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2009年9月13日 (日)

「縞模様のパジャマの少年」:罰せられたのは誰なのか?

090913
監督:マーク・ハーマン
出演:エイサ・バターフィールド、ジャック・スキャンロン
イギリス・米国2008年

これは評価が割れる映画だなーと思った。
ラストまで見て「なに?こんなで決着つけるんかい」とビックリ。確かに泣ける話ではあるが、子どもが悲惨な状況に追いやられる描写をやって、それで観客の涙を取ろうというのはなんだかなあ(\_\;……という気分になってしまったのだった。

時は第二次大戦中、ベルリンから軍人の父の赴任に伴ってブルーノ少年はド田舎のお屋敷へ。しかし、周囲には学校も何にもありませんempty 周りにいるのは大人の軍人ばかりで詰まんなーいと家を抜け出して探検すれば、何やら鉄条網に囲まれた「農場」がdanger なんとそこに同じぐらいの歳の男の子がいるではあ~りませんかっ。こりゃ友だちになれるかなあheart01とブルーノは喜んだのでありました。その少年が小汚い縞模様のパジャマを昼間っから着ていたってキニシナイ!!(・ε・)

そのあたりまではよかったんだけど、後は段々と細部で気になるところが出てきてしまった。そもそも父親がユダヤ人収容所の実態を知らせたくないのに、わざわざ家族を連れて行くのかというのが謎(一応理由は付けてるが)。で、おまけにその収容者を連れてきて家のディナーの給仕をさせるのかrestaurantというのも変。収容所内ならともかく、外部の屋敷でですよ?

そういう点が気になり出すと、どうも感涙のはずの悲劇的ラストもわざとらしく感じられてしまうのであった。原作の小説ではどうなんだろうか?(この夏の感想文コンクールの課題図書になってましたな)
あと、描写が少年の視線だけでなく母親のもまじってたりするのも一貫性にちと欠ける気がした。
子役達はよくやってたし他の役者は文句なし、対照的な二つの屋敷のデザインもよかったんだけど……。残念賞spaである。

ところでこの映画を紹介していたTV番組では、大人ではなく子どもの戦争に対する責任を扱った作品だという言い方をしていた。つまり、戦争を起こした世代ではなくその下の世代についてだ。
終盤の悲劇は父親に対する罰だという意見を幾つか見かけたが、そういう「責任」の観点からみると、これは父親への罰ではないだろう。すなわち、主人公の少年が眼前の事実をよく見ることをせず、父親の虚偽を素直に信じてしまった--そのことによる少年への「罰」なのである。

【関連リンク】
《かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY》
厳しい意見です。


主観点:5点
客観点:6点

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コメント

こんばんは。
記事内リンク、ありがとうございます。
そうなんですよ。ディナーの給仕をさせるシーンはいただけませんでしたね。
TV番組で紹介されていたという「子どもの戦争に対する責任を扱った作品」という見解も興味深いです。

投稿: かえる | 2009年9月13日 (日) 23時38分

コメントどうもです。
やはり物語の根本的なところがそもそも不自然かなと思えました。
「実話」だったらビックリしますが、さすがに……という印象です。

投稿: さわやか革命 | 2009年9月15日 (火) 07時08分

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受信: 2009年9月13日 (日) 23時37分

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受信: 2010年11月11日 (木) 22時34分

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