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2009年10月11日 (日)

「精神」:なぜに「カツカレー」?

0901011
監督:想田和弘
出演:「こらーる岡山」のみなさん、謎の白猫ほか
日本・米国2008年

ドキュメンタリー映画『選挙』で評判をとった監督が、岡山の精神科クリニックを取材した作品。前作はケーブルTVで放映された時(短縮版の方)に見たが、それと同じくナレーションや音楽を全く入れない手法を取っている。
さらに、クリニックに来た患者さんに確認して、モザイクなしで顔を出す許可を得た人だけ取材してるのだという。

さて、これが東京で単館公開されたのが6月半ばだった。その後ロングラン上映していたのだが、その間、私はずーっと見に行くかどうか迷っていた。上映時間は2時間以上だしなあ、内容は暗いのかしらん……などと考えているうちに、季節は秋に で、あわてて公開最終週になってエイヤッと見に行ったのであった。
で、結果は……

これはマルでした~ \(^o^)/
早く見に行けばよかった(^^ゞ

一見、クリニックなどとは思えない古びた木造の家、そこで淡々と通院者たちが自らのことを語る。院長は何を考えているのか分からない白髪のオヤヂさんである。この院長へのインタヴューが最後の方にあるかと思ってたら、結局なかったのはやや意外。この人は病院時代は開放病棟の実践などをやってきたらしい。

クリニックのスタッフだと思っていた人が実は患者だったり、エンド・クレジットで登場していた患者さんが何人か亡くなっているのが明らかになったり--という「波乱」はあるが、大部分は静かに時間が流れていく。しかし、その背後に本当の修羅が見え隠れするようでもある。
印象に残ったのは、院長が行なった訪問看護士の研修会で、参加者が持ちかけてきた相談の内容。骨折のリハビリに行ったら、どうもその患者は自殺しようとして飛び降りたらしい……。

ラストに登場する男性はどう解釈したらいいんだろうか? あんな人はどこにでもいそうで、珍しくもないような気もする。しかし、当初ビックリした「土足」の理由が最後の最後に分かった時はミョ~に納得してしまった。

このドキュメンタリーでただ一つ確かなのは、見る人によって考えることが全部違うということだろう。地域によって、公開時期が異なるようだが、見るか迷っている人は行って損なしと花マル印を押しとこう。


淡々度:9点
「異常」度:3点

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