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2009年5月 4日 (月)

ラ・フォル・ジュルネ バッハ祭り記録1日目

会場:東京国際フォーラム
2009年5月3日

あまり日が経ってしまうと記憶も薄れてしまうので、素早く簡単に記録しておきたいと思います。

*ストラディヴァリア
曲目:ブランデンブルク3&4、カンタータ18のシンフォニア
リーダーのダニエル・キュイエ(ヴァイオリン)は白髪のオジーサンという外見で、チェンバロのJ・キュイエ(奥さん?)と共に古楽第一世代のようだ。一パート一人の堅実な演奏である。
前の方の真ん中の席だったんで、キュイエが楽譜をめくりそこねてあわててる様子もばっちり見えた(^.^;)
シンフォニアはリコーダー+ヴィオラ+チェロという珍しい組合わせで、曲自体も通向けな渋いものだった。お祭りでこんなん渋いのやってエエんですか(^^?と聞きたくなるぐらい。
チェロの一人の東洋人がどっかで見たことがあるなあと思ったら、BCJでもおなじみの山本氏であったよ

*フィリップ・ピエルロ&リチェルカール・コンソート
曲目:ミサ曲ト短調、マニフィカト
後半のマニフィカトがトランペットやティンパニも入って華やかでよかった。5人の声楽ソリストたちも安定した歌を聞かせてくれた(合唱部分も担当)。
チェロはBCJやフォス・ムジケ公演でもおなじみツィパーリンク氏で、やはりバッハには質実剛健なチェロが欠かせないのを実感した。フルートの一人はM・アンタイ、オーボエもクイケンやヘレヴェッヘと共に来日してた人ですな。
全体的に満足感を味わえた公演であった。

*ファビオ・ビオンディ&エウローパ・ガランテ
曲目:ヴィヴァルディ+パーセル+コレッリ
この日は午前中にもステージがあったようだが、こちらは夜の部である。久し振りに見たビオンディは頭が白くなってて、恰幅もさらに良くなっていた。
前半は押さえ気味だったが、後半の「ラ・ストラヴァガンツァ」の曲からブイブイと飛ばしてスゴイことに……ヾ(^^#)ゝヾ(^^#)ゝ 鈴木(兄)雅明と並ぶ「暴奏族」の名称を与えるにふさわしい演奏家であることが判明だいっ
コレッリが終わると、客席は(若い人が多いせいか)ブラボーが飛び交い立ち上がって拍手する人も多数。まさに「熱狂の日」にピッタリの演奏だった。おまけに時間超過してアンコール(テレマン)を2曲もやったのも意外よ。
女の人が花束渡そうとして、ビオンディが手を伸ばした時に係員が静止しようとしたら、会場が「ブー」の嵐になったのにも笑ってしまった。

他にはテオルボの人(達磨さんみたいな外見)もよかった。でも、ビオンディが一曲終わるごとに、他の演者と握手して回るのはナゼだっ(?_?)
パーセルの曲の解釈には賛否ありそうだが、少なくとも彼が恐ろしいエネルギーを持った演奏者であることは間違いないだろう。
もう今日は、ビオンディあんたが大将 \(^o^)/で結論かとてっきり思っていたのだが……。

*ラ・レヴーズ
曲目:ラインケン「音楽の園」1番&4番、ブクステフーデのソナタ
フランスより、テオルボのB・ペローとガンバのB・ボルトンが結成したという6人組。チェンバロはストラディヴァリアのキュイエの息子さんか?
バッハの先輩筋のラインケンとブクステフーデという、極めて地味~な演目。近江楽堂あたりで日本の演奏家がやるならともかく、来日公演では滅多にないだろう。
ブクステフーデはともかく、ラインケンは恐らく生で聴くのは初めてである(パーセル・カルテットのCDでさんざん愛聴してたが)。
おフランス宮廷音楽の甘美さがほのかにドイツ風の簡潔なストレートさに混じった曲調で、またそれを何のてらいもなく着実に演奏する。直前に聴いたエウローパ・ガランテとは全く正反対である。
特に後半の第4番で、特にオルガンだけをバックにヴァイオリン独奏した部分、そして続いてガンバがテオルボと共にそれを繰り返す部分は、なんというか--非常に心を打つものがあった。
彼らがビオンディのように弾くことはできないが、ビオンディもまた彼らのように弾くことはできないだろう。
ちょっぴり涙目になってしまいました(;_;) これを聴くことができてヨカッタ。つくづくそう思った。
……というわけで、結論は「ラインケン先生ばんざい」であった。

Aホール公演以外で唯一売れ残っているのがラ・ヴェネクシアーナのブクステフーデなのはなぜだっ 古楽ファン・声楽ファンなら絶対買いですよ。まだ間に合うぞっと。


その他のどーでもいいこと
○客は全体的に静かなのにビックリ。子どもの声も一、二回聞こえてきたぐらい。いや~、こりゃ普段のコンサートより静かなほどだ。分厚いチラシやパンフがないせいですかね。
○B棟の女子トイレ少な過ぎ。いくら本来は展示場用のスペースってもさ。毎度行列だった。新しめの公共施設ならもうちょっと広いもんだが。
○中庭はもはやビヤガーデン状態 お前ら演奏を聴きに来たのか飲みに来たのかと小一時間問い詰めても、まだ飲み続けている。
○古楽器を使っている公演には楽器の解説も加えた方がよかったのでは? 某掲示板ではテオルボをガンバと勘違いしている人もいたようで。
090504


←夕方6時。まだまだ続きます。左側はグッズ売り場とレジ待ちの列。

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