「ディエゴ・オルティス『変奏論』邦訳出版記念コンサート」:わが人生、最寒のコンサート
演奏:平尾雅子他
会場:日本聖公会東京教区聖パウロ教会
2010年2月11日
今年はルネサンス期スペインの作曲家オルティスの生誕500年(多分)だそうである。なぜ(多分)が付くかというと、生年が実はハッキリしないそうだ。
さて、そのオルティスが書いたガンバの変奏についての指南書(ガンバだけでなく他の楽器にも使えるそうな)を平尾雅子が訳して出版。そして、その記念コンサートとなったのである。
前半はオルティスの本業(宮廷礼拝堂楽長)関係のラテン語の宗教曲を演奏。「サルヴェ・レジーナ」や「マニフィカト」「めでたき、海の星」などを、鈴木美登里率いるラ・フォンテヴェルデが歌い、さらに5本のガンバと上尾直毅のオルガンが加わるという豪華版。まさしく、これぞルネサンス・ポリフォニーの精華といった響きが教会内に広がるのであった。
世俗歌曲は後半で。過去の流行歌や旋律を変奏したものを幾つものパターンで演奏していく。ここではビウェラ(永田平八)やパーカッションが加わったり、上尾直毅がチェンバロを弾いたりもした。
ラ・フォンテヴェルデが原曲を歌う場面もあり。特にサンドランのシャンソン「甘い思い出」は歌詞もしみじみとして泣けましたです(T_T)
最後ははデ・ローレのマドリガーレに平尾女史が自分で変奏をつけたもので終了となった。その装飾的変奏(ディミニューション)というのは、バロック期以降の装飾音とも違うそうだ。ルネサンス音楽の道も深いのである。
--と、ここまで書いてきたが、実際は大変な状況だった。
会場はほとんど正方形で祭壇がかなり大きく中心に出ている。座席はそれを取り囲むような形で三方に配置されているので、遅れて来た私は祭壇の真横の座席になってしまい(ほとんど満員御礼)、祭壇の前で演奏している皆さんの背中を眺める羽目に……トホホ状態である。
まあ、音は高い天井に反響してよく聞こえたけど、奏者の半分以上は姿さえ見えなかった。後半では正面の方に移動して立ち見している人もいたぐらいである。
さらに、耐え難いほどに寒かった{{(>_<)}}ブルブル 教会や小さな会場では演奏の邪魔になるので空調を切ってしまうのが常なのだが、この日は雪の予報も出ていた冷たい雨の日で、冷えまくりである。いくら東京は暖かい地域たって、こりゃ寒過ぎだー コートを着て聴いていたが、どこからか垣間風は入って来るし、指先まで冷えて来て最後にはたまらず手袋まではめてしまった。
演奏者の方々はよくこれで楽器が弾けるもんだと感心。もしかして、服の下にカイロをグルグル巻きに貼り付けていたりして(^o^;
←異端者をいぢめるための拷問具、ではなくてオルガンの「ふいご」であーる。
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