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2010年1月23日 (土)

「コンチェルト・コペンハーゲン」:イケイケ指揮者と夫婦漫才、そして金髪トラヴェルソ美女悩殺の夜

100123
会場:王子ホール
2010年1月15日

デンマークとスウェーデンの混成メンバーによるコンチェルト・コペンハーゲン(COCO)。やはりなんと言っても指揮&鍵盤のラース・ウルリク・モルテンセンの派手な指揮ぶりというかキャラクターが目を引くのであるが、前回の公演では、正直その派手な面に騙されちゃってたんではないかという疑念がぬぐえず。再挑戦してみることにした。

今回のプログラムは前半、バッハのコーヒー・カンタータにテレマンの協奏曲、後半は農民カンタータという次第。
バッハ先生のこの2曲の世俗カンタータはかなり前にBCJで一度聴いただけで、CDも持っていないし、かなり忘れてしまっている。

歌手は三人で舞台中央奥に壇を置いてそこで歌った。しかし、私はイープラスでチケットを買ったらなんと前の方の左端の座席で、そこだとモルテンセンの腕や横顔やヴァイオリニストの背中はよーく見えるのだが、歌手たちは隠ちゃっててあんまり見えないのであった(+_+)
しかも、右側の方に歌手の控え席があって、そこでも歌ったり演技したりしていたようなのだが、そこは完全に隠れてしまっていた。かくして声はすれども姿は見えず状態で悲しかったです(T_T)ナイチャウ

ソプラノのマリア・ケオハナは小柄でキュートな印象。年齢はよく分からないけど「アルプスの少女」(^^;)風のドレスがよく似合っていた。バスのオーヴァード・ステンスヴォルドは大柄・イケメンの若手。声もよく通って印象よろし。「コーヒー」の頑固オヤヂをいかにもな感じで歌った。
COCOはヘンデルのオペラ(A・ショルを主役に据えた「ジューリオ・チェーザレ」など)もやっているらしいんで、是非この二人をバロック・オペラでも聞きたいと思った。

「コーヒー」は他愛もない笑劇という感じだが、「農民」になるともはや新任領主歓迎会で若手のドツキ夫婦漫才コンビが、イチャイチャするバカップルを演じながら領主をヨイショしまくる、という趣向である。正直、ここまでおバカな内容だったとは……(^=^;
しかも、バッハ先生が極めて真面目かつ几帳面に内容に沿って音楽を付けているので、余計に笑えるのであった。歌手二人の演技のノリに負けず、モルテンセンも大仰に指揮していた。

彼のノリノリの指揮は、やはりこういうケレン味のある曲の方がピッタリのようだった。そういう意味でも、次の来日時は是非ヘンデル先生のオペラでお願いします。

テレマンの曲はトラヴェルソとヴァイオリンがソロを取るというもの。トラヴェルソ奏者はスラリとした長身でパツキンの美女ではありませぬか。ハイヒール脱いでも、小柄なヴァイオリンより背が高いくらい--って、どうでもいいことですね、ハイ。もちろん、演奏の方も二人とも素晴らしかったです。

全体的に満足度高い公演だったと言えるだろう。
舞台が見えなかった分は、NHKのカメラが入っていたので放映された時にじっくり観察することにしよう。……あれっ(^^?なんだか本末転倒のような気が

チェロは日系の、こちらは小柄な女性だった。もう一人ヴァイオリンに日本人の男性がいたんで、パンフを何度も見直してしまったが、一人病気で急きょ代理で入ったらしい。ホルンはアリア一曲のみの参加で、これじゃ航空機代と運搬費が割りに合わないんじゃないの。もっとも、バッハ先生の頃はトラヴェルソ奏者がついでに吹いたのかも、などと考えてしまった。


貰ったチラシの中にアッコルドーネの来日公演のを発見!(=ΦωΦ=)キラーン☆
しかしガッティの名前はなく、代わりにパーカッションが入るらしい。残念よ。

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コメント

CoCoとモルテンセンは、11月に初ナマ体験しました。バッハとペルトの「マニフィカト」という異色の組み合わせで、しかも、厳かな曲にモルテンセンの指揮のオーヴァー・アクションが不釣合いで、どうも聴いていてノレませんでした。タダ券もらったから行ったので、苦言を呈する筋合いではないのですが。
彼の指揮でショル兄がタイトル・ロールの「ジュリオ・チェーザレ」DVDは、それなりにイケてるので、やっぱり、こういう世俗カンタータとか、ヘンデルなんかのオペラで聴きたかったと思います。1回だけで懲りずに機会があったら、聴かないといけませんね。
ソプラノの「アルプスの少女ハイジ風」衣装は、見たかったわ。このくらいの軽いノリでないとね。

投稿: レイネ | 2010年1月24日 (日) 04時30分

確かに宗教曲をあのノリでやられたら、ちょっと鼻につくかも知れませんねー。
受難曲なんかクライマックスで、鍵盤にガバと身を伏せ泣きださんばかりに……やられたら、イヤです(^^;

ショルのシーザーも見てみたいですね。

投稿: さわやか革命 | 2010年1月25日 (月) 06時29分

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