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2009年8月 1日 (土)

東京リコーダー音楽祭2009

090801
会場:東京文化会館小ホール
2009年7月25・26日

いや~、驚いた(!o!) 何が驚いたって、リコーダー・ファンの多さにである。失礼ながら、こんなにファンがいるとは思わなんだ。しかも、熱気もスゴイ。
このリコーダー祭りは日本リコーダー史上初の画期的なもので、二日間に愛好家によるコンサート1回ずつ、プロによるものが2回ずつ行われた。私はとても全部は行けないので、それぞれ一日一公演のチケットを入手していたが、なんと完売してたらしい。当日券目当ての人はスゴスゴと帰る羽目になったとのこと。

「リコーダーソナタの世界」(25日)
家を出るのが遅れてしまい、着いたのが開場の10分後。だが、後ろ以外はほとんど空席がないfull ようやく端の方に一個だけ空いてる席を見つけて滑り込む。周囲は6割以上、中高年の女性ばかりである。
この回のプログラムは8人のリコーダー奏者が交替で様々な作曲家のソナタを演奏。通奏低音は平尾雅子&上尾直毅、福沢宏&岡田龍之介が交替で担当した。

8人も出るんで一人あたりの時間は長くない。一番手の花岡和生なんかオトテールをやったものの、なぜかプレリュードだけだったんで、あっという間に引っ込んでしまい、ハッと気づいた客があわてて拍手するという場面もあった。
それぞれに吹き方はもちろん楽器の持ち方ひとつも人によって個性があり、その違いが面白かった。

唯一の女性奏者でマルチェッロを演奏した太田光子はほとんど水平に近い角度で楽器を構えて躍動感あふれる演奏。
向江昭雅はマンチーニを粋な感じで--。ファッションの方を見ても相当のシャレ者と見たぞ。特に革靴は高そうでshineイタリア製かなんかかしらん。おもわずよく観察したくなったが、変なオバハンが舞台間近に這いより、靴をジッと眺めてるeye光景を想像すると、我ながらさぞブキミと思い、自粛したのであった。

他には文字通り吹き飛ばす勢いのテレマンをやった小池耕平が、丁寧さには欠けるかも知れないが斬新な印象が残った。
また、バッハのオルガンソナタを編曲したものを、この音楽祭ディレクターである本村睦幸がソプラノ・リコーダーで演奏したが、そもそも管楽器用の曲ではないのだから大変だったろうなあと思われる。だが、見事に吹きこなしてくれたgood もっとも、その陰ではチェンバロ担当の上尾氏の役割も大きかったろう。

最後は一同総出で挨拶をして終了。
休憩時間など、ロビーに業者がリコーダーをずらりと並べて販売していて、かなりの人だかりであった。中には試奏する女性なども見かけたし、こちらも熱気ムンムンだった。


「ブロークンコンソートと室内楽」(26日)
この公演では、リコーダーを含む様々な編成のグループ4組出演した。この日も出遅れて開場5分後に到着したが、やはり空席は少ねえ~(>_<) 昨日よりもさらに女性客の割合が多くなっていた(8割ぐらい?)。

前半は極めて好対照な二組が登場。
最初のラ・フォンテーヌはリコーダーにオーボエ、チェンバロ、チェロという編成。江崎浩司がリコーダーだけでなく、お笑い担当で会場を笑わせていたが、それ以外にもプログラム編成や見せ方・聞かせ方が普通のグループとは一味違っていて、引き付けるものがある。
この日はテレマンとヴィヴァルディというある意味「王道crown」な選曲だけど、短いアンコールでまたテレマンを始めた途端、曲を中断して江崎氏がやおらマイクを握り「曲の途中ですがkaraoke」とCDの宣伝を2回も挟んだのには笑ってしまった。しかも、その間他のメンバーは真面目な顔をして演奏途中のポーズのまま固まっているのだ。
客席は大いにわいて、周囲のオバハンたちは「あの指使いスゴイわねえ」などと感心しきりだった。

次は濱田芳通率いるアントネッロでガラッと雰囲気が変わる。西山まりえはもっぱらハープを担当。
1曲目のパッサカリア(ジローラモ・ダラ・カーサ)は濱田氏のコルネットがまるでジャズ・トランペットみたいな嫋々たる情感の世界を歌ったのだった。会場はシンと静まり返り聞き入っていた。私も感心して聴いていたが、一方でドラマや映画の劇伴に使われるようなムード音楽と紙一重スレスレにも思えた。まあ、コルネットでそんな音楽がやれてしまうということ自体並ではないと言えばそれまでだが。
パッサカリアの2曲めはリコーダーに持ち替えて、今度は尺八みたいな音を聞かせてくれた。
3曲目からは古橋潤一が入って、最後の曲では二人でリコーダー二重奏をやった。こちらも文句が付けようがないものだった。
最後は熱烈な拍手で終了したが、バロックのファン以外にはコルネット自体見たことも聴いたこともない人がほとんどだろうから、簡単な紹介が欲しかったところだ。

休憩後の後半もまた正反対のグループの組合わせだった。
ルスト・ホッファーズは本村睦幸のリコーダーにリュート&チェンバロという編成で、ゲストとして鈴木(弟ヨメ)美登里が加わった。曲目はパーセルとテレマンのカンタータでという今回随一の「正統派」sun
ただ、鈴木女史とパーセルの相性は今ひとつのような(^^?印象を受けた。

ラストはカテリーナ古楽合奏団。何年か前に公演に行った記憶があるが、その時はもう少しルネサンス系だったかな? 今回は中世の得体の知れない曲を次々と演奏し、客席はビックリ状態。一つの曲の中でも珍奇な楽器をとっかえひっかえして、急に踊り出したり、太鼓がドドンと入ってきたり目が回るようだ(@_@)

バグパイプ来たーっ━━━━(・∀・)━━━━ !
セルパン来た来た来た━━━('∀'≡('∀'≡'∀')≡'∀')━━━━!!!!!
--みたいな調子。
ビールびんみたいな格好の笛と傘の柄みたいに曲がった細い笛はどういう楽器なのか、知りたいところだった。
大いに楽しめた演奏で、これまた客席の大喝采の中で終わった。

終了後、会場の受付を出ると早くも次の回のコンサートの行列が出来ている。終演してすぐ並んだんだろうけど、次の開場まで一時間も立ったまま待ってるの(?_?; とても真似できません。
全体的にはリコーダーと一言で言っても、その世界は広く多様であることを改めて再認識した。リコーダー、侮れねえヤツですよ(o~-')b
ネットで感想を検索してみると、泊まりがけで他の地方から来ている人も多数なもよう。リコーダー・ファンの熱心さに恐れ入ったのであった。


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コメント

日本のリコーダー奏者のレベルって、すごく高いのでは?と思います。
パワーより繊細さが要求される楽器なので、日本人向きなのかもしれませんね。

まだまだリコーダーって、一般には「学校の音楽の時間で使う代用楽器」みたいな認識なんでしょうけど、もっと真価が理解されるべきだと思います。
「プロのリコーダー奏者」や「リコーダーのオリジナル曲」「リコーダーの種類と歴史」など、学校ではどれくらい教えてるのでしょうかね?
私が子供の時は、そんなの皆無でしたが・・・。

投稿: REIKO | 2009年8月 3日 (月) 10時18分

作曲家たちの歴史は教えるかも知れませんが、個々の楽器の歴史はどうですかねえ~。
高校あたりでは芸術の授業そのものが冷遇されて来ているようです。

投稿: さわやか革命 | 2009年8月 5日 (水) 20時04分

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