、今回はガマンガマンと良い子になって帰ったのであった。

【追記】
2009年1月16日亡くなったそうである。
今回の展覧会のために日本向けに行ったインタヴュー映像が会場で流されていて、まだまだ元気だったような様子だったのだが……ま、大往生ですかね。
ご冥福をお祈りします(-人-)

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2008年11月19日 (水)

「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」:勝者と敗者と審査員と

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監督:ジェームズ・D・スターン、アダム・デル・デオ
米国2008年

「『コーラスライン』ってえと……確かオーディションを題材にしたダンサーの話だよねえ」なんて超門外漢級の知識しかなかった私のような人間でも面白かった!

ほら『ガラスの仮面』なんかでもオーディション場面って読んでて妙に燃えるじゃないですかshine
そのオーディションの過程(何か月にも渡る)を撮ったドキュメンタリーとなればますます手に汗握っちゃう(;^_^A 一体、どのダンサーが合格するんだろう(?_?;とドキドキもんである。

まず門外漢であっても、ありがたやmoviepadさんのブログ《映画のメモ帳+α》のこの記事を事前チェーック(^o^)b 非常に勉強になります。オリジナルの『コーラスライン』を映画化する際にそんなに色々とあったとは知らず--。

で、このドキュメンタリーではオーディションと同時にこのミュージカルがかつて作られた過程をも辿っていく。実際に演じたダンサー達のプライベートな話から役柄を作っていったことが語られて、それは再演に際してオーディションに集まった応募者たちの境遇とも重なることが明らかになっていく。
その結果はまさに悲喜こもごもとしかいいようがない。

それにしてもダンスは当然だが、歌も歌えて演技力も要求されるとは厳しい世界である。でもまた、その三つを兼ね備えた人間がいるんだからまたオソロシイもんだと感心してしまう。
「事実は小説より奇なり」にならって言えば「事実も舞台も奇なり」というところだろうか。
門外漢でもこれだけ面白かったんだから、ミュージカル・ファン、『コーラスライン』のファンはさぞ感動ものだったろうと推測しちゃう。
恐らく撮影で膨大な量のフィルムを費やしたと思うが、編集もうまくてだれる場面も無かった。


主観点:8点
客観点:8点

別の映画の話だが、映画館にハネケの『ファニーゲーム』のリメイク版のチラシがあった。遂にハネケ来た~ッ(@∀@)

【関連リンク】
《映画のメモ帳+α》
こちらの記事はこのドキュメンタリーの方の感想です。結論の一文は大いに頷けます。


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2008年11月16日 (日)

「Art of our time」:ああ~、上野の雨は「マイスタージンガー」に冷たくそぼ降る~(歌謡曲風)

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高松宮殿下記念世界文化賞二十周年
会場:上野の森美術館
2008年9月27日~11月9日

世界の芸術家を対象として分野ごとに傑出したアーティストを毎年一人ずつ顕彰する高松宮殿下記念世界文化賞。ニ十周年を記念して絵画、彫刻部門の受賞者41人の国内所蔵作品をイッキに集めて紹介--という企画である。
この賞の美術系は結構とんがった?選出がなされていて、メンツを見ると一時期出版された「アート・ランダム」というシリーズ本を髣髴とさせる。
アンゼルム・キーファーが受賞したのは、ちょうど美術バブルがはじけた頃で、「氷漬け絵画」(氷のアートではなくてng投機の対象とされた揚げ句、最後は借金のカタに取られて倉庫に放り込まれたままになった大作群)が話題となったあたりだったと記憶している。大作が多かったキーファーの作品はかなり「氷漬け」になっていたようだ。
とはいえ、当時(今でも?)まともな作品集が日本で出版されていない(評論書は出たが)アーティストでもそういう賞を貰うのだなあ、なんて変な感心をしたのであった。

で、この展覧会をおそまきながらでも11月初めの連休に見に行こうなんて予定していたのだが、なんとデパ地下で買ったスシにあたってしまい(^o^; 家でパッタリと倒れていたのである。
悔し紛れに他のブログの感想を覗くと「アッサリし過ぎ」「なんだか心に残らず」なんてあって、こりゃもう行かなくてもいいかなあと諦めかけた頃に読んでしまったのがこの《弐代目・青い日記帳》の紹介記事だっ。
な、なんとキーファーの「マイスタージンガー」が出品されているというではにゃあですかっsign03

(!o!) ナンダッテー

(>_<;) アンマリダ~

ω(T_T)ω ワナワナ

あの、セゾン美術館のキーファー展で大衝撃を受け、その後二、三日は夢にまで出てきた「マイスタージンガー」を再見できるとあらば、例え上野の汚い雑踏を這ってでも見に行かねばなるまい。
しかし、あろうことか土曜日は休日出勤に当たってるもんで、仕方なく雨模様rainの中、最終日の日曜に行ったのであった。

まず、最初に出会う入口の草間彌生のインスタレーション? テントウムシみたいなウミウシみたいなヤツでカワユイッheart04

中に入ると錚々たるメンツの作品が次々と……まさに現代アートの教科書に出てくる作品の実物が見られます、アリガタヤてな感じである。
しかし、これだけ各種エネルギーを様々に発している名作が並んでしまうと、相殺されてしまうもの、それでも目立っているもの、アッサリと忘れてしまうものなど色々あるようだ。

そういう意味で良かったのは、リチャード・ハミルトン、李禹煥、あと無数のサイコロをつなげたトニー・クラッグ。ジョージ・シーガルも印象強かったかな。

逆にエネルギーが薄まっていたのはボルタンスキー。三宅一生と同じスペースというのはあまりにナンじゃないですか(~_~;)
そして……キーファーであった。

そばに似たような傾向のザオ・ウーキーの大作が展示されてたのもまずかったのか。最初に一目見て思ったのが「ありゃっ(?_?; こんなに小さかったっけ」である。もっとすごーく大きくて見る者を圧倒していたような記憶があったのだが、他の大作と並ぶとそうでもなく見えた。
そして他の作品よりも、よく言えば「荒々しい」、悪く言えば「粗野」「小汚い」と見えてしまったのであった。
十数年前に見た時の、画面から恐ろしい怨念が吹き出してくるような呪力に近いエネルギーの塊はどこにも感じられない。その後、3回も戻って見直したが(どうせアヤシイ奴です)やはりあの時と同じ恐れを感じることはできなかった……。

_| ̄|○ ガクッ

そして、私はガックリとしたまま雨の上野を去ったのであった。

【どうでもいい話】
*図録の「マイスタージンガー」の写真が実物よりも色鮮やかなのはなぜ(^^? 昔撮った写真を使ったのかしらん。
*しばらく前、CS放送でTVアニメの「シンプソンズ」の再放送を見てたら、ジャスパー・ジョーンズが本人役で出演(声の)していてビックリ。ホーマーが作ったアート作品をかっぱらってましたな(^O^) 文学・芸術関係の有名人も時々ゲストで出るんでビックリよ。
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←1993年のキーファー展のチラシ

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2008年11月14日 (金)

「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」:支配への欲望を抱いているのはだ~れだ?

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監督:ブラザーズ・クエイ
出演:アミラ・カサール、ゴットフリード・ジョン
イギリス・ドイツ・フランス2005年

名前は今までさんざん耳にしてきたものの、クエイ兄弟の作品を見るのは初めてである。ストーリーがマッド・サイエンティスト&音楽ものということで興味をそそられて行ってみた。

孤島に住む天才科学者(定番)が美しい歌姫を婚約者の目の前でステージ上から拉致誘拐! 彼はロボットのような庭師たちを使い、怪しげなたくらみを企てているらしい。
博士に呼ばれた調律師の目を通してその一部始終が明らかにされる。

--と書くと面白そうなんだけど、実際にはかなりテンポが遅い展開で、見ていて緊張感が失せてしまう。上映時間が99分とは信じられないほど長く感じられた。
調律師が調律する自動演奏機械の人形など悪夢的なイメージが充満しているし、その背後には淫猥なユーモアもあったりしてそういう点では文句は無いんだけど……。

ミクシィの方の感想に博士が「外見からしてとてもマッド・サイエンティストには見えない。あれではただのエロシジイだdash」と書いてあって笑ってしまったが、役者の選び方というか好みもかなり片寄っているようだ。大体にして女優二人出ているが二人とも似たようなタイプ。最初見た時区別がつかなくて、これが監督兄弟の好みのタイプなのかしらん、なんて思っちゃったぐらい。

しかも音楽が題材にも関わらずほとんど音楽が使われてなくて、そういう意味でもガッカリである。登場したのはヴィヴァルディが一曲のみで、しかも伴奏がテオルボのはずなのだがどうもそのボロンボロンという音がそうは聞こえなくて、「もしかして鉄骨チェンバロならぬ鉄骨テオルボかっ(!o!)」などと想像してしまった。
さらに博士は歌手をさらってきた割にはあまり彼女の歌には興味が無いみたい。歌手は歌ってナンボ、歌ってこそ美しさも百万倍ですぜ。歌ってくれなきゃ詰まんな~いnotes

しかも彼女の誘拐方法が一旦殺してから再び蘇生させる(これは原作もそうなのかも知れないが)という点や、人物たちの描き方などを見ると、人間を支配して思うままに操りたいのはマッド・サイエンティストの博士よりも監督兄弟の方ではないかと訝しく思えてきた。
実写の監督でも役者を人形並みに扱っている(と傍からは見える)のを感じさせるタイプはいるが、ここまで露骨ににその欲望をあからさまにしているのはさすがに見たことがない。

全てが終焉した後に人物たちが自動演奏機械の中の物語の枠に収まっている光景を見ると、ますますその感が強まったのである。
まあ、私にはこの作品は「ネコcatに小判dollar」だったってことで--。


主観点:6点
客観点:7点

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2008年11月12日 (水)

「僕らのミライへ逆回転」:訳の分からぬ邦題にも負ケズ

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監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ジャック・ブラック、モス・デフ
米国2008年

雨ニモ負ケズ
電磁波ニモ負ケズ
役所ノ立チ退キ勧告ニモマケヌ
古ビタビデオ店ヲモチ
金ハナク
決シテ町カラ出ル希望モナク
イツモビデオテープダケヲレンタルシテヰル
一日1ドルノ料金デ
電磁波ニヤラレタテープノ代ワリニ
アラユル映画ヲ
リクエストニ応エテデッチアゲル

東ニ「ゴーストバスターズ」ノ要望アレバ
図書館ニ行ッテ無許可撮影ヲヤリ
西ニ「ロボコップ」見タイ人アレバ
銃ヲ持ッテハリボテヲ負ヒ
南ニ「ラッシュアワー2」見セロトアレバ
町ノ公園デアクションヲ繰リ広ゲ
北ニ「ドライビング・ミス・デイジー」ガアレバ
腹ガ立ツカラ止メロトイヒ
ウマク撮レナイ時ハ涙ヲナガシ
人手ガ足リナイ時ハ周囲ノ住人ヲヒキコミ
ミンナニ楽シイト絶賛サレル

邦題ハヒドイガ
涙アリ笑イアリ
何気ニ豪華ナ出演陣デ
ハリウッドノ大作主義モチクリト皮肉リ
地味ダケド最後ハシミジミトシタ感動ガアル
サウイフ良ク出来タ映画ガ
私ハ--

 チ ョ ー 苦 手 だ ~ っ !


主観点:5点
客観点:7点


【関連リンク】
《masalaの辛口映画館》
《カリスマ映画論》
同感の部分が多い感想。

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2008年11月10日 (月)

「西洋絵画の父 ジョットとその遺産展」:作品の真ん前でのメールは禁止!

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ジョットからルネサンス初めまでのフィレンツェ絵画
会場:損保ジャパン東郷青児美術館
2008年9月13日~11月9日

以前は大昔の宗教画の類いは全く興味が無かった。特にチマブーエとかこのジョット・ディ・ボンドーネとか……。テンペラの陰影に欠けた平板な画調が好きになれなかったのである。
しかし、ルネサンス期やそれ以前の宗教曲を聞くようになってその印象は変わった。むしろそれらの絵画はあの宗教音楽の恍惚感をよく表わしているように思える。

というわけでジョット展行ってきた。で、今まで音声ガイドって使ったことなかったけど、今回は解説が必要かな~と思って借りてみたのである。
だが、それはちょっと失敗だった。なぜなら、作品の横にかなり詳しい解説が付いていて(しかもデッカイ字で! 年寄り向けか?)ガイドがなくても十分であった。余計に気が散ってしまったみたい。壁の解説文読んで音声ガイド聞いてさらに作品を鑑賞するというのはなかなかに大変なのであーる(;^_^A

ジョットの直接の作品は4点。チラシに使われている聖母像は1295年頃のものだが、一点ステンドグラス作品が、絵画ではないからだろうか--逆に生き生きとした人物像を伝えている。それから、西欧美術史の本にはたいてい載っている、有名なスクロヴェーニ礼拝堂のマリアとキリスト伝の連作壁画。これは当然持ってこられないので写真パネルで詳細な解説と共に展示してあった。

その後は弟子たちがジョットの工房で制作した作品や、その後の宗教画の潮流が分かる作品が続く。今も色鮮やかな祭壇画や、さらには写本もあり。
面白く思ったのは、当時の商人たちが寄付したり制作を依頼した時に宗教画の隅っこの人物の一人に混ぜて描いてもらえること。こうしてウン百年後にまで名前が残って異国の人間にも見てもらえるんだが、大したモンである。完全に金の元は取れている(って、そういう問題か?)moneybag

宗旨は違えど「ありがたいモンを見さしてもらいました(^人^)モッタイナヤモッタイナヤ」と思わず拝んでしまいそうな作品群であった。もうジョットの実物を日本で見られる機会など二度とあるまい。

あと、絵のまん前でケータイを使っているヤツを二人も見てしまった。一人は学生らしい若い女の子で、ついメモ代わりに感想を書いていたらしい。こちらは注意されていた。まあウッカリミスということで許せるが、もう一人はOL風の女性で、こちらは完全にメールチェックしていたぞ(~_~メ)
何故に作品の前で? 大体にしてそんな所に立ってたら他の客が見ることができんじゃないか、ゴルァannoy メールチェックしたけりゃ休憩コーナー行けい(*`ε´*)ノ☆


さて、この展覧会にぴったりの音楽はと言うと(音声ガイドに使われていた音楽はもっと後の時代のもの)難しい。13世紀はめぼしいのがないんで、彼の工房や弟子たちが活躍した14世紀ということでやはりマショーですかね。

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◆ルネ・クレマンシック指揮クレマンシック・コンソート他「ギョーム・ド・マショー:ノートル・ダム・ミサ」
音楽史上最初の「通作ミサ曲」として高名。これを聖母マリア信仰という観点から構成して演奏する……という部分もこの展覧会にピッタリでは。
ただ、冒頭が「教会の外にいる楽師や物乞いの芸」という章から始まることからも分かるようにかなりキョーレツなサウンドである。ジョットの絵のような敬虔な音楽を予想して聴くと腰を抜かしてしまうかも知れない。
独唱している男声はどう聞いても地声に聞こえるんだけど、どーなんでしょうか?

これでは刺激が強過ぎるという人には
◆ヴォーカル・アンサンブル カペラ「ノートル・ダム・ミサ」
この曲の一般的な演奏よりもさらに美しく敬虔度アップ。心安らかに浸れます。


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2008年11月 9日 (日)

秋のコンサート二つ紹介

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諸般の事情によりブログ記事を書くのが遅れまくっているので、以下のコンサートについては簡単な記録にとどめておきます。


◎小池耕平「イタリアの道」
会場:日本福音ルーテル東京教会
2008年10月30日

リコーダー奏者の小池耕平が作曲家ごとに作品を演奏していくシリーズの第1回。この日はコレッリで他のメンバーがガンバ+チェンバロ+オルガン(と上に重ねたチェンバロ)という珍しい編成であった。
ソナタ曲を続けてトリはやはり「フォリア」、というプログラム。新たにリコーダー用に編曲したとのことで、かなり難しそうな装飾してあった。そのせいか、演奏の途中で何回か高音の部分は膝を上げてリコーダーを支えていたのはビックリ。初めて見ました。
教会内にリコーダーの伸びやかな音が響いて心地よかった。
次回はマンチーニをやるとのこと。

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◎合唱団フォンス・フローリス「シャルパンティエの音楽」
会場:トッパンホール
2008年11月2日

この合唱団は花井哲郎が主宰して、複数のグループ(セミプロ、アマも含むもよう)が合同で結成。フランス・バロックの宗教曲を専門にやるとのこと。花井氏の元々からのこだわりのようだが、ラテン語の発音もフランス風にやる。
というわけで、大人数だが服装などはそれぞれのグループによってバラバラである。前回聴いたのはこの時ですな。
この日はシャルパンティエの小規模な宗教曲を4曲演奏。男声独唱者と通奏低音はプロの方々が担当したが、どちらかというと合唱が中心の曲でそのところどころにソロが挟まるという構成だった。当時もこのように大きな編成で演奏されたのだろう。

双方ののコンサートとも客は身内の人間が大多数だったみたいだ。私みたいに完全な部外者は珍しいかも。

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2008年11月 8日 (土)

「アーツ・アンド・クラフト{イギリス→アメリカ}」:華麗なるデザインに物欲がーっ

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ウィリアム・モリスからフロンク・ロイド・ライト
会場:埼玉県立近代美術館
2008年9月13日~11月3日

ウィリアム・モリスを中心に始まった工芸・デザインのムーヴメントであるアーツ・アンド・クラフト。19世紀末から20世紀初頭の様々な作品を紹介している。

まず、キレイで感心したのは「内装用ファブリック」って言うんですか?--壁紙や生地で、あのモリス流の華麗なるデザインがプリントされている。数も多くて、中には色あせてるのもあるが、百年以上も前の生地が鮮やかな色彩を残しているのには感心した。
私の後ろの方にいたオバサンは感極まった揚げ句に「とってもきれいね~。ケータイで写真取ってもいいかしら」と係員に尋ねてたが、もちろん「ダメですng」とアッサリ却下されていた。(^o^;

それから家具や小物、照明器具、印刷物などが続いた。
有名なマッキントッシュの椅子の実物もあった(背の部分が長細い格子になっているヤツ)。元々、ここの美術館は色んな椅子のコレクションがあって、実際に座れるというのがウリだったが、他の所にマッキントッシュの椅子に座ってみようというコーナーがあって(そちらの椅子の方は最近の複製品)エイヤッと座ってみた。
外見だけだとデザイン優先でかなり座り心地が悪そうだけど、実際にはそんなことはなくて「普通」であった。

最後は米国に渡ったムーブメントの様相。こちらは家具や陶器など。天井から美しい色ガラスのランプが一つ吊るされて点灯されていたが、残念ながらあまり目立たない場所だった。

家具にしろ染織物にしても、今でも十分通用するデザイン--というか、今も変形しつつも流用されているものがほとんどであった。まさに近代デザインの源流を見たーっflairという気分を堪能できた。
願わくば、こういうモノがふさわしいような場所で暮らしてみたいのう(掃除は大変そうだが(^^;)。

というわけで、ミュージアム・ショップへ行ったら物欲がムクムクwaveと湧き上がってきておみやげのコースター、ブックマーク、さらにクッションカバー2枚も買い込んでしまった……(~_~;)トホホである。

11月8日から汐留ミュージアムで同名の展覧会があるもよう。多分巡回展なんだろうか。しかしあちらの方が料金moneybagが半額ってのはどういうことよ(`´メ)

その後は常設展へ。子ども向けのワークショップをやっていて、お子様の作品が展示されている上、そこら中を家族連れがウロウロしていた。
秋岡美帆の「ゆれるかげ」イイですね~(*^^*) ボーっと見ていたいです。それから熊谷守一作品の実物を見たのは初めてだと思うが、なるほどこれはキョーレツかつ鮮明な印象である。
地下に降りて、舟越保武の「ダミアン神父像」を見る。重厚である……( -o-) あまりの重厚さに像がこちらにバタッと倒れてきそうだったので、早々に退散した。
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←物欲の証しであ~る。

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2008年11月 4日 (火)

指名手配犯の似顔絵ではありません

PC関係の勉強のために《パソコントラブル出張修理・サポート日記》をいつも読んでいるのだが、こんな記事があった。
「これはひどい! 文字列からドット絵風似顔絵変換ツール「Turn Your Name Into a Face」。」

で、もちろん早速やってみましたよ(火暴)
元のサイトはこちら

まずブログ名の「ひねくれ者と呼んでくれ」

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続いて「さわやか革命」

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こ、これではあんまりなので(TOT)「ひねくれ者」でやってみました。

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これならまだマシかな(^^;
趣きを変えて、本名をちょっとアレンジしてやってみると--

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まあ、どれにしてもプロフィール画像には使えないなっとshadow

最後にこれは誰でしょう?

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ヒント:「オルガンの名手」--ってバレバレだ~!

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2008年11月 3日 (月)

エルヴェ・ニケ指揮ル・コンセール・スピリテュエル公演:興奮のあまりテムズ川へダイブ

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会場:東京オペラシティ コンサートホール
2008年10月28日

ヘンデルの「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」を当時の形で録音したCDが評判を呼んだニケ&ル・コンセール・スピリテュエルが、同じプログラム公演で来日!となれば行かずにゃいられんのである。
人数はCDよりは少ないようだが総勢80人とのこと。一体、オペラシティの舞台に乗るのか?なんていらぬ心配をしてしまったが、ちゃんと全員乗っていたのでヨカッタ( -o-)ホッ(そういう問題か)

他の都市での公演では客が入ってなかったりノリが悪かったそうだが、東京では直前での宣伝攻勢が効いたのかほぼ満員で、しかも始まる前からもう「今日は拍手喝采しちゃうもんね&あわよくばブラボーだって飛ばしちゃうよheart02」モードの人が結構いたようだ。(そのためかフライング気味のブラボーがあった)

見どころ聴きどころはやはりなんと言っても当時の形を復元した金管楽器群だろう。さらにオーボエとファゴット?(とリコーダー)もかなりの大人数でこれまたすごい聞き物。
ただ、トランペットとホルンは左右両脇端に立っていたため、2・3階のサイドの席のからは真下になってしまって見られなかったようだ。
一方、私は前の方の座席だったんで(先行予約で買ったので座席を選べなかったのよweep)近過ぎて真ん中奥の木管楽器軍団がほとんど見えなかった。オーボエの主席奏者のアクションが派手だったらしいのだが、全くワカラン状態。
指揮者のE・ニケはツルみたいに長い手足で指揮台の上を所狭しと動き回り、腕をヒラヒラとひらめかせていた。こちらの方はよ~く観察できたeye

実際に聴いてみると、ものスゴイ音圧だった。ホルンに近い方の席だったもんで、もう耳がガンガン(!o!)するほど。後でCDを聴き直してみたところ、金管楽器の音はかなりレベルを下げて録音していたようだ。2台のティンパニの音もグサグサ、低音楽器は下からドドンと来るしもう全然迫力が違う。しかも目で見ていると、それぞれの楽器群が音の海の中から浮かび上がっては沈んでいくという掛け合い状態がよく確認できた。

さらに演奏は流麗で圧倒的なテンポ良さで進んでいく。しかもニケは一曲終わるとさっさと退場し、始める時も拍手が終わらないうちにサクサクと音出ししてしまう。(おかげで終演時間が予定より早かった)
後半最後の「王宮」では「序曲:アレグロ」が終わった時に、あまりのドトーのような勢いの演奏にため息とも感嘆ともつかぬざわめきが客席からもれたほどだ。私もすっかり気分が高揚してしまった。
ホールで座って聴いている現代人でさえこうなのだから、当時のロンドン市民はさぞコーフンしたに違いない。さながら阪神優勝時の道頓堀か、浦和レッズが負けた時の極悪サポーターぐらい(違)てなもんか。

やはり当時そのままに野外で聴いてみたかったのう。東京湾遊覧船か隅田川の屋形船で片手にビールbeer片手に屋台の焼きそばrestaurant……となるとチケット代は今の倍以上でも済まないか?
それが無理ならスタジアム・ロックよろしく背後に巨大スクリーンをしつらえて川岸の風景や花火の派手な映像を流したらどうだろう。ラストはもちろん燃え上がるimpactジョージ2世の像で決まりだー(^O^)/

そもそも、当時はまだ機会音楽がほとんどで、純粋に鑑賞のための音楽が大半を占めるようになるのはもっと後の時代だろう。とすれば、このようなイベント性が強い再現こそが「オーセンティック」と言えるかも知れない。もう「水上」や「王宮」演奏時に押しかけた野次馬同様、興奮 (*'∀')=3 しちゃったもんね。
かなり以前にピノックやガーディナーのCDを聞いてもどうも今一つピンと来なかったのだが、ようやくニケ&LCSの演奏でこの曲の神髄に触れた気分となれた。

当日はニケの誕生日でアンコールの後に「ハーピーバースデー」もどきが演奏され、花束とケーキが贈られた。
なおNHK-FMで放送予定とのこと。行けなかった方々は是非必聴よんear
次は不景気にも負けず、十八番のおフランス物で来日して欲しい。またフランスの方からの助成金を頼んます(^人^)

ところで、トランペットに「ブー」が飛んでたのはなぜ(?_?; 一か所乱れたっぽい部分があったからかsign02(トーシロには分からず)

【関連リンク】
《無言日記》
記事内のまとめリンクで、各所の反応が分かります。

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2008年11月 2日 (日)

「サド侯爵夫人」:一体いつか完璧に満足できる日が来るだろうか

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作:三島由紀夫
演出:鈴木勝秀
会場:東京グローブ座
2008年10月17日~26日

三島由紀夫が澁澤龍彦の『サド侯爵の生涯』に触発されて書いた戯曲をオール男性(登場人物は全て女性)で演じた芝居を見てきた。
肝心のサド侯爵は終始不在であり、その存在は6人の女たちの言葉によって語られるのみである。それを構成するのは膨大な量の台詞であり、さらに三島自身が「舞台の末梢的技巧は一切これを排し」などと書いているもんだから、役者の技量がモロに試されることになるわけで、大変キビシイ芝居(役者はもちろん、観客にとっても)である。

私が観たのはこれで4回目だが、全員の芝居に満足したということはなく、必ずどれかの人物がサエなかったりして不満を残すのであった。
押しの強い役柄のモントルイユ夫人(侯爵夫人の母)と悪徳代表のサン・フォンはともかく、他の役は下手するとパッとしないまま終わってしまう。

さて、今回の公演で話題なのは篠井英介と加納幸和というかつての「花組芝居」メンバーによる共演ということだろう。しかも二人が母娘となって対決impactとなれば期待しちゃうじゃないのさっ(^o^;
驚いたのは台詞回しが異常に速いこと。速すぎて一部聞き取れない台詞もあったりして。確かに、悠長にやってたらエラク長くなってしまう芝居なのでそうしたのだろうか。それとも、加納幸和は初日は台詞を噛んだりしまいには忘れてしまったそうなんで、却って勢いを付けた方がよかったのかも知れない。(その日は大きな失敗は無かったもよう)
それから、ロココ風のカツラを付けてしまうとなんだか二人の顔が似てしまって、幕の最初ごとに一瞬どちらなのか分からなくなってしまったのも意外だった。そういう意味でも親子っぽかったと言える--か(^^?

二人とも「女方」らしい台詞回しゆえに戯画的な所があって、そこは面白かった。見ているうちにこれはまさに母娘の葛藤の物語だということが分かった。この長年にわたる確執の前では、サド侯爵だろうと誰であろうと男の立ち入る隙はない。侯爵とその姑の記述からそのような関係を読み取った三島はさすがflairと言うべきだろうか。
加納モントルイユ夫人は常に不満そうに口をとがらせているのに笑ってしまった。彼女はきっと娘が何をしても不満なのだろう。例え婿がサド侯爵とは逆に「善良」な人物であっても、今度はその善良さゆえに不満をもらすはずである。

他は残念ながらあまりサエなかったのがサン・フォン伯爵夫人。逆に良かったのはシミアーヌで、この人物の善良で敬虔なるがゆえの退屈さ--みたいなのがよく出ていたように思う。
それ以外にも色々不満な部分はあったが、この芝居で完全に満足できる公演に巡り合えるかどうかは怪しい。--ので、そう思えば水準の出来だったと言えよう。

グローブ座に行ったのは恐らく十ウン年ぶり?ぐらい。昔ですなーsandclock 出入り口が以前と反対側になっていたので驚いた。他のブログに、昔の入口の方に行ったら追い返されてしまったと書いてあった。やはり、ジャニーズ系?の公演が多くて終演後に騒がしくなってしまったので苦情が来たので変更したんざんしょか。


確か安部公房と三島の対談で読んだと思うが、二人とも当時の新劇に不満を抱いていて、翻訳劇でカツラをかぶってガイジンの役を演ずるのをバカらしいと論じていた(安部公房は、『桜の園』は大正時代の北海道を舞台にしてやればいいと言ってた)。もちろん当時は小劇場なんてものは存在してなかった頃である。
そのような新劇へのアンチテーゼとしてこの芝居が書かれたのだろうが、いくら「セリフだけが芝居を支配し」と本人が書いていても、朗読劇ではないんだからただセリフを語ればいいという訳でもない。ここは難しい所である。

私が過去に観たのは、1990年に二回(あともう一回は思い出せない(^^;)。一つは水戸芸術館でフランスの女性演出家による、やはり男性だけの配役のもの。この時はモントルイユ夫人が若松武でルネは同じく篠井さんであった。十八年も前だから今よりも篠井さんのルネはかわいらしく--だったかどうかも含めてほとんど覚えていな~い(>O<)
ただ一つ覚えているのはサン・フォン役の野村耕介がなぜか胸をはだけて見せたことだけであるsweat02

もう一つはベニサン・ピットでD・ルヴォー演出のもの。壁面を鏡にして本物のローソクを点けたりして装置も印象的だった。この時は玉三郎がサン・フォンを演じていた。さらにその昔はルネをやったという。見てみたかったshine(残りの五人は全て女優)
モントルイユは南美江で、昔のパンフを引っ張り出してみると「日本における全ての『サド侯爵夫人』でこの役を演じ」(当時)と書かれているぐらいの当たり役であった。まさに彼女は狡猾で、俗物で、支配的で、恫喝と泣き落としを自在に使い分ける怪物的な「母」そのものを体現していた。彼女を越えてこの役を演じるのはこれからも難しいだろう。

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【関連リンク】
《ハンニバルと象に乗る》
批判的な感想

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2008年11月 1日 (土)

「ゲット スマート」:昔のドラマは忘れてくれい

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監督:ピーター・シーガル
出演:スティーヴ・カレル、アン・ハサウェイ
米国2008年

大昔、子供の頃は外国TVドラマが花盛り。もちろん有名どころはほとんど見ていたが、その中でも一番好きだったのは「それ行けスマート」だった。なぜならヒジョーにバカバカしくて下らなくっておかしかったからである \(^o^)/
スパイものブームの中で作られたパロディ系の30分ドラマで、UHFで再放送された時もまた見てしまったが、それからでさえも既に××年経過。それがスティーヴ・カレル主演でリメイクというので喜び勇んで見てきた。

うーむ……「TVドラマの映画版は今イチ面白くない」という法則がまたもここで当てはまってしまったようだ。オリジナルっぽい部分は予告だけで出尽くしちゃって、前半のそれ以外の場面はあまり笑えず(-.-;)
むしろ、後半のアクション場面(かなり真っ当な作り)の方がすっきり笑えてハラハラした。
まあ、いにしえのオリジナル版を期待して行った私が悪いんでしょう。これだったら、ドン・アダムスが既にフケてしまってたけど、なぜかシルヴィア・クリステルと共演した昔の映画版の方がマシだったみたい。
リメイクとか気にしないで行った人の方が楽しめるようだ。あと、英語のギャグがどうも理解できていない予感がかなりした。吹替え版を藤村有弘で作ってぜひ笑わせてもらいたいもんだが故人なんで、それも無理だ……heart03

ただ事前に、今はケータイのご時世なのにあの靴型電話機(靴の底に電話のダイアルが付いていてアンテナを伸ばして電話をかける、とゆう優れもの。ただ、今履いていた靴を脱いでその底を顔にくっつけるのはなんだかな~という問題あり)はどうすんのかなfootと疑問に思っていたが、ちゃんと活用されてたのは嬉しかった。
それから、チーフ役で大活躍のアラン・アーキン、悪役にテレンス・スタンプ、その他ジェームズ・カーンやビル・マーレイも出ていて何気に豪華オヤヂ・キャストであった。


さて、『それ行けスマート』の面白さというのは、「おバカ」じゃなくて「すっとぼけている」という感じだった。最近のドラマで言うと『宇宙船レッド・ドワーフ号』が近いか。でもレッド・ドワーフだって見ている人はそんなにいなさそうだが(^=^;
それに、99号は最初お色気要員みたいな役柄でスマートと組んだんだけど、段々とお笑いも担当してきてボケ・ツッコミならぬボケ・ボケコンビみたいになってから俄然面白くなったのだった。
今でも覚えてるギャグだと、霧の街ロンドンmistに任務で行ったはいいが、なにせ霧の街で霧が濃過ぎて街中モクモクとしているもんだから、敵も味方も分からなくなって混乱!というのがあった。まさに「んなバカな~っdash」である。

CS放送では日夜海外TVドラマを放送している局が幾つもあるんだから、ぜひどこかで再放送を頼む(-人-)オネガイ
さもなきゃDVDボックスの発売をしてくれ~。そしたらすぐ予約しちゃうよdollar でも、映画版の客の入りでは無理な話か(T_T) (米国ではヒットで続編製作が決まったらしい)


主観点:5点
客観点:7点

【関連リンク】
《映画の心理プロファイル》
ドン・アダムス訃報が流れた時の記事。

《お散歩アルバム・・秋本番》
「スマート」だけでなく、懐かしのTV番組の名前がいっぱい(^^)

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