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2008年12月14日 (日)

ヘンデル オラトリオ「ユダス・マカベウス」:「日本書紀」か「古事記」か

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2007→2009ヘンデル・プロジェクト2
演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2008年12月7日

ヘンデル二連チャンの二日目である。前日の疲れもものともせず--かどうかはビミョーだが、なんとかオペラシティに到着すると巨大クリスマスツリーが
そして座席は普段の定期公演ではゲット不可能な、ど真ん中ではにゃあですか! さすがイープラスの先行予約 \(^o^)/と、言いたいところだが、さいたまのブランデンは後ろの方だったしなあ。位置のムラがあり過ぎよ。

さて、演目はオラトリオの「ユダス・マカベウス」である。独唱者が4人いるがそのうちのソプラノとアルトはユダヤの民衆代表みたいな位置づけで個人名もナシ。名前があるのはタイトルロールのユダス・マカベウスとシモンだけである。
という事で、チラシに「見よ!英雄来たる!シリア王からエルサレムを奪回する勇者の物語」という挙句が書いてあるが、本当にそれだけの話であって余計なストーリーは何もない。
古代の英雄物語といっても、これは言わば政府公式見解の「日本書紀」みたいなもんであり、決して「古事記」ではないのだった。

ユダス役の櫻田亮は堂々とした英雄ぶり、絶好調という印象だった。「イスラエルの女」の柏原奈穂は無難に出番をこなしていたが、チト線が細いかなーと思えた。「男」をやったマリアンネ・ベアーテ・キーラントと並んじゃうと歩が悪い。シモン役の萩原潤も順調だったが役どころがそもそも助演っぽいんで、目立つというわけではなかった。

楽器陣で目についたのは、鈴木(弟)秀美氏がいなくて代わりにライナー・ツィパーリングがチェロに入っていた。この人はフォンス・ムジケ(から歌手をマイナスした)公演で、今村泰典センセと「もっとこっちに寄れ」「やだよ、あんたがこっち来い」とやり合ってた人。ヒデミ氏とはまた違った力強い堅実な演奏で助っ人していた。

合唱は美しく迫力があって文句ナ~シの出来。素晴らしいもんである。ほとんど瑕疵のない公演だったが……(x_x)実を言うと、私は初めから興味をあまり持てないままに聴き終わってしまったのであった。(この日は終了6時半(^^;)
なんというか、こういう清く正しい「日本書紀」な作品は苦手なんだよねえ。ストーリーもそうなら音楽も当然そういう方向だし。も~っと、個人のドロドロした葛藤話が好きなのよー

というわけで結論は、ヘンデル先生(^O^)/ 来年のオペラ『リナルド』(演奏会形式)に期待いたしますっ
なお、今回の公演はNHK-FMで放送予定とのこと。

ところで、貰ったチラシの中に日本ヘンデル協会の公演も入っていた(今年の公演はこちら)。
上杉さん主役で桐山さんがコンマスのオペラ『オットーネ』。こりゃ楽しみだいっ。絶対いきますっ(*'∀')=3ムハッ

しかし、来年はヘンデル・イヤーで企画が続々とありそうだが、この不景気で潰れたりしないように心から祈っちゃうよ

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全く関係ない話だが、休憩時間にオペラシティー・ギャラリー隣りのアート・ショップに行ったら、若い人(ほとんどが娘っ子)で充満していた(!o!) 初めて見る光景である。どうやら「蜷川実花」展に来て蜷川グッズを買おうとしてコーナーに群れているらしい。
ギャラリーの入口を見てみると、なんと入口に行列が出来ているではにゃあの 入場制限をしている(?_?; これまたこのギャラリーでは初めて見る光景である。
いや~、スゴイですねー。蜷川実花の人気がここまであったとは(^^;ゞ

【関連リンク】
《演奏会定点観測》
HFJの公演との違いが、演劇性と宗教性という対比にあるというのに「ナルホド~」と思いました。

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荘厳かつ躍動感あふれる16人の合唱と、楽曲を重々しくせずテンポよく進ませるオリジナル楽器の管弦楽に、深い感銘を得ました。きちんと楽曲を理解して、きちんと采配するという基本の典型だと思います。バロック合唱の響きがホールの特性にマッチングして(このホールがバ...... [続きを読む]

受信: 2008年12月27日 (土) 23時46分

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