「永遠のこどもたち」:永遠の母親にはなりたくねえなあ
監督:J・A・バヨナ
出演:ベレン・ルエダ
スペイン・メキシコ2007年
製作がギレルモ・デル・トロの感動系ホラーだということでネット上の評価も高く、見に行ってみた。が、正直かなーり期待はずれだった(x_x)
私がホラーが苦手なのは、いきなりバタンとドアが閉まったり、家具がガシャンと倒れたりして急にでっかい音がするとか、電気もつけずに暗い所へ行ったり--とかそういうのにいちいち反応しなければならないのがイヤだからである。こういうのはまさに「生理的反応」であって、恐怖とは何も関係のないものだ。
ところが、この映画はそういうバタンドシンが長々と続く。終わり近い頃にはいちいち反応するのに疲れてしまった。「反応しなければいいじゃないか」って言っても生理的なモンだからしょうがない。向こうずね叩かれれば足が前に出る、みたいなものだ。
ストーリーは、かつて孤児院にいたヒロインが夫と養子の息子と共に、昔の孤児院の建物に戻ってきて新たに子どものためのホームを作ろうとする所から始まる(どういう子どもを対象にするのかは明示されない)。ところが、息子は姿の見えない「おともだち」を見る子なのであった。
なぜ、ヒロインをこのような設定にしたかというのは謎である。こういう行動をするとは極めて複雑なトラウマがあるのではとしか推測しようがない。既に養子である息子が疑心暗鬼に捕われても仕方ないのだが、彼女は全くそれを省みないのも不思議である。
息子が突然行方不明になってしまってから、その隠された内面が解明されるのかと思いきや、そんなことはないのであった。
ヒロインの不可解描写はそれだけでなくて、映画の初めの方で洞窟の奥へ息子を一人で行かせてしまうのにはビックリした。だーって、幽霊なんかよりもっと恐ろしい変質者のオヂサンが潜んでたらどーすんのよ~(>O<)
それから、夜中に外の納屋で不審な物音がするのを一人で見に行く場面。『ファニーゲーム』みたいな凶悪な若いモン二人組強盗がいたらどーすんの(>y<;) いくら熟睡してたってダンナをたたき起こして二人で行けよ……。
ラストは感動的で泣ける話になっているのだが、さて、この結末はどうだろうか?
私と同年代の子持ちのオバサン(既に子育て卒業)に「永遠に子育てするったら、どう思う?」と尋ねたとしたら、半数以上は「そんなのイヤだー」と答えることであろう。
実際、2歳の子どもがいる同僚は「あー、間飛ばして今すぐ大人になっちゃってくれないかしら」と言ってたぞ(^○^)
まさしく小倉千加子の喝破した
〈女性は単に生物学的母であるだけではもはや許されない。社会にとって理想の母は、「産みの母」ではなく「育ての母」なのである。〉
〈人工子宮ができれば、女性に産んでもらう必要はない。が、それでも女性に育ててはもらいたいのである。〉(『男よりテレビ、女よりテレビ』)
という、そのままの話であった。
疑問に思う方は、この話の「母親」を「父親」と変えて見直してみて欲しい。果たして物語が成り立つかな
主観点:5点
客観点:6点
【関連リンク】
「我が親のバカさ加減に涙が滲む」
されど母親……ですなあ(;_;)
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コメント
馬鹿丸出しの感想ですね。
投稿: RB | 2009年1月19日 (月) 19時04分
こんな素晴らしい映画を素直に感動できない知能指数の低い人にはなりたくないなあ。
投稿: クアトロ | 2009年1月19日 (月) 22時10分