バッハ・コレギウム・ジャパン「ヘンデル没後250年記念特別プログラム」:ヘンデル先生、夏祭りもよろしくっ
ジメジメジメ……曇天で湿気が高い。こんな気候では古楽器の調整は大変そう。ということで開演時間ギリギリまで続いたチェンバロの調律が終わった後に登場したのは、マイクを持った鈴木(兄)氏である。
前説として、バッハとヘンデルの比較や、ヘンデルは多くの楽曲を書いているのに日本ではそのごく一部しか演奏されてないことなどを話した。またロンドンの「ヘンデルハウス」の一階には大きな窓があって、そこからヘンデル自ら公演チケットを売っていたなどというエピソードも紹介。
--と、その話を聞いた瞬間、私の脳内妄想のスイッチがカチリと入ってしまったのであった。
自宅の窓から身を乗り出して熱心にチケット販売するヘンデル先生の姿が(!o!)
「へ~イ、そこの奥様方、今夜のオペラにはイケメン・カストラートが大挙出演しますよ。行かなきゃ損損。どうですか、一枚」(チケットをヒラヒラと振る)
いかん、いかん(>_<)マチャアキ氏、妄想を引き起こすような話は止めてくれ~(^O^)
今回のプログラムはロンドン時代の協奏曲と、キャリア初期のイタリア時代の宗教合唱曲を交互に演奏という趣向だった。
「アレクサンダーの饗宴」に挿入された合奏協奏曲に続き、詩編に基づく「しもべらよ、主をたたえよ」は、これまで代役としても活躍してた松井亜希がソプラノ独唱者として濃いピンクのドレスで登場。合唱とかけ合いをしながら危なげなく華麗に歌いこなしてくれちゃったのであった。
休憩後は「オルガン協奏曲」。真ん中でオルガンを弾くは当然、鈴木(兄)である。実は同内容の兵庫公演のこちらの感想ではかなりオルガンがひどかったというので(他にも同じ感想があった)心配していたのだが、この日はそんなことなかったようで、一安心……といっても、「オルガン協奏曲」って大昔に録音で二、三回聴いただけなのでミスタッチとかあってもよく分かりません(^^ゞ
ただ、さすがにバッハ作品の時のような暴奏はなく、やはり作曲家によって暴奏しやすいヤツとかあるのかしらんと思ってしまった。
最後はやはり詩編による合唱曲「主は、わが主に言いたまいぬ(ディクシット・ドミヌス)」で、これこそ圧巻といってもよい演奏だった。
いつも定期演奏会を聞いているオペラシティではサイドで前の方の座席なのだが、その二分の一以下の大きさのさいたま劇場でほぼ真ん中の席で聴くと、合唱がダイレクトにグサグサと突き刺さってくるような印象を受ける。残響もほどよい感じ。やっぱり催事場(←まだまだしつこくこだわっている(^^;)なんかとは段違いだ。ダ埼玉にはもったいないくらいである(近所に焼肉屋とサイゼリヤしかないのが難であります)。
もちろん、器楽隊の方も充実した響きだ。目にしている人数以上の音数が聞こえるような気がするほど。
この6曲めは通奏低音だけが入って始まるが、ドンドンドンとまるで怒りのドラムというか、大軍勢が押し寄せてくるみたいなフレーズで、鈴木(弟)氏のチェロを筆頭に怒濤の迫力だった。やがて弦楽器群もそれを模して加わってくるのだが、その部分の歌詞が「主は国々の中にて裁きをなし(略)広き地を治める首領らを震撼させたまわん」というのを読んで、なんだか今の日本みたいだなあと思わず笑ってしまった。聖書の昔から社会というのはなんにも変わってないのかね
ラストの8曲めでは先鋭的で力強く縦横無尽なコーラスワークを聴く一方、心の中では「あー、今この時にこんな演奏を生で聴けてつくづく幸せだなあ~(´ー`)」とシミジミと感動していたのであった。
終了後、芸大での『アリオダンテ』や大塚&桐山のヘンデル・ソナタ公演のチラシをゲット。ラ・フォンテヴェルデのペトラルカってのもあったぞ。
会場外へ出ると、いつもは人通りの少ない町がちょっと賑やか。夏祭りをやっていたのであった。ヘンデルと夏--結構、似合うかも(^^?
ところで、ミクシィの方で松井女史のページを発見。まだお若いのね~ 『ポッペア』の時は4日前にいきなり代役頼まれて必死の思いだったとのこと。ご苦労様です。
同じくミクシィでこの日の感想を検索してたら、「客の年齢層高くて、お高くとまったつまらなそうなヤツばっか」などと書いてあるのを見てしまった。
ぬぁに~(^_^メ) 古楽系でしかもダ埼玉で、お高くとまってる客なわけねえだろが。しかも定期公演の時よりも若い人多くいたし。オーチャードホールあたりにでも行ってみるのをオススメしますぜ
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