« 「キャピタリズム マネーは踊る」:求む日本版 | トップページ | リュリ 叙情悲劇「カドミュスとエルミオーヌ」:復古的にして新鮮 »

2010年1月 5日 (火)

「アバター」:最新技術を駆使した力作を阻むラスボスは「あの人」?

100105
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワーシントン
米国2009年

ジェームズ・キャメロン十ウン年振りの新作! もはや、興行成績dollarは「ダークナイト」を越えたとか越えないとか。ということで見てきましたよ……2Dで。
なぜシネコンの同じ時間帯に3Dもやってたのに、敢えて2Dにしたのか--その理由は単に私がひねくれ者であるという以外にはない(火暴)
あ、でもメガネの上に3D用メガネなんてかけてられっかeyeglassと思ったけど、今はちゃんと通常のメガネに取りつけられるのがあるんですねー(有料だけど)。知らんかった。
次からは「ひねくれ者」を止めて、素直ないい子になります(^^ゞ

物語はニューシネマ以降の西部劇(先住民に対する侵略行為を反省した)を設定だけSF版にしたと言っていい。
惑星の先住民ナヴィの村落の地下にはお宝の鉱山が眠っている。それを狙う企業に軍隊……。
主人公はさしずめ騎兵隊崩れというところか。先住民との融和を図る「女教師」がシガニー・ウィーバー扮する学者だろう。
しかし、それだけでなく観た多くの人が感じるだろうが、宮崎アニメの影響大。私は特に「ナウシカ」を連想した。だって、惑星ではマスクをしなければ人間は生きていけないって、まんまじゃないですかっ(!o!) 他にも似た場面多数あり。

他にも、主人公が「戦士」であるから受け入れられるというのは、ジョン・ブアマンの「エメラルド・フォレスト」を思い出した(息子じゃなくて、パワーズ・ブース扮する父親の方)。他作品の連想が相次ぐのは「カールじいさん」以上か。

異星の動植物や光景を一から造形したのは見事だ。大昔、B・オールディスの『地球の長い午後』を読んでその描写に感心したことがあったが、それが今や映像で作り上げたのだから大したモンである。ただ、ロジャー・ディーンのイラストに似ているという指摘が方々から上がっていて、言われてみればなるほどだ。
青い先住民も最初は不気味な感じだが、だんだんと慣れて来る。でも、主人公(のアバター)が口の端を曲げて笑うのはどうも慣れなかった。それとも中の人が地球人であることを強調するためにわざとやってるのか?
実際の役者の動きをトレースしてCGで作っているとのこと。完全に架空の生物であってももはや実写との境がないほどである。

しかし正直なところ、前半の平和で美しい異世界の描写はいささか単調で飽きてしまった。代わりに、後半の戦闘場面になると一気に興奮annoyへと突撃だー(3Dでも見せ場か)。なぜ、破壊と暴力の光景は常にこのように美しく刺激的なのであろうか? ウットリして見ている自分がチョビッとイヤよ(^^;

かように視覚面では細心に作り上げられているのだが、お話の方は、となると……。
後から考えると辻褄が合わない部分が続出。それどころかそもそも基本の設定である、しち面倒くさいアバターなんてモノを作って先住民と接触するという事自体あまり説得性がないような(?_?; 一応、もっともらしい説明を付けてるけど。
さらに、心理描写はあって無きに等しい。どうして、M・ロドリゲスの女兵士(「エイリアン2」のバスケスを髣髴とさせると評判)が主人公たちに味方をするのか全く説明がない。「彼女がきっぷのいい姐御だからだ」ということ以外には思い当たらないのだ。
視覚的描写の労力の百万分の一でも心理描写の方にさいて欲しかった。(これって贅沢な要求か?)

それから、食事の場面がほとんどないという指摘をしていた人がいて、思い返すと確かにそうだった。銃撃ってる時以外は飯食ってるnoodleジョニー・トー作品なんかとは格段の違い。もしかして、さすがに食生活まで創造するのは手が回らなかったかng

戦争終了の後はあっけなくてこれも少し意外だったが、キャメロンはどうやら三部作にする構想を持っているらしい。となると、当然続編は「資本主義帝国の逆襲bomb」だろう。

この作品は最新技術を駆使したJ・キャメロンの渾身の力技であることには間違いない……が、力技であることが果たして面白いことを保証するかというと、その限りではないのであった。
なお、ラストに出た出た出た~っdanger字幕担当者の名前は「冥王の回し者」こと「あの人」ではありませんか! 完全に凶となった(>_<) 勝手に「ダイナマイト」とか訳さないように。


映像度:10点
納得度:5点

【関連リンク】
《水曜日のシネマ日記》
的確な感想です。確かに主人公の設定が弱い--というか何をどう感じているのか分からないんですなあ。

|

« 「キャピタリズム マネーは踊る」:求む日本版 | トップページ | リュリ 叙情悲劇「カドミュスとエルミオーヌ」:復古的にして新鮮 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/82416/47210240

この記事へのトラックバック一覧です: 「アバター」:最新技術を駆使した力作を阻むラスボスは「あの人」?:

» アバター [☆彡映画鑑賞日記☆彡]
 『観るのではない。そこにいるのだ。 もうひとつの体。もうひとつの運命。』  コチラの「アバター」は、「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督の12年ぶりの新作となる12/23公開のSFアドベンチャーなのですが、3D特別前夜祭で早速観て来ちゃいましたぁ〜♪  ...... [続きを読む]

受信: 2010年1月 5日 (火) 13時53分

» ハリウッド版「もののけ姫」みたい。『アバター』 [水曜日のシネマ日記]
地球からパンドラという衛星にやって来た人間たちとその星の先住人の物語です。 [続きを読む]

受信: 2010年1月15日 (金) 12時38分

» 映画:アバター 3D [よしなしごと]
 短い映画だと公開から1ヶ月で終わってしまうものも少なくない昨今、公開から約1ヶ月のアバターを見てきました。公開から1ヶ月弱後の日曜のレイトショーなんて普通ならガラガラなのに、めちゃ込みでしたよ。ちなみにポイントの無料券+300円の3Dでの鑑賞です。... [続きを読む]

受信: 2010年1月27日 (水) 23時38分

» アバター [Akira's VOICE]
かつてない規模のウルルン滞在記。   [続きを読む]

受信: 2010年1月29日 (金) 10時09分

» 「アバター」 [心の栄養♪映画と英語のジョーク]
遅ればせながらの3Dデビューです(^^ゞ [続きを読む]

受信: 2010年2月 8日 (月) 13時45分

» アバター(146作目)初3Dも斜視で見れず最悪 [別館ヒガシ日記]
[続きを読む]

受信: 2010年2月14日 (日) 11時09分

» 『アバター』’09・米 [虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ]
あらすじ元海兵隊員のジェイクは、遥か彼方の衛星パンドラで実行される“アバター・プログラム”への参加を要請された・・・。感想アカデミー賞9部門ノミネート興行収入歴代1位超話題の映画の遅ればせながらの感想3Dって言っても、画面全体が3Dやなくて背景とかは普...... [続きを読む]

受信: 2010年3月 1日 (月) 23時56分

» アバター■人類がここまで悪役になった映画があったであろうか? [映画と出会う・世界が変わる]
物語の構成としては人類とエイリアンとの接触の物語である。この種の物語としてはよくあるが、悪役をどのように設定するかが、作品のテーマと評価を決定づける要因となるようだ。この「アバター」ほど人類を徹底的に悪役に仕立てた作品も珍しいのではなかろうか?人類と惑...... [続きを読む]

受信: 2010年3月 8日 (月) 07時53分

» アバター−映画感想:2010− [デコ親父はいつも減量中]
監督:ジェームズ・キャメロン 出演:サム・ワーシントン、シガニー・ウィーバー、ゾーイ・サルダナ、他 評価:90点 青い顔をした異星人「ナヴィ」たち。 誰かに似ていると思ったら経済評論家の勝間氏に少し似ている。 それよりも会社の同僚の埴生にとにかくそっくりだ。...... [続きを読む]

受信: 2010年9月 6日 (月) 23時48分

« 「キャピタリズム マネーは踊る」:求む日本版 | トップページ | リュリ 叙情悲劇「カドミュスとエルミオーヌ」:復古的にして新鮮 »