「イギリスのコンソート音楽 勇気と喜びのシンプソン」:まさに「共」演を楽しむ
演奏:ザ・ロイヤルコンソート
会場:日本福音ルーテル東京教会
2010年4月6日
6人組ガンバ弾きと鍵盤(上尾直毅)によるザ・ロイヤルコンソートの定期的な演奏会。今回は特別ゲストもなくじっくりと英国のコンソート音楽を味わう公演となった。
とはいえ、作曲家のメンツはギボンズ、ジョン・ブル、ジェンキンズ、そしてタイトルとなっているシンプソンにしてもマイナーどころがズラリという印象だ。(一曲だけダウランドあり)
他の作曲家の作品は5~6声によるものだが、シンプソンのだけは二人もしくは三人による掛け合い風の演奏になっている。特に後半にやった『四季』の「春」は大曲でお見事。
上村かおりは解説に「難しいパッセージが交差するのですが、競演というよりはフィギュアスケートのように支え合って美しい」と書いているが、まさにその通りの演奏だった。
あと、「元祖ナオキ」こと上尾直毅が弾いたブルのチェンバロ独奏曲は〈どすこい〉風の低音に高音が自在に駆け巡るという聴いててとても面白いものだった。
ラストのジェンキンズでは、譜久島譲が楽譜を忘れたとあわてて楽屋に引っ込んだが、なかなか戻って来ない。実はちゃんと譜面台の楽譜の中に入っていたとゆうギャグのようなひとときも……お茶目な人である。
外の街の喧騒とは無縁のゆったりとした「コンソート時間」とでもいうものを客席もゆらゆらと堪能したコンサートだった。
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