「カールじいさんの空飛ぶ家」(字幕版):飛んで過去行くボロの家
監督:ピート・ドクター
声の出演:エドワード・アズナー、ジョーダン・ナガイ
米国2009年
ご近所のシネコンは吹替版及び3D吹替版ばかりだったので、あわてて都心の映画館まで行って字幕版を見てきた。
予想外だったのは「空飛ぶ家」が飛んでいるのは最初の方だけで、後はほとんど「浮いている」状態だったこと。予告で引っ張ってる場面は見ていたけど、これほどとは--という感じだ。
ピクサー初の人間が主人公の作品という触れこみだったが、その「人間」というのが頑固な爺さんと生意気な小僧、というのが笑っちゃう。キレイなねーちゃんやイケメンのヒーローも出て来ない。こんな話、実写だったら絶対にゴーサインが出ないだろう。
その爺さんも頑固が行き過ぎて暴力沙汰の騒ぎ--その「暴力」をかなりあからさまに描いているのにビックリした--で好感度低いし、少年に至っては早くもメタボ体型な図々しいお子チャマで、「何が野外生活だお前スナック菓子ばっかり食ってるだろう」とほっぺたをつねってやりたくなるぐらいにイライラさせられるのだ。
いやー、素晴らしいキャラクター \(^o^)/です。
他にダメダメなドジ犬や、何考えてるのか不明のケバい鳥も好演よ。
巷では、冒頭のせりふナシで夫婦の歳月を描いた場面が評判が高くて、後の話は要らないという意見が多かったが、私は両方楽しめた。
特に後半の、あれほど憧れてきた「冒険家」の真実の姿が明らかになり、それとは対照的だった主人公の過ごしてきた平凡な日常生活の意味、そして真の「冒険」とは、そして「人生」とは何かという根源的な問いへの回答が示されるくだりはシミジミとさせるものがあった。
視覚的には色とりどりの風船が雲の狭間に浮かんでいる場面や南米の高地の光景が美しかった。逆にじいさんの白い不精髭なんて細かいところまでも目が行き届いている。
ただ難を言えば、過去の作品の連想が多過ぎること。「家」とか回想場面だって「ハウル」や「つみきのいえ」だと言われればそうだし、主人公は宮崎駿クリソツ(^^;と聞けばナルホドと思う。その他、「スター・ウォーズ」の戦闘機やらドイルの「失われた世界」やら、いくらでも出てきそうだ。なんとかしてくれー
冒険家氏のあの後について何かフォローがあるかと思って、エンド・クレジット眺めてたけど、何もなかった……。あれで終わりなのだ。結構キビシイッ。
それから、よい子は図書館の本を破ってはいけません。ちゃんとお金を払ってコピーしましょうね(^o^)b
というわけで、やはりここはラセターご本尊の登場を待ちたい。『トイ・ストーリー3』早く見たいぞっと(^^)/
恒例の同時上映の短編は、様々な動物の(人間だけでなく)赤ん坊を運ぶコウノトリの意外なる真実の姿の物語。どうして、夕立が急に起こるのかよ~く分かりました……ってそういう話か(?_?; 雲のモコモコ感が素晴らしい。
じいさん度:8点
冒険度:7点
【関連リンク】
《LOVE Cinemas 調布》(ネタバレあり)
ボーッとしてると見過ごしてしまうアルバムの意味が理解できました。
《水曜日のシネマ日記》
いつも吹替版と字幕版の違いを教えてくれるテクテクさん。今回もまた重要な点が……。
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