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2009年7月15日 (水)

「西遊妖猿伝 西域篇 1」

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著者:諸星大二郎
出版社:講談社(モーニングKC)2009年

長い間待ちわびていた新刊が遂に登場
モロ☆先生、
キタキタキタ━━━('∀'≡('∀'≡'∀')≡'∀')━━━━!!!!!!

思えば双葉社のアクション・コミックスから第1巻が出たのが1984年である。当時から既に四半世紀が過ぎている。そして、1995年の第9巻で「大唐篇」が終了した。
しかし、その続きが同じ出版社から出ることはなく、1998年に潮出版社から判型が一回り大きい希望コミックスで再刊された。ここではかなり加筆されている。双方を見比べると明らかに古いコマを切り張りしてその間を細かく描き加えているのが分かる。当時の第2巻の帯には「著者の執念がついに結実!」という惹句が大きく付けられていた。

潮出版社版では10巻目(1999年刊)の途中から新たに第2部「河西回廊篇」に突入した(雑誌での連載はもっと前かららしい)。翌年に第16巻まで矢継ぎ早に発行、無事に「河西回廊篇」は終了したのであった。

その後、10年弱を経て昨年の末(?)から講談社で再び元の判型に戻り、第1巻目から発行された。私はこれはさすがに買っていないのだが、全10巻でなんとかつての「河西回廊篇」も含めて「大唐篇」になっている。従って今度の「西域篇」が第2部と変更になったのだった。

それにしても、長い歳月である。( -o-) sigh...
でも、諸星先生、あと何十年かかってもいいですから、わしらが死ぬ前に必ず完結させて最後まで読ませて下せえ~~(TOT)
完成の暁はマンガ史上に残る大作名作傑作奇作怪作となるでありましょう。

なお、念のため内容を紹介しておくと『西遊妖猿伝』とは『西遊記』が実際の中国唐代に起こった話として、史実に登場する実在の人物や事件を重ね合わせて語ったものである。本のオビに書かれている、おなじみ講釈師の解説にあるように「孫悟空や猪八戒も妖怪でなく人間」という設定となっている。繰り広げられるのは英雄・悪漢・妖女・仙人・怨霊が入り乱れる中華冒険アクションだが、しかしその背後には歴史の変転と個人の運命というようなテーマが潜んでいるに違いない。まさに神業に限りなく近い作品だろう。

この「西域篇1」でようやく沙悟浄まで全員出揃ったわけだが、残念ながら雑誌の方の連載は秋まで休みだという。もう、先生、頼んますよ~

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←こちらは双葉社版。

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