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2009年9月14日 (月)

「ヴァルター・ファンハウヴェ リコーダー・リサイタル」:まだまだ深かった笛世界

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ソロ&トリオによる響きの競演
会場:近江楽堂
2009年9月12日

ファンハウヴェ氏の名は恥ずかしながら知らず--なんでもブリュッヘンやK・ブッケと共に笛トリオ「サワークリーム」をやっていたらしい。しかし、ブリュッヘンというともうかなりヨボヨボなじーさん風のだが、彼の方はまだまだ元気なオヤヂという感じだった。9月後半にある福岡古楽音楽祭が今年は笛祭りで、それに出演するために来日しているようだ。
トリオの相方を務めるのは田中せい子&ダニエレ・ブラジェッティ(過去のコンサートはこちら)。経歴を見ると田中せい子がファンハウヴェの教え子らしい。

曲目はルネサンス、バロックからドビュッシーまで、トリオ演奏の間にファンハウヴェのソロを挟むという構成だ。リコーダーだけのトリオを近江楽堂のような小さな所で間近に聴いたのは多分初めてで、あまりにもよく響くのでちょっとビックリよ。

ファンハウヴェはトリオの時はアンサンブルの中に完全に溶け込んで吹いていた。特にルネサンスの曲がよくて、中でもクリストファー・タイの曲は三人の演奏する拍子が異なるというものだが、哀愁味があってしみじみと心に響いてきた。
長い曲は三人で立って一つの楽譜を見て吹いてると、楽譜に沿って三人が徐々に場所をズレていくのが面白くてちょっと笑ってしまった。最前列の人にぶつかるかと思ってしまったぞ(^=^;

一方、ソロになると豹変して極めてアグレッシヴになる。パッサーノという人の曲では何やら情念が立ち上る感じ。テレマンでは指使いで変化に富んだ音色を出していたのには感心した。よもや、リコーダーにこれほど様々な音色があったとは知りませんでした、ハイ。大きな会場ではここまでは分かりません。
アンコールの2曲目がファン・エイクの独奏曲で、やはり会場はシンと聞きいってしまったのであった。

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合間に解説というかトークが入り(田中女史が通訳)、一日2回公演だったので私が行った夜の回は客も多くなかったのは残念だったけど、ざっくばらんな気兼ねのないコンサートであった。
しかし、そこで演奏された音楽は素晴らしく、久々に「聴いた!」(なぜかガッツポーズ)という満足な気分になって帰った。
福岡周辺の方は音楽祭を是非お聞き逃しなく~(^^)/

【関連リンク】
《Music for a while》
浜松の楽器博物館での公演ご報告です。ありがとうございます。

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コメント

ハウヴェさんも素晴らしいけれど、イルジャルディーノのジョヴァンニさんは更に超絶技巧系ですよね...。
そのイルジャルのコンマス、オノフリ氏が
今度はヴァイオリンソロの演奏もひっさげ再来日だそう。
しかも、来年の福岡古楽祭にも招聘されているとの最新情報アリ。
まずは今年の12月の紀尾井ホールへの出現を、、、
聴きに行こうかどうしようか、迷い中。
かなり気になるのは事実

投稿: たろじゃまるき | 2009年9月20日 (日) 20時16分

コメントどうも。
オノフリは、かなり前ですがイルジャルで来日した時に聞いているので、パスしようかなあ~なんて考えちゃったりしています(^^ゞ
アンサンブルはメンツを見ると日本人なんですね。

投稿: さわやか革命 | 2009年9月20日 (日) 22時11分

マイナー・コンサートお知らせしてくださったおかげで、里帰り中に「アリオダンテ」のほか、リコーダーのコンサートも聴けました。ありがとうございます。
なかなか、ヴァラエティに富んだ選曲も、ソロもトリオのアンサンブルもトークもよかったですね。

ファンハウヴェ氏には、オランダから(偶然)聴きに来たのだけど、リコーダーの音色やルネッサンスの曲の複雑さが予想以上に美しくて驚き、などとコンサート後に話しかけてみました。

投稿: レイネ | 2009年9月23日 (水) 04時08分

こちらの公演もいらしたんですね。
ファンハウヴェ氏の返答や公演の感想をよければ、ブログでお聞かせ下さいまし(^^)
里帰り中の裏話なども……

投稿: さわやか革命 | 2009年9月23日 (水) 09時08分

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