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2009年2月 1日 (日)

「サーチャーズ2.0」:生暖かく暴れてみました。文句あっか!

090201
監督:アレックス・コックス
出演:デル・ザモラ、エド・パンシューロ、ジャクリン・ジョネット
米国2007年

アレックス・コックス監督の作品はほとんど見ているはず。もっとも一躍有名になった『レポマン』(1984年)は見たのかどうかどうにも思い出せないんだが……。
その後の『シド・アンド・ナンシー』『ストレート・トゥ・ヘル』『ウォーカー』を発表した1980年代後半がもっとも勢いがあったように思える。
90年代以降はボルヘスとか17世紀の戯曲の映画化という文芸路線(?)にも手を伸ばしたようだ。『スリー・ビジネスメン』(1997年)という不条理コメディcatfaceは日本では公開されなかったので結局DVDを買って見た。この時期の作品はどれも「不条理」味濃厚だったようだ。

ということで、彼の久々の新作である。
中年ヲヤジB級役者二人組が、突如子役時代に出演した西部劇の脚本家に虐待されたことを思い出し、復讐の旅に出る--という話だ。と、書くとまともそうに少しは思えるかも知れないが(^o^;実際は非常にハチャメチャである。
旅に出たくとも、車がないんで仕方なく片方の男の娘に車を借りようとするんだけど、車と一緒に娘(失業中)の方まで付いてきてしまう。旅の目的を知らない娘とヲヤジ二人は完全にずれまくりだ。

というわけで、南カリフォルニアから西部劇のメッカ、モニュメント・バレーまでの3人の珍道中が始まる。
基本的にはロード・ムーヴィーで、作中会話では映画ヲタク的なマニアックなネタ(特にマカロニ・ウェスタン方面)満載、サム・ペキンパーに敬意を払い、物語の定型をぶっ壊すデタラメな展開……あたりは過去の『ストレート・トゥ・ヘル』系っぽい。
しかし、どうもこの路線はタラ坊の映画と表面上の芸風が似ちゃってるんで、今となっては歩が悪いのだった(T_T)
そのせいか、かつて『ストレート・トゥ・ヘル』の頃には客席にいっぱいいた若者たちの姿は今いずこ。小さな映画館の客席には20人もいないのであったよ……annoy

何げに全編にちりばめられているハリウッド&米帝批判もゆるいモードで、生暖かく見守って下さいてな感じだった。
プロデュースはなんと「B級映画の帝王」ことロジャー・コーマン。まだ生きてたんかい!なんて言っちゃイカンですね(・・ゞ いや、まじに最近そう言ったらお亡くなりになった方が一名……(=_=;;;;;

まあ、「映画ネタ三角決闘」は面白かったですが(^^; 近ごろ老人脳がとみに進行し、片端から固有名詞や人名を忘れてしまう私には縁のない決闘ではある。
なお、ラストの展開はなんかどこかで見たような聞いたような--という気がしたのだが、後で『僕らのミライへ逆回転』だと思い出した。最近、著作権摘発捜査官みたいのが、ハリウッド周辺で出没して無謀なイチャモンをつけて回っているのかね?

クレジットされてなかったようだが、監督ご本人もチョイ役で出演。
それから『フルメタル・ジャケット』も軍の援助は受けてないですよ。作中に登場した軍用ヘリは個人所有のものを借りたそうだ。


映画ヲタ度:9点
マトモ度:2点

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