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2008年11月10日 (月)

「西洋絵画の父 ジョットとその遺産展」:作品の真ん前でのメールは禁止!

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ジョットからルネサンス初めまでのフィレンツェ絵画
会場:損保ジャパン東郷青児美術館
2008年9月13日~11月9日

以前は大昔の宗教画の類いは全く興味が無かった。特にチマブーエとかこのジョット・ディ・ボンドーネとか……。テンペラの陰影に欠けた平板な画調が好きになれなかったのである。
しかし、ルネサンス期やそれ以前の宗教曲を聞くようになってその印象は変わった。むしろそれらの絵画はあの宗教音楽の恍惚感をよく表わしているように思える。

というわけでジョット展行ってきた。で、今まで音声ガイドって使ったことなかったけど、今回は解説が必要かな~と思って借りてみたのである。
だが、それはちょっと失敗だった。なぜなら、作品の横にかなり詳しい解説が付いていて(しかもデッカイ字で! 年寄り向けか?)ガイドがなくても十分であった。余計に気が散ってしまったみたい。壁の解説文読んで音声ガイド聞いてさらに作品を鑑賞するというのはなかなかに大変なのであーる(;^_^A

ジョットの直接の作品は4点。チラシに使われている聖母像は1295年頃のものだが、一点ステンドグラス作品が、絵画ではないからだろうか--逆に生き生きとした人物像を伝えている。それから、西欧美術史の本にはたいてい載っている、有名なスクロヴェーニ礼拝堂のマリアとキリスト伝の連作壁画。これは当然持ってこられないので写真パネルで詳細な解説と共に展示してあった。

その後は弟子たちがジョットの工房で制作した作品や、その後の宗教画の潮流が分かる作品が続く。今も色鮮やかな祭壇画や、さらには写本もあり。
面白く思ったのは、当時の商人たちが寄付したり制作を依頼した時に宗教画の隅っこの人物の一人に混ぜて描いてもらえること。こうしてウン百年後にまで名前が残って異国の人間にも見てもらえるんだが、大したモンである。完全に金の元は取れている(って、そういう問題か?)moneybag

宗旨は違えど「ありがたいモンを見さしてもらいました(^人^)モッタイナヤモッタイナヤ」と思わず拝んでしまいそうな作品群であった。もうジョットの実物を日本で見られる機会など二度とあるまい。

あと、絵のまん前でケータイを使っているヤツを二人も見てしまった。一人は学生らしい若い女の子で、ついメモ代わりに感想を書いていたらしい。こちらは注意されていた。まあウッカリミスということで許せるが、もう一人はOL風の女性で、こちらは完全にメールチェックしていたぞ(~_~メ)
何故に作品の前で? 大体にしてそんな所に立ってたら他の客が見ることができんじゃないか、ゴルァannoy メールチェックしたけりゃ休憩コーナー行けい(*`ε´*)ノ☆


さて、この展覧会にぴったりの音楽はと言うと(音声ガイドに使われていた音楽はもっと後の時代のもの)難しい。13世紀はめぼしいのがないんで、彼の工房や弟子たちが活躍した14世紀ということでやはりマショーですかね。

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◆ルネ・クレマンシック指揮クレマンシック・コンソート他「ギョーム・ド・マショー:ノートル・ダム・ミサ」
音楽史上最初の「通作ミサ曲」として高名。これを聖母マリア信仰という観点から構成して演奏する……という部分もこの展覧会にピッタリでは。
ただ、冒頭が「教会の外にいる楽師や物乞いの芸」という章から始まることからも分かるようにかなりキョーレツなサウンドである。ジョットの絵のような敬虔な音楽を予想して聴くと腰を抜かしてしまうかも知れない。
独唱している男声はどう聞いても地声に聞こえるんだけど、どーなんでしょうか?

これでは刺激が強過ぎるという人には
◆ヴォーカル・アンサンブル カペラ「ノートル・ダム・ミサ」
この曲の一般的な演奏よりもさらに美しく敬虔度アップ。心安らかに浸れます。


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コメント

 こんばんは。
 僕の所有するクレマンシックのCDのうち、ダンスタブルとオケゲムの二枚はアカペラの重唱で、真面目に歌ってはいるのですが、何だか怪訝に思われるほど下手ですね。

 皆川達夫大先生によると、クレマンシックの「カルミナ・ブラーナ」の演奏は、“ある事ない事”ではなく、“ない事ない事”を連ねた、大法螺吹きな演奏だそうです。残念ながら、僕は聴いた事ありませんが。

投稿: Pilgrim | 2008年11月10日 (月) 23時54分

う~む、皆川先生がそれほどに言うとなると、却って聴いてみたくなります。
「恐いもの見たさ」ならぬ恐いもの聴きたさですかねえ(^=^; 聴き終わって「なんじゃ、こりゃー」となるかも知れませんが。

投稿: さわやか革命 | 2008年11月11日 (火) 21時29分

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