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2010年2月11日 (木)

北谷直樹チェンバロリサイタル「バビロンの流れのほとりにて」:みぞれの池袋に黄色い歓声が飛ぶのだ

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17世紀・18世紀の鍵盤楽器のためのオリジナル曲とアレンジ作品を集めて
会場:自由学園明日館講堂
2010年2月3日

日本人鍵盤家の”もう一人のナオキ”こと北谷直樹の初・単独公演である。彼を初めて見たのは武蔵野市民文化会館で、この時はヴィヴァルディの「ラ・ストラヴァガンツァ」を”一人時間差協奏曲”で弾いて、ヤンヤの大喝采を受けた。
二度めは昨年の同じ会場でモーリス・シュテーガーと共演した時である。こちらでは、ヘンデルのオペラのソロ編曲版でやはり聴衆を驚かせたのであった。

さて会場を見回すと、なぜか若い女性が多数。いつも行ってるような公演だと白髪頭の方が目立つんだけど……(^^? 鍵盤というのは独特のファン層を持っているんざんしょか?

舞台には2台のチェンバロ。1段のフレンチで冒頭フレスコバルディ、そしてパーセルの後になぜか切れ目なくルイ・クープランへと進んだナオキ氏。ありゃ、これはもうクープランだよな--とこちらが考えているうちに、今度は2段のジャーマンへと移動してクープランの二曲目を弾き始めたのだった。
この二曲目がうまく説明できないが、異様なるダイナミクスといったものを持って演奏されて聴く者を圧倒し、演奏後には黄色い声でブラボーが飛んだほどである。

後半最初のバッハも同様。終章のジーグへ向けて怒濤のように盛り上がっていく。次のジェミニアーニでは再びフレンチへと戻った。この頃になると何かパチパチと音が聞こえて来ると思ったら、この古い建物をみぞれまじりの雨が打っているのだった。

ラストは待ってましたのヘンデル「リナルド」の編曲版。一台の鍵盤から広がる華麗なる歌世界といった趣きである。
となると、アンコールはやはり「ラ・ストラヴァガンツァ」だった。また聴くことができてウレシイっ(*^-^*)
次に、「このフレンチの音に合うと思うので」と始めたアンコール2曲めは……ジャズ風味のアレンジをまぶした、なんと日本製某ポップス曲だったのだ(!o!) しかし、確かにチェンバロに合っているからビックリよ
このサプライズ曲をもってコンサートは終了。再び大喝采と歓声が飛んで大いに盛り上がったのである。

ここに至って、場内は「キャ~、ナオキ」「ナオ様~」と熱い声が飛びかい、花束、チョコ、おひねりなどが投げ入れられ、さらにチラシや会場備えつけの座布団が宙を舞う事態になった。この危機に、調律担当のご存じU岡楽器のU岡氏が身を挺してチェンバロを守る場面も--というのはさすがに嘘です すいませんm(_ _)m

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長く海外で活躍してきたナオキ氏は日本ではこれまでほとんど演奏して来なかったもよう(「アントレ」1・2月号にインタヴューあり)。そのせいか、途中の曲の解説では日本語の単語がうまく出て来ない?場面もあった。
これからは日本での公演も増えそう また聴きに行かせて下せえ(^^)

【関連リンク】
《チェンバロ漫遊日記》より「北谷直樹 IN酒蔵」
同じ料金で「利き酒付き」とは--う、うらやましい(^Q^;) ヨダレが出そう。


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コメント

キタヤナオキ・・・?
ン?どここで聞いた事あるような名前・・・と思ったんですが、以前海外のレーベルのCDを買ったことがありました。
(曲目はルイ・クープラン)
そこではローマ字でしか書いてなかったので、漢字表記を今知ったところです。(笑)

「さすがに嘘です」は、どこからが嘘なんでしょうか???
「キャ~、ナオキ」から?花束から??座布団から???
(^ ^;)

投稿: REIKO | 2010年2月11日 (木) 14時33分

あ、私このルイ・クープランの録音聴いてみたくなってしまいました。今度探してみようかと思ってます。

|どこからが嘘なんでしょうか???

えー、もちろんU岡氏がガバとチェンバロに覆いかぶさったという件り……ぢゃなくて、「キャ~」からです。さすがに皆さん「ブラボー」でとどまってましたよ。

投稿: さわやか革命 | 2010年2月11日 (木) 22時35分

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