「前田りり子リサイタル フルートの肖像 4 ヘンデルの時代」:好景気ロンドン事情を聴く
「各時代、各国のフルートの横顔を一つ選んで」有名作曲家とその周辺を取り上げるシリーズ。前回の感想はこちらである。
四回めはヘンデルとその周辺。曲ごとに前田りり子のトークが入って、当時の作曲家の人や音楽状況など解説した。他のメンバーはもう一人のフルートが新井道代、通奏低音担当が上尾直毅とD・バディアロフで、バディ様はもちろんスパッラを弾いた。彼も日本語で解説をしたが、若干聞き取りにくい部分もありましたなあ……。
そもそもヘンデルはフルートが好きでなかったらしいとのことで、彼がフルートのために書いたという確証がある曲はないそうである。そんな怪しいヘンデル先生のフルート・ソナタを2曲。
当時のロンドンは大変な好景気で他のヨーロッパ各国から優秀な音楽家が続々とやって来たという。
ということで、他にベルギー出身のルイエ、ミラノ出身のサンマルティーニの曲をやった。二人とも当時の優秀なオーボエ兼フルート奏者だったとのことだ。
後半最初のスタンレーという人物の名は初めて聞いたが、数少ない英国人作曲家だそうな。りり子女史の解説通り、やや箱庭的にちんまりとおさまっている曲調で今イチ面白さに欠ける作品だった。
あとはバディ様&上尾コンビでジェミニアーニのチェロソナタの演奏もあった。
りり子女史は笛もトークも快調。当時のロンドンの豊かな音楽状況の一端が分かって楽しめる内容だった。客層はやはりオヤヂ系の方々が結構いた。
それにしても、ヘンデル・イヤーまだ続行中って感じですかな。
この日は寒かったけど、新宿の交差点で素足にビニールぞうりをつっかけてる若い女性を目撃(!o!) いやー、若いってエエですなあ。私はカイロ使用中だぜい。
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