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2010年3月21日 (日)

「フローズン・リバー」:氷も解かす女優魂を見よ

100321
監督:コートニー・ハント
出演:メリッサ・レオ、ミスティ・アッパム
米国2008年

2009年の(今回のではなく昨年ですな)アカデミー主演女優賞にメリッサ・レオがノミネートされたというのを知ってからずっと見たいと思っていた映画が、ようやく公開された。しかも映画館(シネマライズ)が直接買い付けしたとかで、それも評判になった……というか、そうでなければ上映されなかったということで、ある意味寂しい話でもある。
メリッサ・レオといえば私にとってはなんと言ってもTVドラマ『ホミサイド』で初代の女性刑事をやってた印象が強い。その後は他のドラマや映画で脇役をやっていたのを何回か見かけた。

舞台はカナダ国境近くの米国の田舎町。
家の購入費用を持って亭主に逃げられた白人女と、なぜかその亭主の車を運転していた先住民の女--共に社会の中で底辺層に位置しながら、決して交わることのないはずの二人であるが、成り行きで移民の不法入国稼業に手を貸すことになる。
それは二人とも「子どものために金が必要」な必死な「母親」であるからだ。

犯罪といったって人を殺したり盗んだりする訳じゃなし、必要な額を稼ぐだけdollar稼ぐだけよmoneybag……と、女の前に出現する様々な人種の人々も単なる「積み荷」に過ぎない。他人のことを気にしている余裕なんかない。
しかし、ある事件を契機に二人の関係も状況も変わる。

救いなき日常、凍てついた人間関係(河が象徴するものか)--M・レオは銃をすぐぶっ放す癇癪持ちながら、思春期の息子への対応に悩むヒロインをうまく演じている。しかも、疲れがにじみ出ていて、醜いのだimpact すっぴんメイクどころではない。大した女優魂である。(オスカー授賞式ではちゃんと美人shineでしたよ)
脚本も書いた監督はラストで、悲惨な状況も女達のゆるやかなシスターフッドによって救われ、何がしか変化が生まれると主張しているようである。そして前向きに終わる。
しかし……逆にそれだからこそ、見ていて物足りない所を感じてしまうのもまた事実なんであった。

よく時代物・歴史物の作品で美術や衣装に感心することがあるが、この作品でも同様に感じた。トレーラーハウスから小物に至るまで、なんというか、全てが安上がりでセンスに欠け、貧相で微妙に悪趣味--というのがにじみ出ているんである。それを観客に嫌悪感を感じさせる手前でうまく表わしている。
普通は豪華なセットに目がひかれてしまうもんだが、それに匹敵する担当者の優れた仕事だろう。


主観点:7点
客観点:7点


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