エルヴェ・ニケ指揮ル・コンセール・スピリテュエル公演:興奮のあまりテムズ川へダイブ
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2008年10月28日
ヘンデルの「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」を当時の形で録音したCDが評判を呼んだニケ&ル・コンセール・スピリテュエルが、同じプログラム公演で来日!となれば行かずにゃいられんのである。
人数はCDよりは少ないようだが総勢80人とのこと。一体、オペラシティの舞台に乗るのか?なんていらぬ心配をしてしまったが、ちゃんと全員乗っていたのでヨカッタ( -o-)ホッ(そういう問題か)
他の都市での公演では客が入ってなかったりノリが悪かったそうだが、東京では直前での宣伝攻勢が効いたのかほぼ満員で、しかも始まる前からもう「今日は拍手喝采しちゃうもんね&あわよくばブラボーだって飛ばしちゃうよ」モードの人が結構いたようだ。(そのためかフライング気味のブラボーがあった)
見どころ聴きどころはやはりなんと言っても当時の形を復元した金管楽器群だろう。さらにオーボエとファゴット?(とリコーダー)もかなりの大人数でこれまたすごい聞き物。
ただ、トランペットとホルンは左右両脇端に立っていたため、2・3階のサイドの席のからは真下になってしまって見られなかったようだ。
一方、私は前の方の座席だったんで(先行予約で買ったので座席を選べなかったのよ)近過ぎて真ん中奥の木管楽器軍団がほとんど見えなかった。オーボエの主席奏者のアクションが派手だったらしいのだが、全くワカラン状態。
指揮者のE・ニケはツルみたいに長い手足で指揮台の上を所狭しと動き回り、腕をヒラヒラとひらめかせていた。こちらの方はよ~く観察できた
実際に聴いてみると、ものスゴイ音圧だった。ホルンに近い方の席だったもんで、もう耳がガンガン(!o!)するほど。後でCDを聴き直してみたところ、金管楽器の音はかなりレベルを下げて録音していたようだ。2台のティンパニの音もグサグサ、低音楽器は下からドドンと来るしもう全然迫力が違う。しかも目で見ていると、それぞれの楽器群が音の海の中から浮かび上がっては沈んでいくという掛け合い状態がよく確認できた。
さらに演奏は流麗で圧倒的なテンポ良さで進んでいく。しかもニケは一曲終わるとさっさと退場し、始める時も拍手が終わらないうちにサクサクと音出ししてしまう。(おかげで終演時間が予定より早かった)
後半最後の「王宮」では「序曲:アレグロ」が終わった時に、あまりのドトーのような勢いの演奏にため息とも感嘆ともつかぬざわめきが客席からもれたほどだ。私もすっかり気分が高揚してしまった。
ホールで座って聴いている現代人でさえこうなのだから、当時のロンドン市民はさぞコーフンしたに違いない。さながら阪神優勝時の道頓堀か、浦和レッズが負けた時の極悪サポーターぐらい(違)てなもんか。
やはり当時そのままに野外で聴いてみたかったのう。東京湾遊覧船か隅田川の屋形船で片手にビール片手に屋台の焼きそば……となるとチケット代は今の倍以上でも済まないか?
それが無理ならスタジアム・ロックよろしく背後に巨大スクリーンをしつらえて川岸の風景や花火の派手な映像を流したらどうだろう。ラストはもちろん燃え上がるジョージ2世の像で決まりだー(^O^)/
そもそも、当時はまだ機会音楽がほとんどで、純粋に鑑賞のための音楽が大半を占めるようになるのはもっと後の時代だろう。とすれば、このようなイベント性が強い再現こそが「オーセンティック」と言えるかも知れない。もう「水上」や「王宮」演奏時に押しかけた野次馬同様、興奮 (*'∀')=3 しちゃったもんね。
かなり以前にピノックやガーディナーのCDを聞いてもどうも今一つピンと来なかったのだが、ようやくニケ&LCSの演奏でこの曲の神髄に触れた気分となれた。
当日はニケの誕生日でアンコールの後に「ハーピーバースデー」もどきが演奏され、花束とケーキが贈られた。
なおNHK-FMで放送予定とのこと。行けなかった方々は是非必聴よん
次は不景気にも負けず、十八番のおフランス物で来日して欲しい。またフランスの方からの助成金を頼んます(^人^)
ところで、トランペットに「ブー」が飛んでたのはなぜ(?_?; 一か所乱れたっぽい部分があったからか(トーシロには分からず)
【関連リンク】
《無言日記》
記事内のまとめリンクで、各所の反応が分かります。
| 固定リンク | 0
コメント
トランペットにブーが飛んでいたのですか・・
私はトランペットの真上のような位置にいてよくわからなかったのですがトランペットの人が雄たけびを上げているように見えてたので・・・ちょっとビックリ!
確かに、会場、盛り上がっていましたね!なんか皆そわそわしているような感じで・・・
投稿: アルチーナ | 2008年11月 4日 (火) 11時37分
コメントどうもです。
私もトランペットとは正反対の側にいたんで、遠くてよくは分からないのですが、ご本人たちが叫んでいるようには見えませんでした。(?_?;
後で「某巨大掲示板」(←わざとらしい?)を覗いたらブーイングだと書いてあったので、やっぱりそうか!と思った次第です。
こういう音楽は盛り上がっている中で聴くとまた余計に楽しいですね(^^)
投稿: さわやか革命 | 2008年11月 4日 (火) 20時37分