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2010年4月 4日 (日)

「カラヴァッジョ 天才画家の光と影」:画家の人物像は灰色

100404
監督:アンジェロ・ロンゴーニ
出演:アレッシオ・ボーニ
イタリア・フランス・スペイン・ドイツ2007年

イタリア・バロック期の画家カラヴァッジョの伝記映画である。元々はテレビ用に作られ前後編に分けて放映されたのを、短く(と言っても2時間以上ある)編集して公開したらしい。
宗教画家として手法が同時代の画家に模倣され、後世にも影響を与えたというカラヴァッジョであるが、その生涯はスキャンダルにまみれたものであった。喧嘩・決闘など暴力沙汰、果ては殺人、指名手配されて逃走、娼婦を宗教画のモデルに使ったとか、同性愛疑惑……数知れずである。
この映画の最大の売りは、彼の破天荒な半生と作品をヴィットリオ・ストラーロのカメラでたどったことだろう。素描をせずにモデルを置いて直接カンヴァスに描いたそうだが、その光と影のイメージが再現されている。

ただ、正直言って長い(\_\; それから編集版ということで、いきなり「侯爵夫人」とか「剣」へのこだわりとか出て来て訳が分からず、もしかしてカットされた部分に登場したのかしらんと首をひねる所もある。
全体的にNHKの教養ドキュメンタリーか大河ドラマ総集編のようだ。で、生涯を順にたどり、作品も数多く登場するが、一体どうして有力なパトロンがいて画家としての名声を得た男が、喧嘩やら暴力沙汰の行動に走ったのかは見ていてよく理解できなかった。
強いて想像すれば、天才とはそもそもプッツンimpactなのだ--で無理やり納得するしかない。それでは残念ながら人物としてはほとんど共感する余地はないのである。

結論としては、作品やイタリアの風景は楽しめたが、それ以上のものは……dashであった。

主人公のパトロンのデル・モンテ枢機卿は音楽の愛好者だったらしいが、背景にはあまり当時の音楽は使われていない。ただ、カストラートらしき歌手が歌っている場面が短いけど登場する。
カラヴァッジョが公開死刑を見る場面は『宮廷画家ゴヤは見た』の影響か(?_?)

昔のテニスはラケットなしで手で打っていたのかrock 大変である。私のような運動神経のない人間には空振りばかりになりそうだ。


美術教科書度:8点
共感度:5点

【関連リンク】
《千の天使がバスケットボールする》

【追記】
デレク・ジャーマンの『カラヴァッジオ』について書きました。

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