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2009年5月24日 (日)

「チェイサー」:意余って尺が長過ぎ

090524
監督:ナ・ホンジン
出演:キム・ユンソク、ハ・ジョンウ
韓国2008年

公開するまで全くノーマークだった映画。評判がいいので行ってみた。
元刑事の男が経営する店からデリヘル嬢が2名失踪。男は手付け金を持ち逃げされたか、誘拐されて売り飛ばされたと推測するが、なんとそれは恐ろしい連続猟奇殺人事件の一端にしか過ぎなかったのであったbomb

何が恐ろしいって、この話の大半が事実に基づいているということ。陰惨な犯罪の様相はもちろん、犯人は以前に二度逮捕されているが釈放されてしまったこととか、最後にとっ捕まえたのがフーゾク店長だったとか……。
さらに正式起訴後もそいつは一度逃亡したという。まさに真実は映画より奇なり(!o!)である。

冒頭から演出の手腕が目立つ。多くの人が指摘していることだが、主人公の車の中で少女が泣き叫ぶ場面はうまいっflair
また映像も印象的な場面が多い。細かい路地が走る坂の町並み、そしてその上に教会の赤い十字架が見えるのは象徴的である。
犯人役のハ・ジョンウは一見平凡で地味な青年風にしか見えないが、実は恐ろしい犯罪者という不可解な人物を巧みに演じてお見事goodである。その他の役者も文句ナ~シ。
監督は新人さんだそうで、その才気は只者ではないようだ。

……と、いい事づくめのはずではあるけど、私にはどうも今一つのれなかった。それは幾つかの描写が長過ぎ!ということである。
なんというか、東アジア的特徴というか、私が日本映画をあまり見ない理由に通ずるのだが、主人公の憤怒とか詠嘆の描写が延々と続く場面が何度も出てきていささか辟易してしまった。まだやってんの~(x_x)みたいな調子。
それから同じような長い殴り合いがやはり何回も登場するのもクドかった。おまけに「ここで××が割れるんだな」と思っていたら、律義に割れたのもちと興醒め。
まあ、個人的に体質に合わなかったということだろうか。

ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』と比較してこちらの方が上だと評価している人も多いが、ポン・ジュノの方は肝心の所は重たくなくて飄々としているんだよね。そういう面が好きなのだ。

なお血みどろ場面多数なので、苦手な人は避けましょう。あ、それからよい子はパイプ椅子を人の頭に叩きつけてはいけませんよ(^o^)b 当たり所悪ければ死ぬぞ~danger
それからソウル市長かな~りコケにされております。日本で都知事をあれだけコケにする勇気のあるヤツはいるかなー(^○^;)


主観点:7点
客観点:8点

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