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2009年8月29日 (土)

「エリザベート・クロード・ジャケ・ド・ラ・ゲール」:気分(だけ)は王宮サロン風

090829
演奏:小林木綿ほか
会場:近江楽堂
2009年8月23日

ジャケ・ド・ラ・ゲールと言いますと、ルイ14世に寵愛されたという、その頃には珍しい女性音楽家として伝えられております。
……な~んて偉そうなことを言ってしまいましたけど、わたくし実演では聴いたことはこれまでありません。名前を知ったのだって、今は昔のNHK-FM「朝のバロック」(懐かしいですこと)で一曲だけかかったのを耳にした時ですもの。それ以後も聴いたことはないというほどです。
ですから、こんな珍しい演目を聞き逃す手はないと近江楽堂まで足を運びました。

そんな内容にも関らず、近江楽堂は中高年女性を中心に結構客が入っておりました。恐るべしオバサン・パワーですわねっ
編成はチェンバロを中心にガンバ、ヴァイオリン、それにソプラノ独唱が入るというものでした。前後半ともジャケの「クラブサン曲集」から組曲の独奏(及川れいね)で開始しするという趣向です。
他には器楽アンサンブルでソナタを、また途中に一曲だけマレの「ヴィオール曲集」の演奏(坪田一子)も入りましたのよ。

そして小林木綿のソプラノが入って、聖書やギリシア神話の女性に題材を取ったカンタータが2曲披露されましたの。いずれも明晰で勇壮な曲 歌詞の内容もそんな印象でしたわね。

ジャケ・ド・ラ・ゲールの作風は簡単に言うと、クープランから鬱屈と倦怠を抜いたような--と形容してよろしいかしら。当時はきっとその明晰さと華やかさが王宮サロンで人気だったと想像できます。でも、それがどうして同時代の作曲家と違ってその後忘れられてしまったのかは謎ですわねえ
その原因については、歴史上の女性芸術家についてのフェミニズム本でも読んで研究することにいたしましょう。

四人の演奏者の中でも特に及川れいねさんとヴァイオリンの小林瑞葉はとてもお若い感じがしました。日本の古楽界もこういう若い方々がいらっしゃるなら今後も安泰ですわね~。ひねくれ者のオバハンも安心いたしましてよホッ

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