「パリ・オペラ座のすべて」:「すべて」はないが日常はある
高名なドキュメンタリー作家のワイズマンがパリ・オペラ座に密着取材した作品。上映時間160分だが、これでもこの監督にしては長いというほどではないらしい。
解説のナレーションは一切付けない形式で淡々と、ある一時期のオペラ座の日常を切り取っていく。起承転結も何もなし、エンドクレジットが始まった時は「え?これで終わり」と思った客が多数だったようだ。
大部分はダンサーのリハーサル場面が占めている。その他には芸術監督の女性が振付師やダンサーの要望を聞いたり、スポンサー客の接待をしたり、スタッフ会議をしたりとか、あるいは衣装製作など裏方仕事、なぜか屋上でミツバチを飼ってるところなども登場する。売店でオペラ座製蜂蜜を売っているとのことだが、そんな場面出て来たっけ? もしかして、寝てたかしらん(^レ^;)
バレエ作品は『クルミ割り人形』からモダンまで様々だが、いずれもダンサーの肉体の極限まで酷使するような動きには圧倒されちゃう。もうビックリよ(@_@)
笑ったのは、二人演出家がいてそれぞれが正反対の指示をしたりして……それでも淡々とダンサーは踊るのであった。
後半は本番公演の場面も出て来るが、この頃になると映画を見ている側も疲労蓄積。ときどき眠気虫が場内をウロチョロするのであった(^^ゞ 加えて、私はどうもバレエやダンスって苦手。どうしても動きに「意味」を求めちゃうんだよねー。脳内の受容している部分が違うのか。だったら最初から見るなって言われてもしょうがない(火暴)
そういう意味では芝居的な要素が多かった『ベルナルダの家』という作品が面白そうだった。
日常の描写の積み重ねによって見る側をその場にいるような気にさせるのがワイズマンの手法なのだろうか。だとしたら、退屈と興奮が作品内に同居していても仕方ないだろう。いや、別にウトウトしてしまったことの弁解をしているわけではないですよ(^^;
休日は激コミ状態ということで、平日に取れた休みに行ったけど場内はオバサマでいっぱい 大半はバレエファンなんざんしょか。男性は中高年世代が数人という具合だ。さすが渋谷ブンカムラというところかニャ。
予告でモリエールを主人公にした映画をやっていたが、残念ながら音楽は手抜きのようだった。鑑賞予定リストからは外れそうだ。
日常度:8点
波乱度:4点
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