「キャピタリズム マネーは踊る」:求む日本版
うーむ、こりゃ評価が難しい映画である。
今回、M・ムーアの標的は「資本主義」という怪物である。巨大な岩と相撲を取っているようなもんだ。
これをプロパガンダ映画だと評していた人がいたが、それどころかもはやアジテーション映画と言っていいだろう。なんせ最後にゃ「立ち上がれ、全米の労働者よ」となっちゃうんだから(^o^;
しかし、それも仕方ないかも。有名になり過ぎてもはやアポなし取材なんて出来ないし、まともに取材を申し込んでも相手が許可しないだろう。
こうなっては犯罪現場の封鎖テープをウォール街に引っ張るぐらいしかない。
住宅差し押さえの実況映像から始まって、米国内の資本主義の不条理な様相を事細かにこれでもかっと描いていくが、取り上げられていく事例が細かくてやはり国内向けなんである。おまけに上映時間も長いし……(コックリしてる人が結構いた)。もちろん、日本でも共通の問題はたくさん出て来るけど。
やはりこれは米国以外の国に向けたインターナショナル版も作って欲しい--って、それなら日本人が自分で日本のドキュメンタリーを作るべきですかい。
でも、大銀行を名指しで非難……なんてとっても出来ねえです(>_<)
それと、これだけ最近のネタを使っていると半年経てば、状況がガラッと変わってしまうという点もある。少し前のM・ムーアのインタヴューでは「オバマにはガッカリした」と言ってたし、日本に至っては総理大臣が変わってるし(^^;
とはいえ、見終って無から有をでっち上げるが如き資本主義のカラクリが少し分かったような気がした。
エンドクレジットで流れたビングバンド・ジャズ風「インターナショナル」が面白かった。
年末に見に行ったのだが、空いてるだろうと思ったら満員御礼で入れなかった(!o!) 仕方なく二時間半もブラブラして費やす羽目に どこも、かなりの人手でマイッタ。みんな大掃除やらんのか~(私もやってないが)。
難解度:8点
旬度:6点
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