「天正遣欧使節団とルネサンス音楽 2」:コンサートでなぜか某出版社の権威を知る
解説:金澤正剛
演奏:鈴木美登里ほか
会場:ルーテル市ヶ谷センターホール
2009年7月31日
サブタイトルに「使節団が通った道を音楽で辿るレクチャーコンサート」とあるが、以前同内容の公演を皆川達夫&BCJの組合わせで聴いたことがある(感想はこちらとこちら)。
この第1回めは全く知らなかったので行けなかったが、今回はポルトガルとスペインの旅程を辿っている。上記リンクの皆川版では、その時使節団が聴いた可能性がある音楽を演奏するという主旨だったのに対し、この金澤版では単にその地域で演奏されていた曲を紹介するということらしい。
なお、金澤先生は皆川先生のように会場を震撼とさせるようなおやぢギャグを言ったりせず、極めてオーソドックスなレクチャーぶりであった。
歌手は鈴木(弟ヨメ)美登里、上杉清仁、櫻田亮などお馴染みの面々6人と、楽器隊はリコーダーの古橋潤一をはじめとする5人だった。
曲目はカベソンあたりなら知っているが、ボルーダ、エスコベードとなると「それは誰?ここはどこ??」状態になるのは必至。宗教合唱曲と器楽による舞曲をまぜて演奏された。
歌手陣は最初ちょっと息が合ってなかったようだったけど、その後は持ち直したように思えた。また、テノールのパートがやたらと大変な曲があって、ここでは櫻田氏大活躍だった。会場の残響がアッサリめで器楽にはよかったが、このような合唱にはもっと長く響くような所が適当だったかと思えた。
ただ、正直に言えば夏かぜをひいてしまって(@_@)カゼ自体のせいだか薬のせいだか頭が常にモーロー状態。これ以上のことはよく覚えていません
最後に使節団の一人、中浦ジュリアンの子孫という男性が挨拶に立った。関係者の(企画した日本ルネサンス音楽普及協会の会長?よく聞こえず)子供の頃からの友人だったとのこと。子孫であることは代々、口外禁止になっていて、その男性が初めて明らかにしたそうである。また、何十年も中浦ジュリアンのことを研究し続けてきて、ようやく岩波と山川出版社の記述を変更させたらしいのをかなり誇らしげに語っていた。
ネット界だとウィキペディアばんざい \(^o^)/みたいな感じで書籍の辞書の類いは存在していないかのように思えるが、やはり現実界では岩波・山川は絶大なパワーを有しているのだなあと、ヒシと感じたのであった。
前回、同じ会場に来た時もそうだったが、休憩時に客電がつかず、客は薄暗い中をモソモソと移動。ここはそういう習慣なのかしらん、ハテ(?_?)
【関連リンク】
《詩はすべて紋章》より「天正遣欧使節とルネサンス音楽」
第1回目の感想。子孫の方はこの時も来てたんですね。
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コメント
なかなか興味深いコンサートが目白押しですね。よくツボを押さえてらっしゃるというか。
でも、やっぱり、皆川達夫先生の講演つきにはかなわないでしょう。皆川先生は、大学のクラス担任だったんですが、ダンディーで紳士で真摯で辛らつではあっても、おやぢギャグは聞いたことがありません。お年を召されてから盛んになったのかも。
ところで、アルチーナさんにも提案したんですが、芸大の「アリオダンテ」を有志で観に行ってオフ会、というのはいかがでしょう。
投稿: レイネ | 2009年8月 6日 (木) 03時49分
オフ会お誘いありがとうございます。
ただ、初対面の方とはどうもうまく喋ることができない性質でして(^^ゞ
あと、過去に参加したオフ会についてなかなかいい思い出がないというのも、ちょっと苦手な一因であります。
お声がけ頂いたことだけでもう充分過ぎるということで、ご遠慮させてもらった方がいいかなと思います。
投稿: さわやか革命 | 2009年8月 8日 (土) 11時49分