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2009年2月19日 (木)

犯罪無くとも有罪OK?

裁判員制度開始を控え、かな~り気になる内容のTVドラマが放映された。--といっても日本のではない。
CS放送のFOXTVの警察ドラマ「ロー&オーダー:犯罪心理捜査班(LOW&ORDER:CI)」の第9話「The Good Doctor」がそれだが、美容整形外科の医師の妻が行方不明になったというのが話の発端である。

夫婦はそれぞれに浮気をしており、殺害動機については十分に可能性ありだ。妻の親類縁者は揃って「亭主が何かしたに違いない」と思っていて、失踪当時の彼の行動も不審な点がある。また、家の浴室の壁は塗り替えられていて、タイルや排水口は医療用の洗浄薬でピカピカになっている。

検察はなんとか起訴に持ち込むが、問題は殺人が行われたという物証が何もないことである。死体も凶器も痕跡もナシ 妻が実はどこかに隠れ潜んでいるということだってありうるのだ。

このままでは有罪にはできないと焦った検事補と捜査官たちは一計を案ずる。それは、医師がブチ切れやすいという性格を利用して、法廷でそれを見せつけ陪審員の心証を悪くするということだった。

結局、検事の尋問に引っかかり陪審員の前でブチ切れた医師は殺人罪で有罪の判決を食らってしまうのだった。
ここでは、事実がどうかというより陪審員の心証を動かす事の方が重要なのである。言いかえれば、犯罪が立証できなくとも有罪にはできるのだ。恐るべし……(=_=;)
さらに恐ろしいのは、エンドクレジットに「実話に基づいた~」などと出てくること。実際にあったんかい

このドラマは「犯罪心理捜査班」とあって、まるでプロファイラーでも出てくるのかと思うようなタイトルだが、実際には「知能犯罪捜査班」の方がふさわしい。詐欺とか計画的犯罪を専門に扱う部署の話なのだ。
そもそもは「ロー&オーダー」という超長寿警察ドラマが米国NBCで放送されていて、そのスピンオフ・シリーズである。同じくスピンオフの「ロー&オーダー:性犯罪特捜班(LOW&ORDER:SVU)」もCSで放映されている。こちらの方には、今回のケースとは逆に、6人もの男を殺したシングルマザーの娼婦が陪審員の同情を集めて無罪になりそうになるというエピソードが登場してた。これもまた恐ろしい話ではある。

ところで、スピンオフが放送されているのにご本家の「ロー&オーダー」自体は未だに日本では放送されてない。ぜひやって欲し~(-人-)オネガイ

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コメント

あ、これ見ました!
それに・・・スピンオフシリーズだというのも今初めて知りました・・・てっきり本家だと思い、でも1990年の放送に見えなくて・・すごいなと感心していた私・・
それにこれってプリズンブレイクのティーバック・・え?19年前なのに変わらない・・・と驚いていたところです・・・(=´Д`=)ゞ
裁判員制度・・どうなるんでしょうね・・
そのうち無くなりそうな気もしますが・・・

投稿: アルチーナ | 2009年2月20日 (金) 08時59分

他のTVドラマ系ブログを見てても、スピンオフだと知らずに本家だと思って見ている人は結構いるようです
米国では現在第五シーズンあたりをやってるのかな。

裁判員は……日ごろクジ運が悪いんで当たらないと信じてます(^^;(そんなんでいいのか?)

投稿: さわやか革命 | 2009年2月21日 (土) 12時59分

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