劇団NLT「歌物語オーカッサンとニコレット」:演技する身体/身体なき歌
中世身振り芝居
演出:川端槙二
音楽:タブラトゥーラ
会場:シアターグリーン
2008年12月3日~7日
劇団NLTとは元々、文学座から分かれた劇団だそうである。その「喜劇路線40周年」ということで、1979年にやった「オーカッサンとニコレット」を再演した。当時の音楽をつのだたかしが担当したとのことで、今回はタブラトゥーラが演奏に加わるという豪華版である。
この演目は今年の目白バ・ロック音楽祭でもジョングルール・ボン・ミュジシャンの演奏で見た(聞いた)のだが、演劇サイドからやるとどうなるか見に行ったのであった。それに、なんと言っても音楽がタブラだしね(^^)
前回の演出でもそうだったらしいが、大道具などはなく、木やら城壁やら何やら全てを人間がマイムで演じるというもの。動きが激しいんで、役者は全て若手ばかりでしかも主役のカップルは三組が途中交替しつつ演じるのであった。汗ダラダラ流して大変そうだ~。
タブラの面々は変な帽子(アラブ風やら遊牧民風)をそれぞれに被って登場。相変わらずアヤシサ百倍というところである。
ストーリーは目白の時に比べていかにも口承芸能風な繰り返しとかトンデモ話的な部分は削られて、若い男女の波乱万丈の恋物語にスッキリとまとまっていたようだ。
セリフが一切ない代わりの「語り」をベテランの役者さんが担当して、それが講談調なのも面白かった。
ただ、歌はねえ……(-_-;) まあ、本業は役者だかにしょうがないにしても、今の若い人はカラオケとかでガンガン歌いまくってるんじゃないんですか? それとも中世風の歌い回しって現代の曲より難しいのかな(?_?; (歌ったことないんで分からず)
まともに聴けたのは、一人若い人に交じって中年で頑張ってた女優さんと、今年研究生に入ったばかりという大柄な娘さんくらいであった。
こうして演劇サイドの上演を見ると、改めて優れた歌い手が歌う歌というのは名優の演技に匹敵する情動が存在するのだなあ、なんて当然といえば当然なことを感じてしまったのであるよ。
終了後は「40周年記念」のトークショーあり。出演してた中年の女優さんは50代半ばなのにまだ「中堅どころ」なんだという話を聞いて驚き(!o!) 新人研究生なんて下っ端以下の存在みたいだし、こういう劇団も確固としたヒエラルキー社会でキビシそうだなあとヒシと感じ入った。
シアターグリーンは小劇場時代にも一度も行ったことがなくて、今回初めてだった。三つの劇場の入口が並んでて分かりにくい
| 固定リンク | 0
コメント