ラ・ガラッシア コンサート vol.3「私の贈り物」:まな板とたこ焼きに共通する楽器とは
ラ・ガラッシアとはハックブレット(ダルシマー)演奏家の小川美香子が主宰するアンサンブルである--と書いたものの、実は演奏はもちろん名前を聞くのも初めて。メンバーと曲目が面白そうなので急きょ思い立って行ったのであ~る。
とはいえ、毎回古楽系の曲目をやっているわけでもないようだ。
プログラムはヨーロッパのルネサンス~バロックの様々な器楽曲を年代順に演奏して行った。ダウランド、アルカデルト、モンテヴェルディ、カステッロ、バッハ、ボワモルティエなど。終曲はクヴァンツだった。
メンバーはドイツからインガ・フォルマー(リコーダー)、勝俣敬二(トラヴェルソ)、佐藤亜紀子(リュート)、佐野さおり(チェンバロ)、小川美香子(ハックブレット)だが、みな出たり入ったり様々な組み合わせで、アンコールまで5人全員で演奏する曲はなかった。
ハックブレットはダルシマーのドイツ語名とのこと。ダルシマー自体はタブラトゥーラのコンサートで毎回見て(聞いて)たが、そちらでは金属弦を張った楽器を平に置いてバチ(というより長いスプーン風)で叩いていた(つのだ団長は「たこ焼きをひっくり返してるみたい」と表現)。しかし、この時は斜めに台に立てかけて演奏していた。音は硬質なハープっぽい(?)。
なんでもミュンヘンの大学に唯一の専門学科があるそうである。なお、バッハ時代のトーマス教会で楽士が雇われていたという記録が残っているとか。
カステッロまでの前半は全体的に古雅な響きで心地好い。曲ごとに解説をしてくれて初心者にもバッチリ分かるようになっていた。
リュート・ソロでピッチニーニという作曲家は初めて耳にしたが、もっと聴きたくなった。クヴァンツもこれまであまり気にして来なかったが、今回のトリオソナタは滑らかなアンサンブルで、録音を探してみようかと思う。
フォルマー女史は大柄な金髪白人女性で、一見パワーがありそうだが、そういう演奏をするタイプでもなかった。
地味な内容なのでそんなに客は入っていないのではないかと思って時間的にギリギリに行ったら、ほとんど満席だったので驚いた。
だが、後で会場を見回してみると、ステージに向かって左側の椅子の列がなぜかグチャグチャに乱れていて、座ることができないのだった。だから、客がそれ以外の場所の席に片寄って満席状態になってしまったようだ。なぜ、そのまま放置されていたのかは謎
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