訃報(佐藤史生)
新年度で仕事がバタバタと忙しく、ニュースもネットもロクに見る暇がない生活をしていたため、マンガ家の佐藤史生が亡くなったのを知らなかった。不覚である。4月4日のことだったそうだ。(ニュース記事)
最近、新作が出ないなーとは思っていたが、長いこと闘病生活をしていたとのことだ。
いわゆる24年組はまだ元気に活動している人がほとんどだというのに、その後の世代が「あの人は今?」状態だったり、このように訃報に接することになるのは残念である。
個人的な意見としては、彼女は長編よりも本質的に短編作家であったと思う。しかし、小説の世界でも同じだが、短編というのは評価されにくいのだよね。
また、少女マンガ誌でSFプロパーな作品を描いていたのも特筆すべきだろう。
←最初に雑誌で立ち読みしたのが「金星樹」(短編)だったような?
この作品集は収録作が全て別冊少女コミックに掲載されたものなのに、奇想天外社から出版されている。
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コメント
お仕事、お疲れ様です。
今、佐藤史生の作品を改めて読み返しているところです。 つくづく凄い作家だったのだな、と思いました。
私も、やはりとても残念です。
本質的に短編作家というのに、同意します。
切れ味、幕切れの余韻が素晴らしいです。
私のお気に入りは、『天界の城』(ハヤカワ文庫)ですね。
もっともっと読まれて欲しい作家なのですが、
作品が入手しづらいのは、なんとかならないのでしょうか…。 記事にて取り上げられている『金星樹』も、
手に入れるのが困難でありました。
ずっとずっと、大好きな漫画家です。
出会いのキッカケを与えてくれて、
ありがとうございました。
不世出の才能が、時の流れに埋もれてしまわないように
、記念しつつ…。 復刊して欲しいです…。
投稿: かみや | 2010年4月10日 (土) 23時00分
コメントどうもです。
彼女の場合、SF色が強い作風なので一般受けは難しいから、余計に復刊されにくいかも知れませんね。
私は、もっと下の世代のマンガ家に彼女の影響を受けた人がいるかどうか、というのも知りたいです。そういうのも作品が「生き続ける」ことの重要な要素ですよね。
さもなければ「昔、ちょっと変わった作風のマンガ家がいてね」「へえ」で終わってしまいますから。
投稿: さわやか革命 | 2010年4月11日 (日) 12時24分
私も知らなくて、mixiのマイミクさんが6日に日記に書いていたので知りました。
「ええ!? 新聞の訃報欄はわりとちゃんと見ているのに気がつかなかったよ」……と思ったら、京都新聞には8日に載っていました。
『夢見る惑星』や『ワン・ゼロ』は雑誌でリアルタイムに読んでいました。『金星樹』もさがせばあるはず。しばらく読み返していないなあ。
でも、今、新刊書店でほとんど手に入らないようで。若者たちは知らないかなあ。
投稿: しの | 2010年4月11日 (日) 23時56分
>しのさん
読売新聞は載ってましたが、朝日は見つからなかったような……。
情報元は坂田靖子のHP(ブログ?)だったようです。これからはもう、こういう情報はネットで伝わるんでしょうね。
作品は数年前に文庫で出たようですが、その後は??
もう新作も出ないとなると、後は忘れ去られるのみなんでしょうか(>_<)
投稿: さわやか革命 | 2010年4月13日 (火) 06時00分